石山寺。滋賀県大津市、瀬田川のほとりに立つ古刹です。
いまからおよそ1400年前の747年に、良弁という僧正が聖武天皇の要請を受けて開基したとのことです。
石山寺といいますと、紫式部の源氏物語とワンセットで語られることが多い。紫式部は、1004年に石山寺を参詣し、その滞在中に源氏物語の着想を得たそうです。滞在していた一室でその着想を文字に換えていったと伝えられています。
石山駅前から石山寺にかけての一帯には、高校生時代の思い出が色濃く残っています。
みんなどうしてるのかな。大津市の副市長に茂呂治というニュースには誰もがビックリしてるんやろな。
そんなことを思いながら、仕事先へと向かいました。
新聞にフリガナがふってませんが、姓が茂呂(もろ)、名前が治(おさむ)です。
高校のときも、先生によっては読めない人がいました。
え~、しげもろ、しげもろはるサン。
誰やねん!
さて、たばしる、です。いいえ、タバシルという名の新しい薬ではありません。
先生、中耳炎の患者さんにはタバシルをよろしくお願いします。
ちがうって!
石山寺参道に「茶丈藤村(さじょうとうそん)」という和菓子屋さんがありまして、そこの銘菓。いまや全国的にも有名な和菓子です。
「たばしる」という変わった名前は、松尾芭蕉の句に由来します。
石山の石にたばしる霰かな
たばしるというのは、激しく飛び散るさまを表す言葉だそうです。
芭蕉さんといえども、「たばしる」という語彙を持ち合わさなければ、この一句は生まれなかったでしょうねえ。「石山の石に飛び散る霰かな」でしたら、誰にも作れそうです。
けれども、お菓子のほうの「たばしる」は、語の意味とは対照的です。
とても柔らかな求肥(ぎゅうひ)のなかに丹波大納言の小豆を詰めたやさしさあふれる和菓子です。
求肥がほんとに柔らかい。指で触れば触ったままの形に変形するほどです。
詰められた小豆は、小豆の大きさそのままです。こしあんをつなぎにした豆を食べていることになります。この口当たりが、そのあたりによくある小豆菓子とはっきり異なります。
求肥のなかには、小豆のみならず胡桃も入っています。胡桃の香ばしさが口のなかで「?」のおもしろさに変わります。これはひょっとして胡桃ではないかと、そのとき初めて気づきます。
お使い物にするために6個入り1200円を買いました。いまの時期ですと、常温で2日が限度だそうです。早く持っていかねば。
私の妻お龍に、水無月をお土産にしました。
豆のクオリティーが生きています。土台のほうは粉だけではありません。葛が使ってあります。そこがどうもキーポイントらしい。
おいしくて、お龍は大喜びです。
中村軒(桂離宮そばで観光客に大人気の老舗)よりもおいしいヨとお龍。中村軒は客が増えすぎて味が落ちたと、お龍は厳しい評価を下しています。
通信販売でもたばしるが買えます。でも、石山寺や瀬田川の風景とお菓子を切り離すのはもったいない気がします。
たばしるおとりよせサイト
http://sajo-towson.jp/azuki/tabashiru.html
瀬田川リバークルーズの船が石山寺船着場に向かうところです。
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