2013-03-03

湊町倶楽部(滋賀県大津市) 2000円で満足ランチ

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 きわめてしゃれた空間でフレンチのランチが2000円。
 高級そうな店構えに臆することなく入っていく姿は「あの人らお金ありそう」なのですが、実は中で2000円しか払っていない。
 舌も満足、見栄も満足。これは実にシニア向けです。



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 湊町倶楽部は、株式会社 空(KOO)が手がけた建築デザインです。空といいますと、滋賀や京都では、おしゃれな店舗を手がける事務所として知られた存在です。
 このデザインのなかに身を置きながら、たいていの客は、「次に来るときは誰を連れてこようかな」と考えるはずです。



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ランチセット 2000円

・アミューズ
・有機野菜を使った本日のスープ
・メイン料理(お好きなメイン料理をお選びください)
・パン 又は ご飯 汁椀 京漬物
・小さなデザート
・デザート(お好きなデザートをお選びください)
・コーヒー 又は 紅茶

 この2000円は安いな。私たち4人ともがそう思いました。
 あんまり値段のことばかり言いますとオシャレを旨とする店のコンセプトにそぐわないのでしょうが、でも、個室できちんと接客してもらった上での2000円ですから、値段以上の満足だったことをまず言わなくてはなりません。

 私たちを担当してくれたのは、40歳代でしょうか、50歳代でしょうか、料理についてきちんと伝えてくれるベテラン女性でした。
 「○○○○のXXXXを△△△した◆◆◆◆でございます」というのに、私は弱い。大人扱いされた気がします。
 聞いてもすぐ忘れてしまいますけど、やっぱり言って欲しい。ランチ2000円というのは実に微妙な線で、言ってもらえないと損した気がします。でも、言ってもらえなくてもしかたない。そういう価格帯です。だからこそ言ってもらうと余計に嬉しいと、まあ客の自尊心というのは面倒なもんです。

 湊町倶楽部はフレンチレストランを自称していますが、店の本音は近江牛にありそうです。といいますのも、料理がスペシャルになればなっていくほど近江牛が主人公になっていくからです。

 近江牛のすき焼きなら、松喜屋をはじめ、店のスタイルには定番化したものがあります。同じような近江牛のレストランがいまさら浜大津に生まれても、それほど有難くありません。
 そうじゃなくて、湊町倶楽部の場合は、斬新な店舗建築、近江牛とフレンチの組み合わせ。そこが非日常的な気分です。大津らしくないし、滋賀県らしくありません。なにせここは滋賀県です。近江牛はそこらで買える。めちゃ日常なのです。

 で、近江牛のためにある湊町倶楽部。その2000円ランチ。そこに含まれないのは近江牛だけ。あとは、接客の折り目正しさも、食器類の奇抜さも、すべて含まれています。だから、いい機会に恵まれたという満足感が後を引くのでしょう。

 味は、もちろん、不足ありません。「おいしい」のひとことが自然と口から出ます。三ツ星級のおいしさとまでは言いません。けれども、テーブルを囲んだ4人それぞれが「おいしい」と言いながら食べています。普通においしい程度ですとなかなかこうはいきません。


 私たち夫婦をこの店に連れて行ってくれた友達は「みなとまちくらぶ」と呼ぶのですが、正式には「みなとちょうくらぶ」です。大津市の町名は、町の漢字が「まち」であったり「ちょう」であったり、ケース・バイ・ケースです。

 かつて、大津市がヒト・モノ・カネの要衝であった頃、そのにぎわい方は「大津百町」と呼ばれました。湊町はその当時の町名です。現在は浜大津といわれています。

 この湊町が現存した時代にちなんで、友達が「大津事件」の話をし始めました。大津事件は、ロシア帝国皇太子・ニコライ(後のニコライ2世)に対する暗殺未遂事件です。1891年(明治24年)、大津市内の小唐崎町で起きました。警護の警官がニコライに斬りかかるという不測の事態でした。
 食事を終えた後、大津事件現場の石碑を見てきました。「此附近露国皇太子遭難之地」と刻まれていました。

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