バレンタインデーだということで、妻お龍がチョコレートケーキを作りました。あ、えらそうに言うたらあかんか。作ってくれました。
そもそもが、お龍との間柄は、40年以上前のバレンタインに始まります。
私は19歳になるまで、バレンタインデーのチョコレートをもらったことがありませんでした。初めてもらった相手が、いまの妻お龍でした。愛がこめられていたのかどうかを確かめますと、なにせ私もバレンタインのチョコレートは初めてだったし、何か手違いがあったかもしれないとのことでした。
それにしても、その歳になるまでどうしてもらえなかったのか?
自分がモテなかったのか?
チョコレートの習慣が定着していなかったのか?
調べてみましたところ、女性から男性へチョコレートを送る習慣が定着したのは1970年代後半だとのことです。この頃はまだ職場内の義理チョコは始まっていなかったそうで、いまのような義理チョコ習慣が蔓延するのは1980年代前半からだといいます。
けれども、お龍のお兄さんの年代が大学生だった時代にはーーー団塊の世代に相当しますがーーーバレンタインデーに女性から男性へ何かプレゼントする風潮がすでにあったそうです。お龍は、お兄さんが何かもらってくるのを見ていました。
お龍が私にチョコレートをくれた1971年、バレンタインデー専用の売り場がないこともなかったそうですが、そういう場所ではなくて、元町のユニオンという輸入食品店で買った気がするとのことです。
私がホワイトデーのお返しを何かしたのかどうか尋ねましたら、当時はホワイトデーが始まっていなかったはずだとお龍が言います。お龍の記憶によりますと、ホワイトデーは私たちの結婚後、1980年半ばから言われ始めたそうです。
といったことで、1971年まで私にバレンタイン経験がなかったのも当たり前です。しかも、18歳まで私は滋賀県でしたから、余計に縁がありませんでした。滋賀県ではチョコレートじゃなくて餅でしたなんて、そんなことはありません。
まあ、生まれて初めてもらったチョコレートに有頂天になりまして、たったそれだけのことで、なんと40年以上もお龍一筋の人生を歩んできたわけです。ご立派なのか、根性無しか。
今年のチョコレートケーキはふっくらと仕上がったとお龍が言います。「いやあ、おかあさんの人柄通りに焼きあがったんやなあ」とかなんとか持ち上げつつ食べてみましたら、たしかにうまいこと焼けていました。
料理用の赤ワインで食べてみましたら、よく合います。チョコレートケーキがまだ口のなかに残っているうちにワインを飲んでグチュグチュと混ぜますと、コーヒーで食べてるよりもうんとおいしい。
「なんという下品な食べ方を」とお龍は言いますが、これがいちばんおいしい食べ方です。
何が入ってるのか尋ねますと、板チョコ1.5枚、小麦粉23g、ココア50g、砂糖135g、卵、バターと言っていました。
0 件のコメント:
コメントを投稿