坂本、日吉神社は、紅葉のライトアップ期間でした(12月1日まで)。
人ごみをはずれてトイレに向かったら、池に映るもみじに出会いました。
ーーー ライトアップがきれいなのは
と、珈琲人のご主人。
ーーー 邪魔なものが全部見えないからですよ
まあ、そういうことですね。
珈琲人は、「ふりかえれば琵琶湖」の坂本商店街にある喫茶店です。町並みに合わせて和の方向に持っていく飲食店ばかりのなか、珈琲人はあえてモダンな建築。スッキリと直線主体の外観はいやでも目立ちます。
「ふりかえれば琵琶湖」なんて、これは私が勝手に言ってることです。JR湖西線や京阪電車の坂本駅から、日吉神社まではずっと登り坂。疲れた足で立ち止まり、いま来た道をふと振り返れば、ブルー色した琵琶湖が見えます。それをどれくらい印象的に感じるかは、人それぞれです。
坂本では、ちょっと一服していこうかという店に困ります。蕎麦屋や、庭の美しい食べ物処はありますが、喫茶店がほとんどありません。だから、この店を始めたのだと、奥さんは言います。
写真はミルクゼリー。おいしいですよ。
70歳から80歳くらいまでの女性たち10人のグループがいました。誰かがトイレから戻ってきたら、また誰かがトイレに向かうといった具合で、テーブルに座っているのは、常に9人です。
歩く姿を見ていますと、どの女性も、多かれ少なかれ、変形性膝関節症にお悩みのご様子。
会話を聞いていますと、JRの坂本駅を起点に、日吉神社をひと巡りしてきたようです。
あの膝で。
行きの登りも、帰りの下りも、頑張ったんですねえ。
人生においても然り。自分に鞭打って歩み続けてきた無名の女傑、地上の星たちなんでしょう。
珈琲人が、駅までの帰路、ちょうどこの位置にあってよかった。
あらかじめオシッコしておくニーズも含めて、変形性膝関節症の女傑グループにはオアシス以上の存在価値だったことでしょう。
でも、この店には、行きがけに立ち寄ったほうがいいのかもしれません。というのも、ご主人の写真アルバムを見せてもらうと、坂本のなかでもとくにきれいな場所を知ることができるからです。
ご主人は、本当に気楽に、スナップとして坂本の美しさを記録しています。だから、大いに参考になります。
三脚を立てて、構図をがっちり決めて、露出をいじって、しかも帰ってきてからパソコンで修正を加えたような写真ではありません。こういう写真には嘘が多い。その通りの景色なんて、現地にはない。
その点、ご主人は、気に入った景色なら運転席からパッパと撮影するくらいの気楽さです。ご主人をあっと思わせる景色そのものが絵になっているから、十分に美しい写真になります。
ご主人の撮影スポットを聞いてから歩けば、目の肥えた地元人ですらシャッターを切ってしまう場所を、”シェアー”することができます。
しかし、あのアホ丸出しの言い方はなんとかならないんでしょうか。フェイスブックをはじめ、SNS内では、写真を人に見てもらうだけのことを「シェア」ーとか「共有」とか言うんですけど、どうにも居心地悪い用語ですねえ。
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