けれども、私には新たな任務が発生したのであります。おばあちゃんが、Cアミーユを出て自宅で暮らしたいと言っております。これをなんとか阻止したい。
京都ならではの暮らしをせっせと体験させて、その魅力で悩殺せねばなるまい。「おば竜 調略編」のスタートです。
本日やってまいりましたのは、和菓子の老舗中村軒。
八条通が桂川を渡る桂橋の西詰めに位置し、創業が明治16年(1883年)という古い店です。
すぐそこに桂離宮があります。
市の中心を大きく外れた場所なのに、地元客、観光客、一日を通して客足が絶えません。
中村軒といえば「麦代餅(むぎてもち)」だと聞いています。でも、それのみならず、季節ごとに並ぶ和菓子がこれまた魅力的です。普段は車でさっさと通り過ぎていますが、ときおり立ち寄ってみたくなります。
この日、おばあちゃんが、おじいちゃんの老人ホームを訪れたいと言い出しました。その手土産に何か甘いものを持って行きたいというので、Cアミーユからそのまま八条通を進み、中村軒に寄りました。
手土産ならばおいしさを自分で確かめておいたほうがいい。おばあちゃんにそのように提案しました。中村軒には茶店もあります。老舗の和菓子屋さんでおいしいお菓子を食べさせて、それを調略の一助としたい。
奥のお座敷に上がりたいところですが、おばあちゃんのように足が痛い年寄りには赤い毛氈の椅子席が向いています。
甘さが控えめでおいしいなあ。京都のこういう昔くさい店がええなあ。好きやなあ。ちょっと、お茶も飲んでみ。お茶もおいしいで。
桜餅を食べながら、おばあちゃんは喜んでおります。
「そやろ。な、そやろ。京都ならではやろ」なんて、そんな素人臭い反応を示してはいけません。「ああ、そうか」だけに留めました。
けど、おばあちゃんの言うとおり。冷えた麦茶の香ばしさ。甘いだけではないあんこ。えらいおいしいのであります。
やっぱり京都はええなあって、自分がハマってどないするねん!
お土産にした「ちまき」です。本物の熊笹を使って、丁寧に巻かれています。透明感のあるとても上品な味です。ところが、おじいちゃんにはこれすら固すぎた。そんなことでは、へたりすぎですわ。
さて、次はどんな京都体験でおばあちゃんの調略を進めるべきでしょうか。
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