みんなのんびり、のどかな琵琶湖。
台風も災害もない土日は何週ぶりでしょうか。
月から金まで、大阪の道を運転して、ささくれだった神経。
近江路のゆるさが、温感シップのように心を癒します。
いつもながらギャラリー咲楽はいいものを持ってくる
尾賀商店の座敷。特大のテーブルは土蔵の扉に脚をつけてガラスを載せたもの。そのテーブルでガールズトーク。
久しぶりに、近江八幡の尾賀商店へ向かいました。
好きな場所ですから、近江路の温感シップ効果倍増です。
この日、翠さんのギャラリー咲楽では、「HAVE」というブランドの展示販売をやっていました。
例によって翠さんの研ぎ澄まされた選択眼。めちゃ欲しくなるものを作っているのにまだまだ無名という作家を、本当に上手に見つけてきます。
私はすぐそれにハマってしまうほうでして、この日は18,360円のバッグが欲しくなりました。
しかし、妻お龍は、おとうさんみたいにすぐにバッグをなくす人に新しいバッグは要らないと言います。
そんなもん、要らんとか言い出したら、尾賀商店にあるもん全部そうやないか。要るか要らんかで決めるもんやない。欲しいか欲しないかで決めるもんばっかりや。
尾賀商店にはきわめて失礼な主張を展開してでもバッグを買おうとする私。
お龍が反論します。
そんなことないわよ。こういう感じが欲しいとずっと思っていて、ある日ここでそれに出会うのよ。もし自分の思っていたものと違っていても、いいものを見たら心が豊かになるじゃない。おとうさんは、買いたいか買いたくないかで作品の値打ちを決めるわけ?
さて、いったいどちらの主張が尾賀商店の味方でしょうか。
夫婦で隔たる主張。解決策を提案してくれたのは、他ならぬ翠さんでした。
壁に展示してあった一本のマフラーを取り外しました。
この色合いがご主人には絶対似合うと思っていたとのこと。
作者は滋賀県在住の高橋るみ子さん。バッタン、バッタンといちから手織りで完成させるそうです。ひょっとして、その人、正体はツルですか。
あら、ほんとだ。いいわねえ。おとうさん、これにしたら?
いや、なんで。なんでバッグはあかんのにこれはええねん。
そう思うのですが、口にするタイミングがありません。翠さんとお龍、女二人で盛り上がっています。
まあ、でも、翠さんの選択眼にかなったものを私は必ず欲しくなるわけですから、このマフラーもいっぺんに気に入りました。問題は、バッグはあかんのになんでこれはええねん?という点だけです。
「HAVE」の展示販売。10月4日~29日まで開催している。HAVEはレザークラフトの坂田典子さんと織物の高橋るみ子さん二人によるブランド。
高橋るみ子さんがバッタン、バッタンと織り上げたマフラー。暖かくて、しかも軽い。買ったのは左から3本目。
坂田典子さんのホームページ。京都府の南山城村(奈良県との境にある山村)を制作拠点にしている。
すいらんのうどん 私にはこの味が尾賀商店のイメージ
この日もうどんを食べました。
黒米の餅が入った肉うどんです。
尾賀商店では、翠さんのギャラリー咲楽、紅湖さんの書と判子、末吉さんの鉄工芸、このみっつが美術館や芸術館でいうところの常設に当たります。その常設に、今回の「HAVE」のような期間限定の展示販売が加わります。
どの美術館にもレストランがつきものであるように、尾賀商店の食事・喫茶を受け持つのが、宏樹さんの「すいらん」です。
私たちはすいらんのうどん、クセになるおいしいうどんを食べたわけです。他にもメニューはいろいろあるんですが、だいたいこのうどんか、古代米のおはぎか、そっちを選んでしまいます。尾賀商店にいる気分とうどんの味がどこかで共通しています。
秋晴れの一日、若い女性の一団が、二階席をにぎやかにしていました。彼女たちは貸し自転車で近江八幡の町めぐりを楽しんでいました。尾賀商店は近江八幡ツアーのマスト・アイテムになっているのでしょう。
こういう秋の日、午後遅くの時間を尾賀商店で過ごし、少し暮れ始めた頃に出てくるのは、何度経験してもいいもんです。
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