ほぼ半年ぶりに滞在した伊根。新たに生まれた民宿など、いくつかの話題を拾ってきました。
民宿の宿泊料金ーーー相場が上がった
伊根の民宿は総体的に高くなったと聞きました。
インターネット検索してみましたら、1万円を超える宿泊料金が続出しています。3年ほど前でしたら、伊根の民宿といえば7500円とか8500円くらいでした。
そのなかで、新しく誕生した鍵屋だけが、「体験型・1日1組限定」の独自路線をとり、日曜ー木曜が15000~20000円、金・土・祝前日が18000~24000円というとびっきり高い料金設定でした。
そんな高い値段で客が来るはずもないと鍵屋の方針を否定していた周囲の民宿でしたが、鍵屋の成功を目の当たりにした結果、1万円以上でもいけてしまうのかと考え直した。
ま、内実は知りませんが、そんななりゆきではないのでしょうか。
鍵屋や向井酒造や橋本水産のユニークなビジネス展開をきっかけにして、伊根町がメディアで取り上げられる機会も増えました。それも民宿の自信を後押ししていると思われます。
しかし、客の立場からいえば、中味はそのままで料金だけ上げるのではもっと客が減るよ、です。そして、値上げしてきた民宿をテレビが注目したわけでもありませんしね。
初めて鍵屋に予約を入れたときのことです。伊根町のどの民宿に電話をかけても、礼儀を知らないのかと言いたくなるほどに非礼な態度でした。ただ1軒、鍵屋だけが礼儀正しくかつフレンドリーな応対でした。
あのときを思い出すと、伊根の民宿の全体的な相場上昇には反発を覚えます。マインドとコンテンツを伴った相場上昇であれと祈っています。
釣り人日誌の浜ちゃんが泊まったえびすやは、いまもなお素泊まり5000円からです。
舟屋の宿・蔵が誕生
鍵屋から3軒を隔てたところに、舟屋の宿・蔵が誕生していました。去年の夏に訪れたときはまだ改築中でした。
黒を基調に渋いデザインを目指したようです。テレビ番組でも取り上げられて、オーナーの倉さんは「イケメン」扱いされていました。
この舟屋の宿・蔵も、1日1組限定路線です。
海を望む展望風呂、朝食メニューの品数、ペット同伴(要問合せ)、朝採り野菜などを訴求ポイントにしています。
鍵屋の弱みをさりげなく研究してたみたいですねえ。料金も鍵屋より安めに設定してあります。
けれども、舟屋の宿・蔵は、外観で損をしています。
写真に写った3軒の真ん中が舟屋の宿・蔵です。目立たないことに加えて開放感がありません。
おまけに、オーナーが絵にならない軽自動車を置いています。どうでなくても目立ちにくいんだから、この軽自動車は余計にいけませんねえ。普通の家に見えてしまいます。
伊根工房は高い?
鍵屋では、伊根工房製の食器も使っています。舟屋をモチーフにした独特の絵柄に味があって、宿泊客にも人気だといいます。
今回、あるご夫婦が、焼酎のお湯割り用の食器を買って帰りたいと言い出しました。
翌朝、伊根工房を訪れましたら、オーナーがたまたま留守でした。オーナーに電話連絡したら、気に入った食器を選んで代金を鍵屋に預けておいてくれとのことでした。
けれども、座敷に飾られた食器を選び始めますと、いずれも安くない。
買いたかったコップ型食器はひとつ3000円もします。
オーナーが自分の作品に自信を持っているのか、もしくは商売に無頓着なのか。そのいずれかでしょう。
いずれの理由にせよ、伊根工房のオーナーがべつに実績のある作家でもなし、そのご夫婦としては納得しかねる値段でした。
どれだけ高くても欲しいものは欲しいというのが陶芸作品ですが、伊根工房の食器をそのご夫婦は普段使い用としてとらえていました。したがいまして、客観性の不足した値段に思えた様子です。
舟屋の絵柄なんて、伊根で見るから心に染み入るだけで、家に帰って使ってみたらつまらないかもね。
食器を買おうとしていたご夫婦は、そのように自分に言い聞かせて買うのをやめました。
いや、決して年収が1000万円以下なんてご夫妻じゃないですよ。収入はその何倍もあります。
そんなお金持ちですら買うのを踏みとどまりました。
サラリーマンをやめて釣り船一本・・・まるいち丸
「まるいち丸」という看板。サラリーマンをやめて釣り船に打ち込むことになったと、鍵屋の鍵さんから聞きました。
まるいち丸のブログ(ここをクリック)で確認したら、2月末で本当に会社を辞めていました。
まるいち丸の名刺が鍵屋にありました。釣りキチばかりがターゲットではなくて、もっと幅広い人たちに気軽に釣りをしてもらおうというコンセプトに見えました。料金設定が明瞭で、まるで飲食店のメニューのようでした。
都会からやってきた客を船に乗せたとき、ただの小魚が釣れただけなのにものすごく喜んでもらえたそうです。こんな魚で喜んでもらえるのかという驚きが気軽に利用して下さいのコンセプトにつながっていると聞きました。
伊根湾は波が静かで、船に弱い私も酔ったことがありません。それでも陸の近くでよく魚が釣れますし、難しいことをするまでもなく勝手に釣れてしまいます。
海上タクシーや遊覧だけの船ならこれまでにもありましたが、魚釣りも頼める船はあまりありません。そのユーティリティー性の高さがウリだと思いました。
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