綾瀬はるか主演の「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」。草津イオンシネマで見て来ました。
NHK大河ドラマ「八重の桜」が始まるまで、綾瀬はるかという女優がいることすら知らなかった私ですが、いまは彼女のファンです。
万能鑑定士Qのヒロインは凛田莉子といいます。凝った漢字を見つけてきて我が子にキラキラネームをつけるのがすっかり定着したいまの時代、凛田莉子くらいでは作り物くささを感じなくなりました。キラキラネームがそれだけ好まれています。
その凛田莉子のヴィジュアルイメージですが、小説の表紙には下の画像のように描かれています。映画のパンフ掲載の綾瀬はるかと並べてみました。少しばかり小保方さんみたいです。ふたつの写真を比べるかぎりでは小説のヒロイン像に忠実な役作りをしたのではないかといった印象です。
けれども、実際は、綾瀬はるかが凛田莉子を演じたのではなくて、凛田莉子が綾瀬はるかを演じているのだと私には思えたほどです。NHK大河ドラマ「八重の桜」でも、八重と綾瀬はるかの間に境界線を感じなかった方が、私の他にもおられることと思います。八重があんなに魅力的だったのは八重のキャラか役者のキャラか、いまでもよく分かりません。わずか2時間足らずの映画の中でも、それと同じような感覚に囚われました。
綾瀬はるかは、2004年の高視聴率テレビドラマ「世界の中心で愛を叫ぶ」でヒロイン役を務め、それでブレークしたと聞いています。当時、たしかに、会社でも話題になっていたドラマでした。でも、私は一度も見ませんでした。毎週欠かさず見ているという連中が打算的な人間ばかりでしたから、あんな奴らに好かれるドラマなんかロクなもんじゃないと反発していました。
それに、そもそも、私はトレンディー・ドラマを見てはいけない男です。妻お龍がテレビに集中している横から口を出してばかりで、うざったがられます。最近では「最後から二番目の恋」のパート2ですね。
おかしいやないか。中井貴一と小泉今日子は、パート1でキスしたやないか。なんでパート2が始まったら普通の仲に戻っとるねん。おかしいやろ。自分のホンマの気持ちが分かってへんのか。そんなんただのガキやないけ。ええ年こいてアホちゃうか。
「おとうさんはあっち行ってて。一緒に見ないで」と、だいたい言われますねえ。「おとうさんには無理。分からないわよ、こういうのは」とも言われたりします。
おお、わるかったなあ、鈍感で。そんなんが分かるくらい繊細やったら、別の女と結婚できたわい。
すみません、話がズレました。そんな私でも、綾瀬はるかは好きで、応援しています。天真爛漫で素直な感じがします。で、スイッチが入ったときの躍動感ときたら、真っ直ぐがめちゃ速い投手のようなカッコよさと切れ感があります。
小説に描かれた凛田莉子像が、綾瀬はるかのそういうのどかさや熱さで書き換えられた気がしました。たぶんにファン心理で言うことではありますが、このシーンで綾瀬はるか以外の配役は考えられないという瞬間がいくつかありました。とくに凛田莉子がキリリと美しい瞬間です。綾瀬はるかより美人の若手女優はいくらでもいますが、この引き締まり方は綾瀬はるかにしか出せないと思いました。
私は過去の綾瀬はるかを何も知らないのですが、セカチュウ(世界の中心で愛を叫ぶ)で人気を増しただけにとどまらなくてよかった、「八重の桜」で成長してよかったと思います。
ただ、映画の中でも会津のイントネーションが出てしまって、お龍も私も、まだ脱け切ってないなと笑いました。
映画を見終えて家に帰ってから、こんな動画がyoutubeで配信されているのを見つけました。映画本編のスピン・オフ(派生的で番外編的な作品)となっています。実際は宣伝目的に制作された短編でしょう。
とても雄弁なプロモーション動画です。ここにあるのは映画本編に通じるおもしろさだと思いました。この短編にインパクトを受けて映画館に足を運ぶ人もいることでしょう。
本編の何がおもしろいのかを伝えようとすればどうしてもネタバレ気味になります。そこで、私が伝えたい本編のおもしろさを、このスピン・オフから汲み取っていただければ幸いです。
このスピン・オフでは、看板の透明な反射と不透明な反射の使い分け、窓からの逆光が綾瀬はるかの顔を透過する演出、背景の色調による心理表現など、映像に工夫がこらされています。本編も同様で、映像の美しさ、迫力、説得性に満ちていて、撮影手法による盛り上げ方を言い忘れてはならない作品でした。
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