2013-07-09

尾賀商店(滋賀県近江八幡市) あんなことしたり、こんなことしたり。そのうちに何かしてる

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 被災地に思いを馳せながら描いた文字は「花」。
 尾賀商店内に書とハンコの店「江湖庵」を構える齊藤江湖さんの掛け軸です。
 江湖さんは今年の夏に福島を訪れる予定だそうです。自分はこうして表現をやってきたし、それで何か伝えられるのなら。そのような思いを聞かせてもらいました。


 

江湖さんはひらめき一本勝負



 江湖さんは自分の書は「我流」だと言います。本当に誰にも師事したことがないという意味での我流もありますが、形にとらわれずに好きにやっているという意味での我流でもあります。

 へえ、そうなんですかあ。

 書をあるところまで極めた上でフリースタイルに移行したのかと思っていましたから、我流という答に驚きました。「画竜点睛を欠く」という諺がありますが、江湖さんの場合は「我流天性を書く」です。よっ、ひらめき一本勝負!

 我流だからこんなこともやってみるんですと、江湖さんがこの「花」の文字を解説してくれました。

 床の間が暗くて、江湖作品をきれいに写せなかったのが申し訳ないかぎりですが、紅く見えるのはハンコです。いわゆる落款というやつで、作品を仕上げ終えて押印するあれです。

 自分の落款を、一発目はそのまま押す。次につぼみが開いた形に彫り変えて押す。次に開花した形に彫り変えて押す。やがて花はしぼみ、散る。花の命に合わせて彫り変えてきた落款を、最後は二つに割って押した。地面に落ちた花。

 被災地のことを思う心の中に、「花」で表したい気持ちと落款の変化で表したい気持ちが同時にあったと江湖さんは言います。
 

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 あの人、江湖さん、えらいなあ。まだ若いのになあ。

 話を聞かせてもらった後、私は、妻お龍に言いました。

 俺なんか被災地のことをすぐ忘れてしまうのに、ずっと心にとめてはるんやなあ。NHKみたいな人やなあ。

 私は、江湖さんにハンコをお願いしようと思っています。妻お龍の誕生日に、竹のハンコをプレゼントしようと思います。
 竹のハンコというのは、竹の根っこを使ったハンコです。自然素材ですから、ふたつとして同じ外形にはなりません。
 江湖さんのホームページから勝手に写真を拝借しました。写真をクリックしてもらったら元のページにジャンプします。

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 これを読んでいる親戚・友人諸君、くれぐれも言うとくけど、お龍にバラしたらあかんで。


信楽高原紅茶があったとは?!


 

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 この日は、信楽高原紅茶を飲んでみました。
 お茶で有名な宇治と焼き物で有名な信楽は、実はまったくの隣町どうしでして、両方ともに茶の名産地です。

 信楽高原紅茶てホンマにあるの?

 すいらんの杉本シェフに尋ねましたら、片木古香園というお茶園が生産しているのだといいます。「かたぎこうかえん」と読むそうです。ここのお茶は化学肥料なしの農薬なしの混ぜ物なしだと杉本さんが言います。

 濃さや香りや味を稼ぐ混ぜ物が入っていても、成分表示義務を超えない範囲ならば表向きは茶葉100%に見えます。そういうお茶は少なくないそうです。
 片木さんにかぎってはまったくその心配がないと、杉本さんが太鼓判を押します。正真正銘の茶葉100%はそんなに濃く出ないのがむしろ当たり前だそうです。うちのお濃茶はどう頑張っても普通のお薄くらいにしかならんと片木さん自身が言っているとのこと。

 飲みました。
 いままでにこんな紅茶はあまりなかったなあと、それが第一印象です。
 ひとことにすれば、なんぼでも飲める紅茶。
 えぐみも苦味もないなかに紅茶ならではのよさがすべて溶け込んでいるとでもいうのか。
 ふとした瞬間に日本茶のような面持ちも感じます。
 さしでがましくなくて、めちゃ腰の低い紅茶やなあと思いました。

 お龍はすいらんのガトーショコラが好きで、この日も注文。私は、古代米のおはぎです。なんとお買い得、紅茶はスープ用のカップにたっぷり入っています。ティーバッグ2袋を使うとのことでした。


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 古代米のおはぎは、おはぎというよりも和菓子です。別に餡子がついてきますから、ふたつを同時に食べます。
 私は餡子なしでもOKです。古代米おはぎの歯ざわりがすごくおもしろいから、それだけで独立した食べ物です。で、餡子は餡子でちょうどええ味になっていて、これもそれだけで独立した食べ物です。
 ふたつ合わせてしもたらかえってもったいないやないかと思いまして、半分くらいからは別々に食べました。


お買い得、大放出



 スペイン製アンティークの花台がありました。4000円。
 
 これはお買い得やと思いますよ。もう大放出してますし。

 咲楽の長田さんがそう言います。即決というほどの出費ではありませんが、うちのお龍にしてみたらけっこう早い決断で買いました。
 江湖さんの大きな作品と一緒に撮影です。字が貫禄ありすぎてせっかく買った椅子が目立たん。
 でも、まあ、あんなことしたり、こんなことしたり。そのうちに何かしているということが伝わればいいです。それが尾賀商店です。

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