2013-07-10

かたぎ古香園(滋賀県甲賀市信楽町) お茶こそ無農薬で

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 お茶は唯一、”洗わずに口に入れるもの”。
 だから安心して毎日飲めるものを。
 
 かたぎ古香園(かたぎこうかえん)のパンフレットを開いたら、まず目に飛び込んでくる言葉です。だから、私たちは無農薬、無化学肥料の自然回帰栽培を30年間にわたって続けてきたのだと説明が続きます。

 近江八幡市尾賀商店で「すいらん」を経営する杉本さんからここのことを教わって、そのままその足で信楽町までやってきました。

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 信楽焼きでは有名な信楽町も、お茶の産地としての知名度は焼き物の10分の1か、もっと小さいか・・・

 信楽町のなかでも、とくに朝宮地区に茶畑が集中しています。
 梅雨明けの青空と大地の境は、茶畑のなだらかなうねりです。

 花より団子。知名度の低い朝宮茶ブランドで売るよりも、隣の宇治の下請けをやってたほうが金になる。そんな事情もあって、ほとんどの朝宮茶が宇治茶として流通します。ゆえに、玄人好みの上質茶ながら、世間一般からの注目度が高まりません。

 水口町生まれの私は、子供の頃から信楽のお茶でした。信楽がいかほどお茶向きの自然環境であるかを聞かされてきました。

 かたぎ古香園へやってきたのは、近江八幡市の尾賀商店で飲んだ紅茶がとてもおいしかったからです。信楽高原紅茶といってかたぎ古香園さんが作っておられますと教わりました。

 私たちが着いたとき、先客の方がひとりおられました。
 聞けば、隣町の宇治か和束から、ここのお茶を買いにこられたとのこと。宇治、和束といえば全国に名だたる茶所です。
 ここのは無農薬でやさしい味がするからと、その先客はおっしゃいました。お寺のご住職でした。檀家さん用だそうです。
 それはそれは、無農薬のお茶で檀家長生き、坊主上がったりです。


 七代目の片木隆友さんが店番をされてました。
 ちょうどいまは二番茶の刈り取り期で本当は茶畑の仕事があるのだけれど、今日は父親がいないから自分が店にいなくてはならない。
 そうおっしゃっていました。

 お父さんに似ておられますねえ。

 そうですかあ、似てますかあ。まあ、額が上がってきましたしねえ。

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信楽高原紅茶。妻お龍は、ほっとする紅茶、心にやさしい紅茶だと言います。


 いまの時期に刈り取る二番茶が紅茶に使われます。セカンド・フラッシュで紅茶づくり。かっこいいですねえ。

 二番茶の場合、日本茶としては渋みが強く味も劣るのが難点だそうです。けれども二番茶はカテキンを多く含むという長所も持ち合わせているため、それなら紅茶を作ってみようと考えたそうです。無農薬紅茶としての製品力にも期待したといいます。

 この二番茶作戦には思いもかけない味方がついたと、六代目片木明さん(つまりこの日は留守だったお父さんです)はいろいろな機会に語っておられます。
 片木明さんは、ある意味、朝宮茶よりも世間の注目度が高い人です。無農薬栽培に踏み切ったのはこの六代目の明さんです。話を聞きたいという人が多くて、あちこちの講演を引き受けておられます。それもこれも、朝宮茶のおいしさを世間に広めたいからです。

 さて、思いもかけない味方というのは、本来は茶の葉に食害をもたらすウンカでした。ウンカが茶の芽や葉を食べると、お茶のほうは自分の身を守ろうとして香り高いポリフェノールを生成するそうです。これが紅茶になったときの豊かな香りにつながります。
 あのダージリンやウーロン茶の東方美人も、ウンカに食べられた葉から作るそうです。

 ウンカの発生時期はちょうど二番茶の時期に重なるそうですが、農薬使用の茶畑ではウンカの発生がありません。無農薬栽培の恩恵だと片木明さんは受け止めておられます。

 片木明さんの直談をハート・ネットのサイトで聞くことができます。自家用の茶は減農薬、売る茶には農薬ガンガン、そんな茶農家が実在したなんて話までされています。
 下の画像をクリックしてもらえば該当ページにジャンプします。


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