11月9日、近くの琵琶湖沿いを散歩しました。
紅葉を見てもらうために植えられた木は一本もありませんが、色づいた葉と水面の景色を、そこそこ楽しんできました。
琵琶湖の場合、紅葉の季節が始まったというよりも、水鳥たちの季節が始まったというべきでしょう。
3月か4月までは、カルガモやマガモやキンクロハジロが、家のすぐそばを流れる川筋でも泳いでいました。それが、夏を迎えると、いったいどこへ行ってしまったのか、同じ川筋で見られるのは、ゴイサギやシラサギばかりになりました。
そして、また、晩秋を迎えた湖面には、いつのまにやらカモたちが帰ってきています。バードウォッチングがとくに好きなわけでもありませんが、それでも「おかえり」と声をかけたくなります。
紅葉と水鳥の季節は、バスフィッシングが盛り上がるシーズンでもあります。少し沖合いに浮かぶバスボート、そして、朝・夕の湖岸に立つバスアングラーの数が増えています。
けれども、釣れているのを、見たことがありません。
琵琶湖の外来魚駆除対策が、ここ草津や大津の市街地近くでは、釣れ方がわるくなる程度にまでは進んだのではないかと思います。
それに、あれだけの釣り人が、毎日のようにルアーを投げ続けていますと、本物の餌と偽者の餌の違いを、魚だって学習してしまいます。食べ物の偽装に騙されてくれるのは、むしろ人間様のほうだということですね。
水辺に近づきますと、臭いです。ドブと同じような臭いがします。琵琶湖大橋あたりまで北上すれば、ほんの数kmの違いで臭さはなくなります。私が歩いた琵琶湖博物館北側の湖岸は、小さくへこんだ湾型地形ですので、水通しが悪いのだろうと思います。
琵琶湖博物館に近いということで、遊歩道がよく整備されているエリアだけに、水のドブ臭さが惜しまれます。
しばらく歩いていくと、鮮やかなピンクの服を着た少女が、釣り竿を手にしていました。岸辺には、風で打ち寄せられた水草の帯ができています。少女の短い釣り竿では、水草の帯の先にやっとピンポン浮子(うき)が届くか、届かないか。
でも、めげない少女。竿を持ち上げては、餌を何度も確かめます。何回確かめても、餌はまったく食われていません。
師走を迎えれば、冷たくて強い風の日が増えてきます。風は、湖の向こう側にある比良山地から湖面を渡ってきます。
三角波、白波に姿を変えた琵琶湖は、まあ、寒いこと、寒いこと。
この季節が、快適の9回裏。最後のチャンスです。
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