フジサワ薬品の同期会が金沢でありました。
フジサワ薬品は、2005年4月、山之内製薬に吸収合併されてアステラス製薬になりましたから、いまはもうない会社です。会社がないばかりか、私たち昭和51年入社の場合、どんどん人が辞めていきました。アステラスになってからも残り続けた連中が10人足らずいますが、本当の意味での同期会は遠い昔に気化して消えてしまいました。
それでも、同期会が続いてきたのは、誰もがフジサワ薬品をまるで母校のように思っているからです。
幹事はA型インフルエンザ
私が幹事だったんですけど、なんとA型インフルエンザでした。みんなに感染したらいけませんのでマスクをかけてました。マスクしますと眼鏡が曇ってしまってねえ。
前の日から、なんか調子がおかしいぞという気がしてました。同期会当日の22日、金沢に到着してから福田耳鼻咽喉科の福田先生に診てもらいました。私の鼻と喉を観察し終えた先生の結論は、インフルエンザの検査が必要というものでした。熱が36.8度でもインフルエンザだろうかと尋ねましたら、今年は高熱の出ないインフルエンザがよく見られるそうです。
みなさんも、気をつけてくださいね。インフルエンザの割には症状が軽いので、気づかないまま他人にうつしてしまうかもしれません。
私の場合、自分ではインフルエンザくささを感じませんでした。ちょっとは辛いけれど、まあ無理すれば仕事でもなんでもできるくらいでしたので、ただの風邪だと思ってました。
金沢から帰ってきたのが日曜日。たいしたことなかったはずなのに、熱が出てきて何をする気にもなれない全身倦怠感。今日は水曜日ですけれど、まだ仕事を休んでいます。
氷見の天然もの 鰤しゃぶ
やってきましたのは、木倉町の「五郎八」です。地元の人たちに人気の高い居酒屋で、2階には宴会用の座敷も兼ね備えています。私たちは15人でした。金沢という町は10人~20人規模の飲み会が多いのか、めぼしい店は1ヶ月前くらいから予約で埋まってました。
「めくみ寿司」、「貴船」、「口福よこやま」といったグルメ度の高い店選びもありえましたが、店に見合った品格をどうしても自分たち自身に見出せず、大いに飲み、大いに語るための場所選びを最優先しました。
予算は、料理5000円、そして飲み放題(2時間)2100円です。北陸の地酒を上手にセレクトしてある店ですので、飲み放題を外れて銘酒に走る楽しみもあると思いました。
みんなを喜ばせたのは鰤しゃぶでした。
冬の北陸といいますと、これはもう氷見の天然鰤を置いて他にないといってもいいくらいですから、最高のごちそうです。この色合いも旨みの強さも天然ものに違いないと、みんなが言います。さっき店に電話して確認したら、みんなの見立てどおり、天然ものでした。
どの料理にも「おいしい」の声が上がる傍らで、A型インフルエンザの私は味がよく分かりません。冬の金沢名物かぶら寿司やら、ヒゲのピーンと張った甘海老やら、いまが旬の白子の天麩羅やら、味噌の利いた鰤の鎌焼きやら、言葉から味を想像して食べているような状態でした。
H君の黒々疑惑
同期会には初参加となったH君です。H君と顔を合わせるのは新入社員の研修以来だというような奴もいるくらいですから、だいたいのみんながH君とは長い間出会っていません。
久しぶりのH君を見てみんなが一様に思ったのは、齢よりも髪が若すぎることでした。黒々・艶々としている上に、よく生え揃っています。これはおかしいと誰かが言い出しました。アデランスかもしれない。
「それ、ほんもんか?」と誰かが尋ねました。H君は、「ほんもんやで。なんにもしてへんで」と答えます。
ーーー いやあ、ようできとるわあ。見分けつかへんわ。
ーーー そやさかいに、ほんもんや言うてるやんか。
「誰か引っ張ってみい」という声もあったのですが、もう一度みんなで目を凝らしますと、たしかに不自然なところが見当たりません。人形浄瑠璃みたいに立派な眉毛とのバランスでいきますと、やはり自前の髪の毛だとするのが妥当です。H君の写っている写真をいくつか角度を変えて並べてみましたが、これは間違いなく本物です。
H君の同期会初参加とふさふさ髪の毛を、みんなで喜び合った次第です。
福助のSB君
下の写真をご覧ください。
五郎八の福助キャラとよく似ているSB君。
彼は、全国展開のチェーン薬局で、お客様相談係の仕事をしています。スギ薬局とかマツモトキヨシとかありますよね。ああいう全国チェーンです。その本部に勤務し、全国から寄せられる様々な苦情を解決する仕事をしています。ほんと、福助みたいにお客さんに頭を下げてばかりの仕事です。
いやあ、SB君えらいなあと思ったのは、金沢市内の自社チェーン店舗を見て帰るというんですね。お客さんの苦情係を続けていく上で、照明はちょうどいい明るさかとか、駐車場は入りやすいかとか、スタッフの動き方はどうかとか、たとえ表面的なことだけでも各地の店の実態を知っておきたいというのです。お客さんの言わんとするところを実感をもって受け止めるためにとても役立つそうです。
そういうことなら今回の金沢行きを会社の出張扱いにしてもらえばいいと私は思うのですが、「いやそんなつもりは毛頭ない」と彼はいいます。単に60歳を過ぎてのシニア労働というだけではなくて、あいつにいてもらいたいと評価された上で働きたい、その実力を自分で育てるという心意気なんですねえ。
私たちシニア労働者というのは、他の非正規雇用者同様に不安定な立場です。時間と共に自分の値打ちは目減りしていきます。それを自覚しながらもなかなか謙虚になれないものです。要らないと言われたらやめてやると考えがちです。ところが、SB君は、決して開き直らずに、自分の値打ちは自分で作るのだとばかりにいまも自己研鑽。
生まれて初めてSB君を尊敬しました。
夫婦愛のN君
尊敬に値するといえば、N君もそうでした。
どんな話題になったときなのか忘れたんですが、「ハイ、ハイ、ハイ、俺はハイやぞ」と手を挙げたのが、15人中N君ひとりだけでした。「えらいなあ、真似でけへんわ」と誰かが感心していました。何か、こう、妻への思いやりに関係する話題だったような気がします。愛妻家の自分を見せるときN君の目はキラキラ輝きます。思わずシャッターを押していました。
片町2丁目の交差点にて、D君、Y君、M君。
二次会は片町のスナック
二次会は、片町2丁目のスナックを予約しておきました。15人で入ったらそれだけで貸し切り同然になる店です。カウンターの隅に腰掛けたD君。彼は、はるばる東北から駆けつけてくれたのですが、さっきからカウンターのなかの女性に話しかけています。
ーーー あのさあ、誰かに似てるなあと思って見てたんだけど、木村佳乃って言われない?
ーーー え? 木村佳乃ですか? はい、言われますっていうか、いちばんよく言われるかな、木村佳乃は。
ーーー そうでしょう、そうだと思うよ。だって似てるもん。
木村佳乃そっくりの女性に出会った記念写真を撮ってくれとD君が言うので、頼まれるままにシャッターを押しました。でも、彼女から写真掲載OKをもらっていません。ここは、ひとつ、彼女の顔だけを本物の木村佳乃と入れ替えておきます。
もりもり寿しを食べて解散
翌日は、金沢駅前フォーラス6階の「もりもり寿し」で昼食を食べた後に解散となりました。
次回の同期会は東京、時期は来年の5月~6月ということで決まりました。在京メンバーがはとバスツアーを企画してくれるらしいです。
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