日テレオンデマンド草津東-遠野の試合。画像クリックでハイライト場面が見られます。
前半にも増して後半は攻めた、攻めた。よう攻めた。遠野高校にサッカーをさせていませんでした。
次の相手は、なんと優勝候補筆頭の東福岡高校(福岡県)。次は負けてもしかたないけど、日本とブラジルほど力の差があるわけではない。東福岡やっつけて、ついでに優勝して帰ってこい。
[選手権]草津東が3発!!粘りの守備みせた遠野下し、初戦突破 | ゲキサカ[講談社]のサイトから転載
詳しい試合経過は、ご家庭の新聞やゲキサカのニュースを見ていただければと思います。相手をよく崩してゴールキーパーと1対1の決定機も何度かありましたから、ほんまはあと2~3点いけそうでした。
同じゲキサカは、草津東MF北川卓(2年)_「全国で点を取る」の意気で2発の活躍という見出しで、この日2得点を上げた北川君のインタビューを掲載しています。
写真は北川卓君。[MOM1265]草津東MF北川卓(2年)_「全国で点を取る」の意気で2発の活躍 | ゲキサカ[講談社]から転載。
北川君の1点目を見たとき、これが近江の忍者サッカーだ!と思いましたねえ。
左サイドからのクロスは、誰が見てもFW9番の太田君がゴールに蹴り込むはずの球でした。ところが太田君は、これをスルーしました。ただスルーしただけではなくて、ヒールパスを選んだニセモノの動作まで加える念の入れようです。
そして、太田君とともにゴール前に走り込んでいた北川君が、そのボールをゴールに流し込みました。ゴールキーパーもディフェンダーも太田君に釘付けでした。
この忍者サッカー、純朴な岩手の高校生が気の毒に見えたくらいです。
2点めは、チーム一丸でもぎ取った1点でした。ラグビーのゴール前で一進一退のせめぎあいが繰り返されるような緊迫感から生まれた得点です。ゴールが決まってしばらくは誰が蹴ったボールだったのか判別できませんでした。8番の中村君だと思ったのですが、テレビの実況も断定しないままでした。
3点目は、北川君の蹴りそこないかと勘違いしました。ところが、彼は、アウトサイドキックでキーパーの左側へと逃げていくコースを狙ってたんですねえ。当り損ねに見えるくらいアウトにかけたシュートでした。ペナルティーエリアの少し外からみごとなミドルシュートというべきで、蹴り損ないだと思ってごめんなさい、北川君。
山本悠樹君が前を向いてボールを持った瞬間、クサヒガイレブン全員にスイッチが入るんですね。北川君や太田君はじめ前線にいた選手たちが得点好機到来を確信してバーっとゴール方向へ走り出す。テレビで観戦している者までもその気にさせる連動性でした。
アナウンサーの実況解説がおもしろかったのは、後半から出場した左のMF鎌田君の紹介でした。
ーーー蓬莱山という高い山の麓に住んでいて
と、仙人でも紹介するかのような表現で始まりました。いまネットで調べましたら、鎌田君は名前まで鎌田麓というんですね。
ーーー電車の駅まで自転車で行きは10分、帰りは30分。きつい登り坂を、練習 が終わってから30分も自転車をこがなくてはなりません
ということで足腰が自然と鍛えられ、50m5秒9という俊足になったのだとか。
ーーー本人は、子供の頃に野山で遊んでいるうちに足が速くなったと言っていました
と、近江の自然風景まで交えての選手紹介でした。
たしかに足が速かった。10番の山本悠樹君から出たボールを敵陣深くまでドリブルで持ち込んでいく様は、日本代表の長友佑都か香川真司みたいでした。
長友選手といえば、クサヒガは長友選手のフィジカルコーチに体幹を鍛えてもらっているんですってねえ。テレビ実況がそう言っていました。
その体幹の強さで目立っていたのがDFの山本翔太君。ひとりだけ丸刈りで、比叡山の僧兵を思わせる風格がありました。武蔵坊弁慶は三井寺の特大梵鐘を延暦寺まで運び上げたといいますが、翔太君ならできそうです。テレビ実況もしきりに翔太君の身体の強さを伝えていました。
翔太君は守備の強さばかりか、積極的な攻撃参加でも実況アナウンサーを驚かせていました。前でのプレーが多いからDFの割にはよく映っていました。
ディフェンス裏に出た絶妙のボールに反応してゴールキーパーとマンツーマンになった場面。あれは惜しかった。これは絶対に1点だとワクワクしたのですが、ああいう局面でのゴールはえてしてハズれるもんなんですねえ。
クサヒガのことを書いているのに野洲のことを話題にするのも変ですが、しかし、野洲高校を倒して全国大会に出場するというのは、少なくとも1回戦や2回戦くらいなら勝ち上がれる力が備わっているということなんでしょうね。今日の試合を見ていてそう思いました。
流れるような攻撃の美学、決まったときの爽快感、見る者の興奮ーーーセクシーフットボールのコンセプトで語られる野洲のサッカースタイルが滋賀県に定着したのだと思います。その野洲に打ち克つには、セクシーだけではダメ。ハマればキマる強さが不可欠でした。それを成し得たのがクサヒガだといえないでしょうか。
ただ、とられた1点を振り返ると、日本代表のW杯アジア予選を見ているような気にもなりました。オマーンとかクェートあたりのロングボールを駆使したカウンター攻撃を食らって「あれ?」という感じで決められてしまうというパターン。遠野の1点目は、ヘディングした選手、正確な浮き球を蹴った選手ともに、クサヒガのユニフォームが競り合いに寄っていく前にやるべきことをやってしまってました。
次の相手は東福岡ですから、守備が崩れるとボロ負けします。12月30日のオープニングゲームで東京の三鷹に2-0の快勝をおさめています。
東福岡は夏の高校総体優勝チームですし、増山朝陽君とか中島賢星君とかJリーグへのチーム入りが内定している優秀な選手もいます。2年生の多いクサヒガがいい戦いぶりを見せてくれるように思いっきり応援します。
1月2日、12時5分キックオフです。
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