錦市場のあたりを久しぶりにぶらぶらしました。
錦市場には入らずに高倉通りを歩き始めたとき、妻お龍の足を引き留めたのは、できて間もないイタリアン・レストランです。
イタリアンか?店の名前、ないな。
これでしょ、ダニエルズ・ソーレ。食べていかない?
こういう構えの入り口に出会うと奥まで入ってみたくなります。
奥で昔の仲間が待っている気がします。
入り口をくぐったら2階建ての町屋を改造した店舗がすぐ見える。
玄関をくぐると、上の写真のように、京町家(にしては大きな)をリフォームした造りであることが十分に伝わってきます。ガラス越しに見る店内はランチ客でぎっしりでした。幸いにもテラス席のひと組がちょうど帰るところで、5分ほど待つだけで入れました。
ランチのメニュー。1800円と2300円の2コース。選ぶと言いたいが選ぶほどの品数ではない。決めると言うほうが適切か。
ランチは1800円と2300円の2コース。
前菜がビュッフェ形式です。次に、パスタかピッツアを決めて、ドルチェを決めて、ドリンクを決めるというところまでは両コースともに同じ。2300円コースは、これにセコンド(この日は鶏もも肉のはちみつロースト)が加わります。
私たちは1800円コースにしました。
私はピッツアのマルゲリータに決めまして、+300円でモッツアレラ・ブッファにしました。
お龍はパスタにしました。ベーコンと初キャベツのクリームソースです。
ワイングラスのぶら下がった下がバーカウンターになっていて、そこにビュッフェ形式の前菜が並べられている。
おいしい前菜でした。私の場合、ビュッフェ形式のランチと聞けば、「おいしくもなし・まずくもなしよりも少しおいしい」あたりを思い浮かべますが、そのセンよりもワンランク上だといえます。いずれも孫の聖太郎や理久斗が来たときに真似をしたいおいしさでした。
覚えているだけを書き出しますと、野菜中心でマリネ主体の傾向がよく分かります。
★ブロッコリーのペペロンチーノ
★ゴボウのアラビアータ
★若鶏とトマトのマリネ
★サツマイモとレモンのハチミツマリネ
★ポテトグラタン
★フリッタータ
★インゲンのナントカ
★ボローニャハム
★にんじんのオレンジ風味マリネ
★カボチャのナントカ
★フライドポテト
★キュウリのアンチョビマリネ
お龍の注文したベーコンと春キャベツのクリームパスタもいい味でした。テーブルに置かれたときにふわっとチーズのにおいが立って食欲をそそられます。
少し固めに茹で上がったフィットチーネ。なるほど平べったいパスタはこれくらい固いほうがうまいんだなと勉強しました。いったい何分前に湯から上げればこういう固さになってくれるのでしょうか。
その実に微妙な茹で加減のパスタが熱々で出てくるのですから、腕のいいキッチンスタッフと目配りの利いたフロアースタッフの両方を備える店で、しかも両者の連携がうまくいってるはずです。
石窯で焼くナポリピッツアのマルゲリータもいい味でした。トマトソースを使わずに甘いミニトマトがのっていました。
ランチタイム用のピッツアといいますと、サルヴァトーレ・クオモのような専門店ですらクオリティーを下げてきますが、ここはその落差を最低限に抑えてあると思いました。
ただ、カッターの分割がむちゃくちゃでした。小さいのがあったり大きいのがあったり。あんな切り方しかできないのならナイフとフォークで客自身で切るようにしたほうが食べやすさは上です。
ドルチェは、とくにアイスクリームがおいしくて。
「おいしい」と早く言おうとしすぎて、「このオイスクリームあいしい」と言ってしまったほどです。
店を紹介してある「ぐるなび」のサイト。
経営元である「グラマラスフード」のサイト
私は、京町家改造型の飲食店があまり好きではありません。
そもそもが手狭な京町家だというのに、だいたいの店がそこにぎっしり客を詰め込もうとするもんですから、なにかと辟易の材料に事欠きません。容れ物だけが京町家ならそれでいいというもんではないと思うのです。
同様の傾向がこの店にもありました。席と席の間隔に余裕がないとか、テーブルの面積が小さすぎるとか。おいしさ充分の店なんですから、値段を高くしてでもゆったり食べられる空間にしておけばよかったのにと思いました。
ただ、お龍の感想は異なります。あの味、あの場所、あの値段。窮屈なのは確かだけれどまた行きたいと言っています。
まあ、男と違って女性は、ものを食べるとかトイレに行くとか、多少の不便が伴っても忍耐強く成し遂げます。とくにお龍くらいのおばさん年齢層には粘り強さが顕著で、1円の得のために10円くらいの我慢をいといません。
夫婦間での感じ方の違いは、辛抱強さと金銭感覚によるところが大きそうです。
入ろうかどうか逡巡する女性3人組。心配いらないのに。中へ入ったらこの人たちのような年代、服装の客がいっぱい。
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