2011-01-29

ゴサインさんが会社へやってきた



 インド料理「ジャガタマハル」の店長ゴサインさん。
 突然、私のオフィスにやってきました。おみやげにラッシーを持ってきてくれました。
 ゴサインさん、表玄関がわからず、非常階段のほうでずっと立っていました。
 たまたま私が朝の特約店回りから戻ってきたら、なんか変な奴がこちらに手を振っていました。それがゴサインさんでした。
 
 なお、私ですが、この写真の2日後に、抜けていた前歯が入りましたので、次に登場するときはもっと男前です。
 
 数日後、1月28日の夜、ゴサインさんから電話がありました。


 今日は誕生日ですね
 え、ゴサインさん、俺の誕生日は11月なんだけど・・・
 私が誕生日です
 そうなの~、Happy Birthday ゴサインさん!
 ありがとうございます。いまは、仕事?
 仕事終わったよ。友達とごはん食べてるよ
 そうですか、じゃあね


 そうかあ、今夜はゴサインさんの誕生日かあ。
 カレーを食べに行くべきだったのか・・・
 知らんかったなあ。
 インド人のカレーに行かないでフィリピン人のお好み焼きに来てしまったよ、ゴサインさん。


 ものすごく美人の奥さんをインドに残して、ゴサインさんは日本に長期滞在。ひとりの誕生日はさびしいよねえ。
 来週、必ずHappy Birthdayを伝えにゴサインさんの店へ行こうと思うけど、インド人男向け誕生プレゼントには何がええのかわからんわ。

謎の井上農園 与謝郡与謝野町

 めちゃ甘いミニトマトです。糖度8以上だといいます。
 食感上の甘さは糖度8程度ではありません。
 これはいわゆるミニトマトではなくて、本来はもっと大きく育つ品種をこの小さなサイズに留めながら成熟させたものだそうです。その分、トマトの旨みと甘みが凝縮されているのだといいます。




 作り手は、これまた井上農園さん。
 道の駅シルクのまち かやにて250円。
 井上農園は、ブートジョロキア、アイスプラントと、「道で買う」シリーズに連続登場。今回また「道で買う」だと一辺倒すぎて芸がありませんので、こんな形でご紹介します。
 器に出してみますと、こんなにかわいくてきれいです。




 井上農園とはいったいどこにあるのか?Googleで「与謝野町 井上農園」を検索してみますと、自分のブログがいちばん上にくるくらいでして、所在地すらわかりません。
 道の駅シルクのまち かやの周辺はこんな雪ですよ。この民家だけではありません。どこへ行ってもこれくらいの根雪。
 井上農園さんはいずこ?
 この大雪のなか、いったいどのようにこのめちゃ甘トマトを栽培していることやら・・・




 春よこい。
 井上農園さんをつきとめて、ここでご報告申し上げます。

とり松 ばら寿司 丹後 網野

DSC00868
雪の日。まだ正午過ぎでもこんなに暗い。


 ばら寿司。
 金曜日、京都へ戻る日ですので、妻お龍へのお土産にしました。
 とり松の場合、「ばらずし」とひらかなで表記します。

DSC00871

DSC00872 写真は1人前です。
 箱は、枡でいえば4合の容積です。ばらずしが上ぎりぎりまで詰まっているわけではありませんが、けっこうおなかが膨れます。ばら寿司に独特の鯖のおぼろ(そぼろ)は錦糸玉子や蒲鉾のさらに下層に敷かれています。



DSC00858DSC00859
   こちらはとり松の週替り定食。750円。蕪のみぞれ鍋。昼の定食とはいえ、こうしてちゃんと鍋になっています。温まります。その鍋もおいしいし、出汁巻き玉子がこれまたおいしい。
DSC00860









 下の写真は、蟹料理のメニューです。

DSC00865

 写真をクリックして拡大してもらうと内容や値段がよくわかります。同じ松葉蟹でも「落がに」を用いたコース料理だといきなり値段が安くなります。落がにというのは漁のときなどに足が落ちてしまった蟹のことです。落ちたのは味ではなくて足ですので、実質をとるのなら落がにです。しかし、いずれにしても松葉蟹は高価です。



DSC00856
DSC00857   平日の昼間、雪模様ということもあり、とり松は空いていました。土日祝ですと、観光客も地元客も入り混じって空席待ちになることもあります。
 下の写真はとり松名物の川柳掲示。
 言葉交すよき距離のあり鍋料理
 なるほど、そうか、鍋の魅力にはこれもあったかと気づかされました。





DSC00867



 とり松のホームページhttp://www.torimatsu.jp/ 



関連ランキング:寿司 | 網野駅

2011-01-28

丹後 今日もまた雪

DSC00846自販機への小径

 今年はどこも雪が多そうです。丹後も雪国の顔をあらわにしています。

 峰山のスプラウトで昼ごはん。雪の悪条件にもかかわらず、この車の数です。店内はランチの客でにぎやか。駐車場の除雪がこのように行き届いてますから、客も安心して店に来ることができます。

DSC00831
DSC00830 
 女性のお客さんが多いので除雪を怠るわけにいかないと店長。雪が残っていると車庫入れも難しくなりますもんね。それだけではなくて、店まで歩くうちに靴のなかが濡れたりすると食べてる間 ずっと気持ち悪いでしょと店長は言います。濡れるのが嫌なら長靴という手もあるでしょうが、服はプチおしゃれで足元長靴というのもなんだかなあですしね。
 そのかわり、除雪のユンボを頼むと1回数万円が必要だそうで、利益がいともたやすくとんでしまうそうです。除雪貧乏ですよと、店長は困っていました。

 妻お龍が、少しは仕事のことも記事にしたらどうかと言います。それもそうだなあということで、ある医院さんに入ったときに見かけたかっこいい長靴です。雪の日は医院の上り口に長靴がずらっと並びます。そのなかでもこれはひときわかっこ良かったですねえ。HUNTERというマークでした。ネットで調べましたら、Amazonで14500円でした。
20110127120314

2011-01-26

パスタR 福知山 夜も食べてみた

DSC00793テーブルに座るとこのメニューボードが運ばれてきます

 パスタRばかり記事にしてます。ある程度は通ってみないと本当のところが見えてこないので、勘弁してもらえたらありがたいです。
 前回の記事で、安さに驚愕と書きました。メニュー表に並んだ値段はたしかに安い。では、夜に出かけて、ランチではない食事を実際に注文してみたときのコストパフォーマンスはどれくらいか?それを自ら検証しないことには無責任な記事になってしまいます。

DSC00795窓の外にヒマラヤやヤマダ電気を見ながら

 今夜の食事。わけありビビアンは置いてきましたので、私ひとりでした。飲み物は、酒に弱い私ですから、レモンミントソーダと食後のコーヒー。支払いは4480円でした。さあ、高いか、安いか。写真を参考にご判断いただければ幸いです。
 イタリアン・レストランの平均価格を考えたら、今夜と同じ内容であと1000円から2000円は支払う必要があると思います。それでもなおかつ、私の偽らざる感想は、ひとりで食うと割高感は否めないなといったところです。
 何人かでテーブルを囲み料理を分け合って食べる、自分以外の誰かが「おいしい」とつぶやく、誰かがワインをぐっと飲み干す。そういうのが食事をどれだけ楽しくしてくれているか。他にも、食事を楽しくしてくれる要素には店のインテリアとか、接客とかもありますから、いろんな要素が絡み合った上での幸福感、満足感の総合的判断。それが高いとか安いの話になります。
 ところが、ひとりですと、金額と食べ物が直につながりすぎて、間に入る緩衝材的要素があまりありません。その食べ物にいくら払ったかという買い物感覚みたいなものが先に来ます。それに引きずられる割高感がまずあるでしょう。
 それに、何人かの割り勘でひとり4480円だとしますと、おそらくパスタも注文できたでしょうし、フルボトルのワインも注文できたでしょう。ひとりというのはどうしたってコストパフォーマンスがよくありません。
 そんなわけで、パスタRはたしかに安いし、地産地消でおいしいし、珍しいものもあるけれど、コストパフォーマンスの恩恵を存分に受けたければひとりはやめて仲間で行けという結論になりそうです。

DSC00826 野菜主体とはいえこれだけ食べると腹いっぱいになりました。この満腹感にはパスタRのパンが寄与するところも大だといえます。持てばズシリと重い。「なんで?」と尋ねましたら、ナポリ・ピザの生地が混ぜてあるのだとのこと。それを12時間寝かしてから焼くのだそうです。


 パスタRは、椅子とテーブルをぜひとも考え直すべきだと思います。会議室っぽいですねえ。テーブルにはせめてテーブルクロスくらい欲しいところです。料理の見栄えが違ってくるはずです。椅子は変えたほうがいいと思います。市内の他のイタリアン・レストランに比べて座り心地が悪すぎます。それを丸いクッションで解消しようというのは、ありあわせ主義が顔を出しすぎです。ロイヤルヒル直営と銘打っているわけですから、もう少しなんとかならんもんでしょうか。
 実は、この日の朝も、私はアールインに文句を言いました。朝食がひどすぎたからです。これまたいろんな点でありあわせ主義でした。いちばんよくないのは、配膳も食器返却もセルフサービスでありながらトレーが用意されていないことでした。開店してからまだ間もないために栗林シェフがバタバタしていて十分なことが出来ていないとフロントのチーフは説明しました。それはおかしいでしょうと私は反発。「お箸の袋はロイヤルヒルのものじゃないですか。直営でしょ?事前準備不足はホテルの事前チェック不足でしょう。トレーがなければセルフサービスが不便だということくらいホテルが気づいておくべきでしょう」。
 パスタRのなんかがさつなところがこれからも改善されなければ、それはロイヤルヒルにもてなしの心が不足しているからだ---いまはそのような見方に変わってきています。
(朝食のトレーについては翌日からさっそく改善するとのことでした)。



DSC00806こんな風に前菜のプレートが次から次へと運ばれてきました。あれこれ食べたいので腹が早く膨れすぎては困る。そんなことで野菜主体に種類を揃えました。野菜は福知山で採れたものばかりだそうです。


DSC00802キンタロウイワシのマリネ。キンタロウイワシは天橋立の内側にあたる阿蘇海でしか獲れない魚だそうです。鮮度がいいというので栗林シェフのおすすめはマリネ。


DSC00804ヒラメのゼリー寄せ。印象的だったのはミニトマトの甘さ。この品にかぎらず、ミニトマトはどれも甘かった。理由を聞けば、少し天日干しして甘さを凝縮させてあるそうです。

DSC00809手前で赤い粉(ピリリと辛い唐辛子)がかかっているのは、丹波豚の脳みそからこしらえた自家製サラミ。これは珍品でした。レンズ豆、ブロッコリー、カブもワンプレートで出てきました。


DSC00818手前のpみたいな形をしたのは、小麦粉に塩をまぜたのを茹でてからさらに揚げたもの。パリパリと固い。その奥はやはり丹波豚の内臓なんですが、聞いた説明を忘れました。


DSC00807黒いのは茄子。これおいしかった。そして、ミニトマトはとても甘い。豆は薄味ですが豆らしい風味がよく残っています。


DSC00811このシイタケの酸っぱい味付け、おいしかった。銀杏を焼いたのもついてました。プレート右側のは何でしたか、忘れました。


DSC00812手前のシュンギク。苦くておいしかった。奥はハクサイだったと思います。そちらは酸っぱくておいしかった。


DSC00824そして、宮津湾では今年初物のハタハタ。そのアクアパッツア。1尾でも2尾でも3尾でも、好きな分だけ注文できます。仕上がりはほとんど生に近い。秋田県にもいたことがありますが、ハタハタをここまで生に近い状態で食べた経験はありません。この仕上がりには好き嫌いが分かれるでしょう。私は好きです。スープもおいしくて、パンに吸い込ませて食べ干しました。

2011-01-25

こんぴらうどん 宮津 かちん 



 かちん。餅が乗ったうどんです。
 かちんというのは近畿独特の呼び方なんでしょうねえ、神奈川県出身の妻お龍は知りませんでした。Wikipediaを見ますと、「かちん」とは、「餅」を指す女房言葉だと書いてあります。女房といっても妻お龍のことじゃありません。女房言葉については、こちらをごらんください→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E6%88%BF%E8%A8%80%E8%91%89

 宮津市のこんぴらうどん。
 冬になったらかちんを食べたくなります。
 「焼きますか?揚げますか?」とメニューに書いてあります。焼餅、揚餅、どちらもOKです。
 私は焼いてもらいます。餅のおこげの香ばしさが汁に移り、汁のおいしさが餅に移る。
 旨さの両替商みたいなとこが大好きです。


 ここの大将、オーディオ好きなんですねえ。客席からあまり見えないところに置いてあるスピーカーはJBL。アンプはどこにあることやらまったく見えません。実は真空管アンプがどこかで音を出しています。
 大将は女性ボーカルのCDをよくかけています。やさしくまろやかに、女性ボーカルが店のなかを流れていきます。これまでつまらないと思っていたシンガーが魅力的に聞こえてしまうほどです。


 こんぴらうどんの名称からどうしても讃岐うどんを連想しますが、大将のうどんは讃岐うどんに非ずだと思います。

 大将は讃岐地方で修業しました。以前、大将からオススメの店を教わって讃岐までうどんを食べに行ったことがあります。私もお龍も、讃岐に行けばこんぴらうどんくらいのおいしさは普通なのだろうと勝手に決め込んでいました。
 大将が教えてくれたのは金毘羅さんの近くにある「うどん」という店でした。同じ店でうどんを学んだ仲間のおばちゃん二人がやっている店だ、オーソドックスな讃岐うどんのスタイルを保っている店だということでした。
 その店でぶっかけや生醤油を食べ、その他にも丸亀市で何軒かを回りました。


 で、宮津に戻ってきました。私とお龍は、二人ともが讃岐で得た感想を伝えました。
 大将、結局ここのうどんがいちばんおいしいわ。讃岐まで行くことなかった。
 「その言葉を聞きたかった」と大将はもちろん喜んだのですが、そのときに大将の語った言葉がいまだに頭に残っています。
 
 ひとつめは、讃岐まで行って、よそにはないうどん文化に囲まれながら食べれば、それだけでもおいしい気がすること。その土産話が本当のおいしさを伝えているとはかぎらないこと。
 そして、ぱっと寄ってぱっと食ってぱっと出て行くうどん、おいしく食べたいと思って食べるうどん、ニーズが異なればうどんも異なるということ。
 さらには、値段の安さも含めて、讃岐うどんのスタイルはうどん好き人口の多さに支えられていること。

  そうか、商売になるうどんが讃岐と宮津では異なるのかと、私は解釈しました。
  メニューに載せたうどんの種類ごとにきちんと味わいの違いを出す。そのために手間をかける。そのかわり平均単価は讃岐うどんよりも高くなるけど、逆に薄利多売を狙ったらここのお客さんにはもっと好まれない。大将からそう聞いたような憶えがあります。そういわれてみれば、讃岐うどんのメニューはどれを食べてもけっこう似通った味だなと、そのときに気づきました。

関連ランキング:うどん | 宮津駅

2011-01-24

よこ田 舞鶴 宴会用6000円のコース

DSC00682 DSC00685 DSC00690 DSC00694 DSC00698 DSC00699 DSC00702 DSC00705 DSC00708 DSC00709 DSC00711

DSC00713  東舞鶴の「よこ田」。
 いつもはカウンターに座って好きなものを食べています。今回、宴会料理を食べる機会を得ました。予算は6000円。酒を入れて最終的には1人8400円になりました。
 よこ田の中心価格帯は600円/品ですので、11品で6000円のこのコースは少しお得だと思います。よこ田といえば茶そばですが、この日は炊き込みご飯でした。

関連ランキング:割烹・小料理 | 東舞鶴駅

としこ福知山ライフのご紹介



としこ福知山ライフというブログをなさっているとしこさんにわるいことをしました。
いや、いや、わるいこというても、そういうわるいことやありません。
私のブログにリンクを張りたいとコメントしていただいたそうなんですが、おかしなことにそのコメントが表示されないままになっていました。
したがって、ありがたいお申し出を無視した結果になりました。
これはもうとしこさんブログのアクセス数増大に寄与する以外にお詫びの道はないと考えました。
としこさん夫妻も犬が大好き、食べること大好きみたいです。
どうか上の絵かURLををポチッとワンクリック、行ってみてくださいね。



2011-01-23

パスタR 安さに驚愕 ?! アールイン福知山1階

DSC00659DSC00662
この日のランチ。A,B,Cに加えてDというのがあった。メインはパスタではなくて、酸味がおいしい野菜プレート。

 1月17日の記事で、パスタRをレポートしました。イタリアン・レストランでランチを食べて1000円でおつりがきたのは久しぶりだと書きました。
 ところが、ところが、です。今回、ものおじしないビビアンを連れて行って、彼女を矢面に立てて店とさらに深く話し込みましたところ、1000円でおつりがきまくるメニュー揃いだということが判明しました(王将のメニュー見てるのかと思いましたよ)。












 これはすぐにブログにしてみなさんのよりよい生活のお役に立たねばならん。べつに舞鶴市長にも福知山市長にも出馬予定はありませんが、その気持ちでいっぱいです。

 なんちゅうか、シェフの心意気がええですわ。
 惚れました。
 シェフは栗林さんといいます。
 そう、そうですよ、まさこさん(誰やねん?)、綾部のアスパ隣のビルでプルチネッラをやっていた、あの栗林さんです。どこ消えたかと思ってたでしょう。

DSC00675 プルチネッラを閉めた栗林さんは、ほんまに自分のやりたい店をやろうと一念発起しました。それが綾部のめちゃ田舎、物部。わずか15席の小さなレストラン。もう建築にも着手し、開店までそれほど時間もかからないとこまできていました。そのときなの、もしもしこちらで仕事があると、ロイヤルヒルから声がしたの、アアンアん、アアンアアンアン、だったのです。一念発起はひとまずさておきで、パスタRのために一肌脱ぐことと相成りました。
 栗林さん、会話の随所で、「所詮は食い物ですから」というフレーズが出てきます。もったいぶってサーブするもんでもなければ、もの知り顔で食べるもんでもない。とてもおいしいものをとても気楽に。これが目指すところだそうです。言葉を変えるとさりげなさかもしれません。
 たとえば、メニューのなかに揚げピッツアというのがあります。栗林さんがイタリア修行時代、フィレンッェからナポリに移ったときのことです。この揚げピッツアはジャンクフードの一種として街の人々に親しまれ、食べ歩き用定番メニューだったといいます。
DSC00667 そんな一品だから、石窯のピッツアみたいにメニューに大書されるような性格ではない。けれども、けっこう珍しい存在ですし、調理にはけっこう手間も技も必要。そのギャップのおもしろさをそのまま表すかのごとく、パスタRのメニューの真ん中あたりの余白、まるで書き忘れたかのように「揚げピッツア」の名前があります。今日ちょっとやってみたのがありますと、まるで小さな揚げギョーザみたいなのを試食させてもらいました。皮で包まれたのは豆の餡子。おいしいぞ~。
 けれども、おいしいからといって、珍しいからといって、本来以上の価値をねつ造するのは自分の流儀ではない。「所詮は食い物ですから」というフレーズにはそんな意味も含まれているのではないかと思いました。

DSC00674 とはいえ、よりおいしいものをより安く提供するためには食材のコストを抑える必要があります。これも栗林さんの手にかかりますと、自然流というのか、無理がありません。まずは福知山という立地があります。丹後の魚介、丹波の野菜と肉。クオリティーが高い食材を地産地消できる環境です。そして、大好きなVespa(イタリア製のスクーター)愛好仲間のネットワークをはじめ、これまでの人間関係。それを通じていいものを安く仕入れることができるといいます。
 パスタRで実際にサーブしたディナーコースのメニューを見せてもらいました。かたほうが3000円で、もうかたほうが3500円。ほんとにこの値段だったんですか?の内容です。栗林シェフのなかで「やっぱり安くなくては」のサービス精神が躍動しています。

 話しこみすぎて、栗林さんの写真を忘れました。ビビアンも撮ってないよね?
 まあ、とにかく、財布にやさしいイタリアン・レストランが生まれてくれたものです。
 従業員の女性たちはみなイタリア料理初心者だそうです。でも、変に緊張もしないで、とてもフレンドリーに接客してくれます。パティシエ在籍とのことでしたので、ランチのひと口サイズドルチェだけではなくて普通サイズも食べてみたいもんです。


小さなトリビア
①アールインに宿泊して朝食を食べると、パスタRの和食メニューもあるそうです(1月24日、実際に食べてみました。セルフといいながら、セルフを便利にしていない無神経さ。白いごはんはめちゃまずいし、内容的にも500円の価値なし、でした)
②パスタRのこの値段は、宿泊客狙いの意図も含まれています。出張の夕飯に2000円から3000円。許容範囲ではないかと思います。
③3月3日開業予定のサンルート福知山ですが、いまのところレストラン不在の模様です。入店予定だった店が計画を取り下げたとか。しかし、ビジネスホテルで朝食なしというわけにはいかんでしょう。



DSC00678
話はちがいますが、すっかりさびれた感のあるヴッチリア・ダ・カテラ。栗林シェフの自転車の師匠だそうですが、商いの方針はパスタRの対極にあるように思えます。