左が今西さん、右が小林さんです。
お盆、家の用事もあるでしょうに、この日も尾藤家で見学客を待っておられました。
ごらんの通りの笑顔で、世間話のように案内して下さいます。
【私たちもテレビに出ました】
BSジャパン「百年の町並み 18話(8月3日放送)」でちりめん街道が紹介されました。
BSジャパンをきっかけにまた来たしたことを今西さんと小林さんに話しました。
私たちもテレビに出ましたよ。
あれ? 映ってました?
いいえ、私たちはNHKでしたから。
お二人は、NHKの「ニュース610京いちにち」に出演されたのです。この番組はNHK京都放送局独自のローカル番組(月~金の午後6:10-7:00)です。
「でも、尾藤家の宣伝にはなりませんでした」と、お二人にはそれが心残りだったご様子です。
「京いちにち」が大きく取り上げたのは、お二人が手作りされている風鈴でした。その風鈴は、縮緬織機に用いる糸巻きをうまく流用してあります。
風鈴の話題がおいしすぎたのか、尾藤家の紹介がほとんどなかったそうです。
件の手作り風鈴が、尾藤家の廊下で揺れていました。
下の写真が何もしていない糸巻きです。
【大金持ちになれるかな?】
尾藤家は夏のしつらいシーズンです。
「各部屋も葦戸(よしど)や御簾(みす)に変わり、すっかり夏のしつらい」と、案内チラシに書かれています。襖も明るい色合いに取り替えられています。
「それでもやっぱり暑いですね」と小林さんに言ったら、「目で涼しんでくださいね」とのことでした。
私は2回目の訪問です。前に来たときは真冬でした。足の裏が冷たくて、冷たくて。でも、わりと暑いなとか、めちゃ寒いなとか、それそのものがお屋敷探訪だと思います。
妻お龍が、尾藤家の家訓を持ち帰りました。
代々大金持ちの家訓を参考にしようと考えたようです。
しわがよらないようにだいじに持って帰ってきて、食卓の前に貼りました。
私は5番の「迅速にする事」を守ることにするわ。お父さんは1番と2番と7番を守りなさい。
なんで俺だけぎょうさんあるねん。
【お値打ちの200円 旧尾藤家見学料】
「歴史の町並 平成24年度(2012年)版」という冊子をもらってきました。発行元は全国伝統的建造物保存地区協会です。
ちりめん街道のような伝統的建造物保存地区は日本全国で95箇所あります。全52ページのフルカラー印刷のこの冊子は、その95箇所のガイドブック的内容となっています。非売品ですから、このような冊子があることすら知りませんでした。
本といっしょに、しおりももらいました、いらなくなった紋紙を使った手作り品です。
紋紙はとても丈夫な厚紙でできています。織機にかけて何度も使うことが前提ですから耐久性のある紙質でなくてはなりません。
その紋紙をしおりに適した大きさに切り取って、墨絵的に天橋立を描き、細筆で与謝野鉄幹の歌が書いてあります。ここまで手のかかった品を無料でいただいていいのだろうかと恐縮します。
ちりめん街道はノスタルジーの道です。
言い方を変えれば、過去の繁栄のメモリアル・ロードであり、現在の道は、継続的繁栄から取り残された姿です。
人が道を歩いていません。それに驚きます。
そんなひっそりした町にやって来て、黙って歩き黙って帰るのでは、さびしすぎないでしょうか。そんなとき、旧尾藤家住宅に入れば、今西さんと小林さんがおられます。
お二人の手作り風鈴も、見学客への積極的な働きかけも、少しでもちりめん街道にプラスアルファの魅力をつけ加えたいからではないかと、私は思いました。
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