大きないちごが、まるまるひと粒。2Lから3Lのサイズです。
ほうばれば、じゅわっと広がる果汁が、周りの白餡と餅に一体化。
誰もが必ず笑顔になりそうないちご大福です。
このいちご大福で有名な嶋屋は、大津市堅田にあります。
堅田は、浮御堂(うきみどう)でよく知られた土地です。近江を愛した芭蕉が「鎖(じょう)あけて月さし入れよ浮御堂」と発句した場所としても知られています。
湖族繁栄の歴史をもつ堅田については、古い町並みもあわせて、またそのうちにネタにしようと考えています。今回は、嶋屋のいちご大福の話題だけです。
堅田の浮御堂(うきみどう)。995年に延暦寺の僧源信が建立したと伝えられています。浮御堂の「浮」は、湖面に立つ姿を表現したものです。
堅田の町には、こうした古い日本家屋が建ち並んでいます。この写真は鮒寿司の中島七良兵衛商店です。
嶋屋には、本店と浮御堂店の2軒があります。私は、浮御堂支店で、買いました。浮御堂近くに位置するこちらの店の場合、道幅がきわめて狭い場所です。浮御堂の参拝客といちご大福を買い求める客が集中する土日はたいへんな混雑だろうと思います。このいちご大福を教えてくれた友達は、「すぐ売り切れるから朝一番に行ってきた」と言っていました。
今日、嶋屋に寄っていこうと思ったのは、三千院でうめ茶を買ったからです。いちご大福が冷たくて甘い。うめ茶が熱くて酸っぱい。これはいいマリアージュになりそうだと考えました。
ただ、いちご大福が売れ残っているかどうか。予約しておけば確実ですが、急に思い立ったわけですから、行ってみるしかありませんでした。だいたいの客が、訪問先への手土産として朝のうちに来店します。午後の遅い時間では売り切れていることもよくあります。
今日は、幸いなことに、3個だけ残っていました。
自分の家なんだからいつも胸を張って帰ればいいはずなんですが、おいしいものを買った日のほうが自信をもって帰れます。
うめ茶を口にした妻お龍は、「なに、これ、アミノ酸を添加した味だね」とけなしておりましたが、いちご大福のほうには大満足です。
ブログの写真にするために半分に割っていますが、本当はがばっとかぶりつくほうが幸せです。
どこが餅で、どこが餡で、どこが苺か。
みっつの味と歯ざわりが口の中で一体化してしまいますと判然としません。その判然としないまでにひとつにまとまり合ったおいしさが、なんといっても魅力だと思います。
うめ茶のピンク色といちご大福の組み合わせは、とてもポップで、寒波の真冬に光の早春を迎えるが如しでした。
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