妙心寺の広さ。甲子園6個分とか、7個分とか、8個分とか。
お寺が半日コースの拝観ルートを提案しているくらいです。その半日コースでやっとなんとか回りきれるくらい。
【面積はなんと10万坪】
「禅寺もやるもんだねえ」と、いまいち趣旨不明のコメントを述べながら案内板を見上げる妻お龍。
東西500m、南北619m。面積にして10万坪。日本最大の禅寺だそうです(宗派は臨済宗)。
これだけの広さですので、なにかの理由で寺の周囲を通ることはありました。山門の内側に入ったのは今日が初めてです。
これが妙心寺山内の案内地図です。クリックしてもらいますと、妙心寺のホームページへ移動して、大きくごらんいただけます。
【本山と塔頭の対比が絶妙】
「塔頭(たっちゅう)」という言葉を、今日初めて知りました。寺のなかにある寺のことだと理解しました。
「妙心寺とか大徳寺行くとな、寺のなかに寺がいっぱいあるねん」と長く話す面倒がこれでなくなりました。
覚えたての言葉を使いますと、妙心寺十万坪には37の塔頭が建っています。短い時間で見られる塔頭の数はしれてますが、それぞれの塔頭は小規模ながらも容姿端麗でした。
写真:塔頭のひとつ。山内一豊夫妻の墓がある大通院。内部非公開のため、山門を通れない。拝観可能な塔頭は、通年一般公開が4寺、限定公開が3寺、特別公開が1寺。
こじんまりとした塔頭とは対照的に、妙心寺本体を構成する建造物は威厳に満ちています。三門、法堂、仏殿、大方丈、大庫裏。いずれも屋根で空を切り取る壮大さです。
箱庭のように端正な姿で語りかける塔頭と、見る者に有無をいわさぬ妙心寺本体のスケール感。この取り合わせゆえに退屈することがありません。
塔頭は、妙心寺十万坪の外にもあります。あの龍安寺までが妙心寺の塔頭だそうです。観光面にかぎっていえば、塔頭の龍安寺が本山の妙心寺より格上かもしれません。
【退蔵院の紅葉は12月が狙い目】
私とお龍は退蔵院を目指しました。退蔵院も妙心寺山内にある塔頭のひとつです。
先日、退蔵院副住職の松山大耕さんと知り合う機会がありました。東大卒、現在32歳。
大耕さんが「坊主めくり」という対談記事に登場しています。左の画像をクリックしてみてください。
大耕さんからは「12月に来てみてください。観光客が少なくなったなかでモミジが真っ赤になってますよ」と薦められていました。
そのように薦められますと、逆に12月前にも一度は行っておきたくなるものです。
大耕さんのとくにオススメが、お茶室大休庵から眺めるこの庭です。手前の桜の葉がすべて落ちることによって背後の紅葉がぐっとよくなるそうです。
大休庵は、庭園余香苑のなかにあります。余香苑の池を囲む紅葉もきれいだそうでして、晩秋を待ちかねてしまいます。
写真は午後3時過ぎの日光。庭園の半分が日影になってしまいました。紅葉鑑賞にふさわしい時間帯は、庭園全体が光で被われる午前中だと思いました。
退蔵院といえば、もっとも有名なのが、日本最古の禅画である「瓢鮎図」でしょう。本物は国宝ですから、方丈の縁側に複製画が展示されています。
どういうわけか、お龍が「瓢鮎図」に見入ってしまいました。孫の聖太郎と同じで、見せてみるまで何をおもしろがるかわかりません。
宮津の寺町界隈を彩る和火に感激したばかりの私でしたが、いや、京都の寺はやっぱりすごいわ。
京都には京都、丹後には丹後のよさがあると、いまはそのように言うことが、丹後ファンとして精一杯の強がりです。
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