丹後由良をぶらぶらしていましたら、ランチハウスリリーのマコちゃんが軽自動車でやってきました。
出前ではなさそう。そんなもん福知山から遠すぎます。
釣り場を物色して走っていたら私を見つけたのだといいます。
今日はシーバスはやめ。舞鶴の白杉でチヌを狙う。
そう言い残して走り去ったマコちゃんを、私は追いかけました。
マコちゃんは料理人ですが、魚に食わせる餌は料理しません。冷凍オキアミ。何かかけるとしてもションベンくらいです。
残照の時間帯に食ってくるのはガシラ(カサゴ)です。骨の太い魚ですから、煮付けにしても唐揚げにしても、めちゃ美味。とくに釣ったばかりのガシラはうまい。
ガシラみたいな顔した客、ランチハウスリリーにおらんかった?
本命のチヌは、さらに陽が落ちて、浮子(うき)が見えるか見えないかになった時間帯に、いきなりガーンとくるそうです。
ウキ下わずかに1mちょっとのポイントですが、ノッコミ(産卵期)にかぎってはこうした浅場にもチヌが寄り付くのだそうです。
ただし、浅い場所だけに魚も警戒心をもちやすい。餌をくわえたときに不自然な抵抗を感じると捕食をやめて吐き出してしまいます。糸に引っ張られている餌ですからね。
したがいまして、先の柔らかい竿を使って、できるだけ餌に加わる反発を和らげます。
マコちゃん自身、だいじな竿先がヘナヘナです。
釣竿ならまだ余っているから一緒に釣っていかないかと私を誘うマコちゃんに、「今日は聖太郎がおるねん」と告げました。
それなら、みんなの分を釣るから持って帰ればいいとマコちゃん。
そんなうまいこと釣れるのかいなと思っていましたら、光量が落ちて潮が動き始めた好条件の下、ひと流しごとにガシラ1尾ずつがちゃんと釣れるではありませんか。
あっというまに3尾。そして、アジが1尾。「長田さんはアジ食っとき」とマコちゃんが言います。
いや、そんな、俺もガシラ食いたい。もういっちょう頼みます。
マコちゃんが竿を出す対岸には舞鶴の火力発電所。原発停止以来、忙しく稼動しているそうです。
自衛隊の艦船も基地に戻ってきました。
火力発電所と自衛隊艦のものものしさ。
原発再稼動問題と北朝鮮ミサイル問題に通じるものものしさ。
我々、社会問題を声高に論じるオッサン二人ですが、魚釣りを始めてしまいますと世の中どうでもええ。
ときどき男の二人連れが自衛隊の船を一生懸命に写しとると、マコちゃんが言います。あれは北朝鮮のスパイだろうと、マコちゃんは考えています。
えらいことです。金正恩のランチ役としてマコちゃんが拉致されたらあきません。マコちゃん弁当はおいしいですからね。
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