談志が死んだ。どっちから読んでも「だんしがしんだ」。
という話は別にしまして、「丹後おみやげ品開発支援事業」というプロジェクトが進行中です。
どういうプロジェクトかといいますと・・・
①地産地消型:丹後産の食材を使って丹後で加工する
②行政主導型:京都府の予算を使って丹後広域観光振興局が実施
③新商品開発型:丹後らしいおみやげ品を新たに作り出す
④コンテスト型:審査に勝ち残った新商品が開発補助金を獲得
⑤一般参加型:最終選考のために外部委員会を設置。外部委員会は、一般市民の試食審査結果も参考にしながら、開発支援に値するおみやげ品を選出。
(呼びかけたといっても、こんな看板だけです。案内不足のために、審査に参加したかった女性が先着に漏れてしまいました。そのいっぽうで、親についてきた子供がなりゆきで審査員になるなどもあり、京丹後市による運営のまずさも目立ちました)
さて、試食審査の対象は17品目。こんな新商品たちです。
ざっと名前を見て、いかがですか?もっと端的なネーミングがいいのに。私はそう思いました。
まあ、登録商標の届けも済まないうちに素敵な商品名をバラしてしまえないという事情があるのかもしれません。いまは試作品段階でのコンペティションですからね。
これら試作品がテーブルに並んでいます。審査員はテーブルを回りながらサンプルを口にします。味や食材の面、そして価格の面も含めて、丹後のおみやげ品にふさわしいかどうかを考えます。
好ましいところ、改善すべきところのコメントも書き込んでくれとの要請を受けています。
他の審査員の意見を聞くと、12番「牧場のプリン(抹茶)」と1番「カネマスの一刻干し」の評判がよさそうでした。
私は、逆に、このふたつはいかがなもんかと思っていました。
それに、薄塩仕立ての一夜干しでは、変質・腐敗のリスクも多くておみやげに持ち帰りにくいでしょう。保存がきくという干物の利点をあえて殺した干物ですから、逆におみやげ品としての立場をあきらめるほうが商品特性を生かすことになりそうです。
まあ、これはなにも、「牧場のプリン(抹茶)」だけではありませんでした。丹後らしさとかおみやげ品とか、そこのコンセプトに合致しにくい試作品が他にもありました。
10番と4番は、おみやげというより、インターネット通販向け新商品でしょうね。これを丹後のみやげにするのは、天橋立を世界遺産にするより難しい。
そんなこんなで試食を重ねるうちに、丹後らしさを意識した出品者に高い点をつけたくなってきました。丹後を売り込む意図をこめた商品のほうが開発補助金により値するのではないかという気持ちになってきました。たとえば、13番「鳴き砂の星」ですとか、14番「大納言かすてら 古代のめぐみ」ですとかは、丹後おみやげ品開発支援事業の意図によく合った商品だと思いました(13番は「鳴き砂の星」より「星の鳴き砂」にしたほうがロマンチックじゃないでしょうか)
ただ、まあ、13番や14番の出品者には失礼なのですが、味や食感がもっとキャッチーでなくてはならないと思いました。キャッチーとは、土産物店で試食した旅行客の即断を促す魅力です。

「八橋をおみやげにもらったら京都だとすぐわかるでしょう。丹後にもそういうおみやげが欲しいんです」と、試食審査会場を切り盛りする主催者側スタッフが話していました。
その趣旨からいきますと、13番や14番が最終選考で選ばれそうな気がします。一般市民の試食審査では「カネマスの一刻干し」と「牧場のプリン(抹茶)」が好まれていました。最終選考は有識者が受け持ちます。おみやげ品開発支援事業の趣旨をよくわきまえた人たちだと思いますし、一般市民の評価とはまったく異なるかもしれません。
今回は新商品開発でした。私は、丹後おみやげ品開発支援事業の進め方に改善が必要だと思いました。「丹後らしいおみやげ品をまあ好きに作ってみてください」といった丸投げではアイデアやノウハウがばらけるばかりです。いいものが生まれるかどうかを偶然に頼りすぎです。会社でもこういう所長の営業所は成績がよくありません。
行政主導で知恵や技術を一方向に集結させたほうがいいものを生み出しやすいと思いました。まずは行政によるマーケティングが必須です。マーケッティングの結果を吟味して、購買ターゲットを絞り込み、商品像をもっと具体的に描いた上で新商品開発の方向性をはっきりさせて、それをコンペティションにつなげるのが妥当ではないでしょうか。
話は違いますが、既存品では、風美堂の「ちりめん羊羹」と竹中缶詰の「Hasidateオイルサーディン」のふたつが実にいいお土産だと思っています。
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