2012-01-21
等楽寺(弥栄町等楽寺) 期待通りの何気なさ
京丹後市営バス弥栄延利線が、等楽寺公民館前で老女の乗客ひとりを拾って、ゆっくり走り出しました。
バスは、ゆっくり、ほんとうにゆっくり走ります。時速30kmくらいでしょう。お年よりは丹後の宝物とでも言いたげに、高齢の乗客を丁寧に、ほんとうに丁寧に運びます。
まだ雪の残る山道では、先を急ぐ後続車がバスをつっつきます。その都度、バスは道を譲ります。後続車は、当たり前やろとでも言わんばかりに、加速しながらコーナーへ消えていきます。
山村の老人客を運ぶこのバスを、私は邪魔者扱いする気になれません。
製薬業界に身を置く立場です。丹後のように人口が少ない地域で仕事が成り立つのも、全国平均を上回る高齢化率によるところ大だと思います。
お年寄りの患者さんは、ひとりでふたつもみっつも病気をかかえ、ひとりでふたつっみっつも病医院にかかる傾向にあります。家に薬が余っていても、また同じ薬をもらってきたりします。高齢者の患者さん1人が、2人か3人に相当しそうです。
そんなお年寄りを医療機関まで送り届ける。これが丹後市営バスの大きな役割のひとつです。そのバスを製薬業界の私が後ろからあおったりしたら、おこがましすぎます。ただし、薬が売れるというのがそういうことなら、足腰が弱いのはお年寄りではなくて、製薬会社の営業基盤のほうじゃないでしょうか。
のんびりとバスの後ろを走っているうちに、等楽寺まで下りていました。
寺は、期待した通り、何気ない寺でした。久しぶりに晴れた空が美しく、雲が美しく、ただそれだけが印象的でした。
もう春だと信じたいのに、南天の実が最盛期の赤い色。「冬ですけど」と語りかけてきました。南天には「難転=難を転ずる」の縁起担ぎがあることを、いまWikipediaで知ったばかりです。
赤いといえばこのトウガラシ。万願寺でしょうか。おいしそうです。畑で赤くなった万願寺が野菜直販所にときどき顔を出します。
お寺の近在に、かわいい柴犬がいました。子犬ながらも日本犬らしい気の難しさ。そう安々と寄ってきてはくれませんでした。
ラベル:
丹後
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