2014-08-08

鶴橋で冷麺 牛斗

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 新しい仕事は、いま引き継ぎの真っ最中です。
 私の希望で今日は鶴橋や西成周辺を引き継いでもらいました。
 昼ご飯は鶴橋商店街で冷麺を食べました。


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 鶴橋商店街ですから、冷麺といっても韓国冷麺です。

 鶴橋のことはたいがいの方がご承知だと思いますが、在日韓国人の在日韓国人による在日韓国人のための商店街です。そういう場所が他の土地へ行ってもなかなかありませんので、大阪市内の観光地にもなっています。ケンカは安倍晋三と朴槿惠にやらせておいたらいい。おいしいもんはおいしいんです。
 平和堂はじめスーパーの冷蔵棚には「鶴橋」を商品名に冠したキムチやら冷麺やらが並んでいますが、「鶴橋」というだけでおいしそうに感じられます。

 私に引き継ぎしてくれているのは年齢不詳の美女です(少なくとも20歳代ということはない)。おいしいイタリアンですとかおいしいパン屋には詳しい彼女も、さすがに鶴橋の冷麺は守備範囲外だといいます。客引きにいちばん熱心だった「牛斗」という店に入りました。
 店の前一面に来たことのある芸能人たちの写真が貼ってあります。関西のテレビではおなじみの顔ばかりで、ここにしておくかということになりました。

 店の中へ入っても暑かった。焼肉屋ですからね。焼肉のガスコンロの発する熱が冷房よりも勝ります。冷たいのは冷麺だけといっても過言ではありません。
 冷麺は、当然ですが、おいしかった。平和堂で「鶴橋」が商品名につけられた冷麺を買ってきて食べるよりも数倍おいしい。なにせライブ感が違います。讃岐へ行ってさぬきうどんを食べるのと同じような嬉しさがあります。

 ただ、鶴橋商店街の場合、店がひしめきあってますから、まだこれよりもおいしい冷麺があるのではないかという心理が働きます。そこがひとつのカベになって、あまり褒めすぎたらいけないのではないかという気持ちになります。

 でも、いつ行っても楽しいですねえ、あの商店街は。まあ、それは狭い路地。どれくらい狭いかといいますと、店から流れ出た冷房で路地が涼しくなるくらいに狭い。路上冷房です。店舗の写真をiphoneで撮ろうとしても、路地が狭いからそれ以上下がれず、全体が入らないくらいです。

 私を誘ってやまない真っ赤なキムチ。歩けばキムチ、またキムチ。引き継ぎ中でなければ買ってましたねえ。いまは電車で大阪まで行ってますから、白菜一本でも重いんですよ。めちゃ暑いし。


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 昼ご飯を食べ終えてまた車で走り出したら、ひとつだけ夏空にそびえるビル。「ひょっとして、あれがハルカスやろか?」と尋ねると、運転席の美女から「そうですよ」との返答。あの辺も担当ですよとのことで、私の目はハートマークです。

 このあべのハルカスからほどないところ、大通りに面して「玉出」という黄色いスーパーが一定の間隔で現れ始めたら、そのあたりが西成区でした。

 駐車場に車を入れてから歩き出したら、大通りの歩道上に古雑誌や古新聞をじかに置いて、炎天下のガードレールに腰掛けたままのおっちゃんがいました。
 「あれは何してはるねん?」と美女に聞きましたら、歩道に置いた古雑誌や古新聞を売っているといいます。いつの新聞や雑誌か知りませんが、それを読むために買いに来る客がちゃんといるから商売が成り立っているそうです。
 ときとして、そういう新聞や雑誌にシャブを挟んで売る密売手法にもなるそうです。あのおっちゃんは、夏の真昼間ですし、すぐ近くにおまわりさんがいましたから、密売人ではないはずです。
 この仕事を40年ほどやってきました。歩道上で古新聞や古雑誌を売っているなんて光景、いままでになかった。人生最後の担当エリアとして感慨もひとしおでした。

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