2013-05-22

今庄そば、自分にはいまいちだった(福井県南越前町)

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 福井県の今庄を流れる日野川です。
 鮎釣り師たちには名の通った川です。関西の友釣りマニア向けに観光バスの団体ツアーが組まれるほどです。 
 
 その日野川に寄り添って走る国道365号線沿いには、今庄そばの店が並んでいます。


 今庄そばを食べるのは初めてでした。
 越前そばと言われるように、そばは福井県全体の名物なのですが、そのなかでも今庄はとりわけ有名な土地です。
 
 北陸自動車道今庄インターを下りて3kmか4km走ったでしょうか、今庄駅が近づくあたりで、「おばちゃんの店」というそば屋の看板が目に入りました。
 今庄でそばを食うならどの店という事前情報もありませんでした。おもしろい店名だからここにしようかと車を止めたら、残念ながら火曜が定休日でした。

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 1軒や2軒が定休日でも、今庄を走っていてそば屋には困りません。インターにいちばん近い「土の駅今庄」に入りました。

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 さっき、「おばちゃんの店」が定休日でしたが、こちらが「おばちゃんの店」であってもべつにかまわないくらい。従業員含めて数人すべてがおばちゃんです。誰もがとても愛想のいいおばちゃん。

 そうでしたか。枡添要一さんも来てましたか。

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 にしんそばとおろしそばを注文しました。
 実は糖質制限ダイエット中でして、米、うどん、そばは避けたほうがいいのですが、まあそばならば、食ったすべてが脂肪組織に溜め込まれたところで総重量はしれたものです。

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 さすが今庄、ここまで来たかいがありましたーーーと言えればよかったのですが、どうも今庄そばは私の口に合わないようです。味が眠たいと感じました。
 東京のそばのように濃いつゆがいいなんてこれっぽっちも思ってませんから、薄い・濃いの不満ではありません。

 ひとつには、そばの香りが立っていないと思いました。そして、つゆが薄いというより水っぽいと思いました。

 しかし、不味いのだと解釈しないでください。私の好みに合わなかったのだと、自分では考えています。サラっとしたおいしさなのだと受け取ってもらえれば、私が言わんとすることに対して当たらずとも遠からじだと思います。

 土の駅の評判がいい傍証材料として、平日の1時半頃だというのに、二人連れ、三人連れで入ってくる客が後を絶ちませんでした。いずれも他府県ナンバーだった事実から推測するに、おいしい店だと感激した観光客が何人もいたものと思われます。そういう人たちを起点に土の駅がいいよという評判が伝播していると考えるのが妥当です。

 それと、もうひとつ別の傍証材料もあります。
 様々な飲食コンクールでこの店が賞を獲得していることです。そのなかのひとつ、会議弁当コンテストで優秀賞に輝いた時の新聞記事が貼ってありました。
 味音痴だとか、腕がわるいとか、決してそういう評価で語るべき店ではないのです。むしろ、おいしい店だということになります。

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 ただ、私の場合は、敦賀や永平寺で食べたそばのほうが数段おいしかったと、そういうようなことです。おろし蕎麦どうしの比較でいきますと、大根おろしがまったく辛くありませんでした。本来の辛さでは観光客にウケがわるいとわざと普通の大根を使う店もあるくらいです。そんなことを考慮すれば、私が辛味のあるおろしそばを好むだけのことだともいえます。

 今庄そばってこんなもんか?この店だけか?それとも、いろんな店に共通の味か?

 その答が欲しかった私は、たまたま道を歩いていた地元の人に聞きました。

 土の駅というそば屋さんでかくかくしかじかでした。別の店でも食べてみたくなったのですが、どこ行けばいいでしょうか?

 その人の口から第一番目に出た名前が「おばちゃんの店」でした。「いや、そこはさっき定休日でした」と言いますと、「あ、火曜日か、今日は」とその人も残念そうな表情です。

 「それなら、『ふる里』に行ってください」というのが次なるオススメ店でした。場所を聞くと、今庄駅の近く、「白駒」という大きな看板を掲げた酒蔵の近くです。迷わずに行けそうです。

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 糖質制限ダイエット中ですので、繰り返しますが、米、うどん、そばの類は避けたほうがいい。それでもなおかつ3杯めを食うのか。食います。食った全部が脂肪組織に変わったとしても、そばの3杯くらいしれた重量です。

 店には、亡くなったお父さんが各地で買い集めた提灯がびっしり飾られていました。写真の撮影旅行を繰り返しておられたそうです。

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 再びおろしそばを注文しました。越前そばといえばまずはおろしそばだからです。

 今度は、そば湯も出てきました。「土の駅」ではこれがなかった。
 ふる里のつゆには輪郭を感じました。水っぽさはありませんでした。今度は「おいしい」と思いました。3杯めで腹いっぱいという条件下でおいしいと感じたのですから、これが1杯めだったらもっとおいしく感じたことでしょう。

 けれども、そばの香りや、大根の辛味については、土の駅との相違を感じませんでした。

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 さきほどの人にまた遭遇しました。なにせ過疎の地域ですから、人の姿を見かけません。そのかわりに出歩いてる人には何回でも出会います。

 「ふる里はどうでしたか?」と尋ねられて、感じたままを伝えました。その人が言うには、今庄そばの大根おろしはだいたいそんな感じですよとのことです。
 次に来たときは「忠兵衛」にも行ってみてくださいと、その人は言いました。接客面で好き嫌いの分かれる店だそうですが、味で勝負の店だそうです。
 大根おろしがどんなに辛くても平気なら、国道365号を武生の入り口あたりまで走って池端病院近くの店に行けばいいですよとのことでもありました。容赦なく辛いそうです。

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