猛暑の下、京都を出て金沢まで走り始めました。
この暑さ、金沢まで走るためのスタミナ不足を感じて(というても、走ってるのは自分やない、車ですけど)、途中の彦根市で近江牛を食べていくことにしました。
彦根城近く、夢京橋キャッスルロード、せんなり亭伽羅の近江牛肉鉄火丼御膳(2280円)です。
滋賀県生まれ、滋賀県育ちですから、逆に立派な店で近江牛を食べたことがありません。近くの山村精肉店や岡喜で買ってきて、家ですき焼きにしたり、網焼きにしたり。このブログやってなかったら、そのスタイルがずっと続いていただろうと思います。
さて、近江牛肉鉄火丼御膳の全貌です。サラダ、お吸い物、香の物、デザート付きとなっています。
お吸い物は、手毬麩、湯葉、とろろ昆布。そういえば、子供の頃はとろろ昆布だけをお湯に入れてお吸い物代わりにしたなと、なつかしい気持ちになりました。
香の物も、決して市販品ではないところが老舗の気遣いかもしれません。2280円の値段で漬物が市販品やったら怒りまっせ。
ただ、野菜サラダだけは、今日のせんなり亭に不満というよりも、すべての飲食店に不満を述べさせて欲しい。野菜サラダには酸っぱいドレッシングが定番ではあるのですが、その味のきつさがメインの料理を殺してしまうケースが多々あります。
今日も、サラダを食べた後では、近江牛肉鉄火丼の味が台無しになりました。味のバランスがだいじだと思います。
この献立に野菜サラダが本当に必要かというところから見直すことがあってもいいと思います。
近江牛肉鉄火丼というのは、ひとことでいいますと、とろろ飯(ご飯は寿司飯)+牛肉のたたきです。
写真のとろろとわさびをよく混ぜてから、鉄火丼の上にかけます。近江富士とでもたとえるべき円錐状の山。美しい盛り付けを崩すのは忍びありませんが、ぐちゃぐちゃに混ぜてから食べました。
おいしいです。とろろをといてある出汁がまずおいしい。
ご飯の中には刻んだ菜っ葉の塩漬けも入っています。その塩気に加えて、とろろと寿司飯の混ざり合った味わい。
白いご飯にとろろとか、麦飯にとろろとかを食べたことはあります。寿司飯にとろろは初めてでした。
食べ進むうちに、わさびもツーンときます。いろいろなおいしさをうまいこと組み合わせたもんだなあと感心しました。
近江牛を食べに来たはずなのですが、この献立に関するかぎり、牛肉のたたきが主人公ではない気がします。
とろろ飯がレギュラー陣で、牛肉のたたきはゲスト出演の美人女優といったところです。
黒の大きめの皿の上、近江牛の紅色が映えていました。美しい女優さんの髪や胸元や揃えた膝を見るが如く、なかなかに妖艶で、ちょっとわるいことをしている心持にもなります。
せんなり亭伽羅が位置する夢京橋キャッスルロードは、観光向けにこしらえられた通りです。けれども安っぽい観光資源ではなくて、よく空間設計され、お城の周囲にふさわしく落ち着いた景観を生み出しています。
せんなり亭伽羅の店内は座敷だけでした。和室にテーブルが置かれています。店へのアプローチも含め、私ひとりでぱっぱと昼ご飯を食べてぱっぱと出ていくにはもったいなさすぎました。
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