孫の聖太郎と娘の基子が帰省してきました。
さあ、いろいろなところへ、出かけるぞ~!
八幡山ロープウエイ、山頂駅。2機のロープウェイが順に昇り降りするだけで、発車間隔は15分。
まずやってきましたのは、近江八幡市の八幡山ロープウェイです。
標高272mの山頂まで、約4分。どうせたいしたことないだろうと思っていたら、予想以上の見晴らし。おそれいりました。
写真上は、琵琶湖側に見える比良山系、写真下は、琵琶湖とは逆の方角に見える鈴鹿山脈です。
本能寺の変で信長が倒れた数日後、安土城が原因不詳の出火によって焼失しました。信長にとってかわった秀吉は、ここ八幡山に新たな城を築けとの命を下しました。命を受けたのは、甥っ子の秀次です。
築城を終えた秀次は、そのまま城主となり、安土の城下町をこちらに移し替えました。後に近江商人を数多く輩出することになった商都近江八幡の礎は、その時期に固まったといわれています。
安土城から八幡山城は、直線距離にして、わずか5kmほどです。ともに山頂に位置する城でしたから、信長も秀吉も、今日と同じような冬晴れの景色を見下ろしたはずです。
天下人も知る近江の冬景色。それを孫の聖太郎に見せてやったと、そう考えてもばちは当たらないでしょう。
琵琶湖越しに雪をかぶった比良山系。こうして眺めると、台地状の地形、つまり比良は平であることがよく分かる。同じような高さの地形が丹波までずっと広がっている。
上の写真とは逆の方角に当たる眺め。遠くで雪に輝くのは鈴鹿山脈。滋賀県・三重県・岐阜県の県境を形成する。八幡山の初日の出は、鈴鹿山脈最高峰御池岳のすぐ隣に顔を出す。
ロープウェイは空いていたけれど、山を下りてきたら、「たねや」と「Club Harie」はいつも通り、この車の数。年始用のお菓子を買い求める客で混んでいた。
娘の基子に、近江八幡の古い町並みを見せたくて、昼ごはんの場所は尾賀商店にしました。「すいらん」の古代米メニューも食べさせたいと思いました。
初めての基子も、尾賀商店独特の心地よいゆるさのおかげで、すっかりリラックスしていました。聖太郎は、床の間の掛け軸に見入っていました。子供のツボは予期不能です。
倉庫では、江湖庵店主・斉藤さんの巨大な毛筆書が光に透け、BOND YARD店主・古道さんが銅板でこしらえたハウンドドッグが立っていました。こういうのを組み合わせの妙というのか、なんともいえない渋さ、そして、見続けていても飽きない美しさを放出していました。
尾賀商店は古い町並みの一角にある。この建物自体が、150年を超える商家。いつ訪れても、昔の家屋構造独特の抱擁力で癒される。
「すいらん」のメニューを見る基子。古代米メニューではなくてうどんを選んだが、そのなかにも、古代米で作った餅が入っていた。
近江八景の掛け軸に見入る聖太郎。同じ帰省するのなら、おじいちゃんの家が掛け軸の似合う立派な日本家屋であればいいのだが、残念ながら草津市のマンションだ。
尾賀商店の倉庫には、江湖さんの作品と古道さんの作品が展示されるともなく展示されていた。二つの作品が醸し出す空気は、張り詰めているようでもあり、ゆるゆるのようでもあり、まことに不可思議だった。
尾賀商店の四つ辻には、野菜や惣菜を売る「三松屋」もあります。「もういくつ寝るとお正月」モードの三松屋では、正月用の食材や惣菜を買い求める近所のおばちゃんたちが、ミツバチかアリのように出入りしていました。
三松屋。ぎゅっと小型に圧縮されたスーパーマーケットといえばいいのか。年をとるに連れてこういう店で充分な生活パターンに変わってきた。平和堂なんて、買いたいものまで歩くのが面倒くさくってねえ。
近所ではないけれど、妻お龍もおばちゃんですので、こういう店は無視できない様子。店の中に消えました。
買い物を済ませて出てきたお龍が言うには、「いつもここで買いたいわ。すごく愛想がよくて、私みたいなよそ者にも感じいいの」とのことでした。
年末のサービスとして近江八幡市のゴミ袋をくれるらしいのですが、草津在住のお龍が近江八幡市専用をもらっても、使うことができません。
それを、すいませんって、謝ってくれるのよ。京都だったら、草津のあんたにあげてもしゃあないなあって、絶対に言うよ。
そうだと思います。こういうケースにおいて、京都では「あんたがわるい」になりやすく、滋賀県では「私がわるい」になりやすい。そんな土地柄の違いを感じます。
湖東の近江八幡市までいくと、この対人観がまだ色濃く残っていて、それを随所で感じることがあります。いっぽう、転入者の多い大津、草津、守山、栗東、野洲あたりでは、「私がわるい」で暮らすことの不合理さが目立つばかりです。
長命寺の湖岸。水際に建つのはシャーレー水が浜。中に入ると、大きな薪ストーブのおかげでとても暖かい。
帰り道、竜王の三井アウトレットモールへ立ち寄りました。
三井アウトレットモール竜王。日曜日の午後5時としては人が少ない。やはり年の瀬は、若い客が金力を溜め込む時期か。溜め込んだ金力が福袋で爆発するのか。
聖太郎は、大好きなLEGOを買ってもらった。今日からは、幼児用の大型サイズを卒業して、普通サイズのブロックでおにいさんの仲間入り。聖太郎のフリースはL.L.Beanだとのこと。なんかカッコいいので、おじいちゃんもL.L.Beanを買うことにした。
この日のアウトレットモールは、福袋を見定めに来ている客が少なくない様子でした。いつもに比べますと、各店のおしゃれなショッピング袋をぶら下げている人の数が少ないように思えました。
千葉県習志野市に住む聖太郎と基子は、幕張の三井アウトレットモールへは何度も出かけています。
幕張はファッションのブランド品ばかりだけれど、竜王には食器や食料品の店が入っている。何よりもフードコートがある。そこが嬉しいねえ。
基子はそんな風に話していました。
晩ごはんを「もりもり寿司」で食べました。普段はかっぱ寿司(元気寿司に吸収されてなくなりましたね)の基子は、ネタの違いとともに、シャリのおいしさにも驚いていました。
反面、私は、開店当初よりネタの質が落ちたかなと感じました。
孫のいる楽しい1週間が、こうして始まりました。でも、1週間が過ぎれば、またじじいとばばあだけの変哲もない毎日が待っています。
「もりもり寿司」の外観と店内。本拠地金沢で食べるもりもり寿司と竜王とでは次第においしさのギャップが生じてきたように感じる。思い過ごしか?
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