Phillip Strangeさんというジャズピアニストのソロコンサートに行ってきました。絵を描いていくが如くの演奏で、魅了されました。
コンサート会場は、京都市左京区岡崎天王町の「NAMホール」でした。
丸太町通の東の端付近、岡崎別院から少し西側に進んだら、通りの向かい側にあります。周囲には、岡崎公園、金戒光明寺、真如堂、吉田山、哲学の道などもあって、ひとことでいえば、いいシチュエーションです。
下の写真は、NAMホール近く、丸太町通と白川通が出会う天王町交差点。右へ行けば南禅寺。左へ行けば、銀閣寺。まっすぐ行けば、突き当たりなんですけど、その先に哲学の道です。
椅子をフルに並べたら60席になるといいますが、まあ、それでも30名でちょうどいいくらいの、本当に小さなホールです。
小さいホールながら、土・日にはほとんど何かのコンサートが開催されています。ここしばらくのイベント情報は、下の画像をクリックしていただいたら、NAMホールのサイトで詳しく見ていただけます。
知る人ぞ知る実力派たちの生演奏を至近距離で楽しめるのが、なによりもの価値です。そして、たいていのコンサートは前売りで2500円ですから、その安さも魅力です。
下の写真はNAMホールのサイトからの転載です。この日もまったく同じ座席配置でした。みんなでピアノを囲みます。ピアノ演奏をこんな近くで聞くなんて、音楽の授業でいちばん前の席に座らされて以来のことです。
この至近距離ですから、のめりこまずにはおれません。自分がピアノ弾きになりたいというのか、自分がピアノになってしまいたいというのか、うまいこと言えませんけど、とにかく「聞く」という行為を超えたもんがあります。
Phillipさんが過去にNAMホールで演奏したときのYoutubeがあります。私は、このビデオと同じ位置で聞いていました。
ーーーPhilipさんは、音に色が塗ってあるみたいや
妻お龍にそう言いました。
ーーーなるほどねえ。そうかもしれない。
お龍も同調してくれました。
phillipさんは、ピッツバーグ生まれ。生家の裏に広大な森が広がっていて、子供の頃は何時間でも森で遊んでいたそうです。森で感じた気持ちよさと、ピアノで美しい音を見つけたときの気持ちよさは、本当によく似ていると言っていました。
その言葉が、音を通して表現されます。あの繊細なタッチと丁寧な演奏は、とくに紅葉の季節にピッタリだと感じました。
Philipさんの経歴を見ますと、本国アメリカでは多くの有名ミュージシャンとの共演経験もあり、一流のジャズピアニストです。そのPhilipさんが、2005年から、大阪市梅田のジャズクラブAZULの専属ピアニストとして、日本に滞在しています。
どういう経緯があって日本に長く居続けることになったのか分かりません。アメリカでは、ジャズ市場そのものが衰退して、よほどの大物でないかぎりは食えないのかもしれません。
でも、今年1月には、ロスアンジェルスで新しいアルバム「DREAMSCAPES」を録音してきました。ベースはダレク・オレス、ドラムスはピーター・アースキン。両者ともに大物たちからもウデを買われてきたベテランミュージシャンです。
昨夜から、このトリオの演奏を何度も聞いています。
Phillipsさん、ありがとうございました。よかったわあ。
Phillip Strangeの公式サイト=http://www.phillipstrange.net/live/en/index.html
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