Googleでも、Yahooでも、「世界一美しいスタバ」で検索してみてください。
検索結果の一行目から、富山市環水公園店がずらっと並びます。
スタバどうしが見かけの美しさを競い合うストアデザイン賞(2008年)で最優秀賞を受賞した実績が、「世界一美しい」と呼ばれる所以だそうです。
京都烏丸六角店、神戸北野異人館店などと同様にコンセプトストアと位置付けられた店舗でして、町並み魅力向上委員会的一軒です。
冬の富山市は晴れる日がほとんどありません。私が訪れたのは雪が舞う夕方でした。
どこがどういう風に世界一美しいというのか、どんよりした景色ばかりが目立っていました。
周囲の景観がスタバを引き立て、スタバが周囲の景観を引き立てるというもちつもたれつの関係なのですが、なにせ冬の日本海側の暗さです。双方が足を引っ張り合って、なんということもない景色です。
けれども、すべては日が暮れてからでした。
写真を撮るために環水公園を一周して戻ってきたとき、日が暮れていました。そして、なるほどこれが世界一美しいスタバということなのかと、納得しました。
ビル街のスタバでは望みようのない夜景が店内を満たし、それがなによりものインテリアでした。
スタバそのものは、運河に面して建っています(写真上)。この運河は富岩運河(ふがんうんが)といって、古くから富山市の商工業発展に貢献してきた運河です。いまは実用的な役割を離れ、富山市の持ち味としてこのように公園化されました。
スタバ店内から見えるのが、天門橋(写真中)です。ライトアップの光が水面にも映り込み、スタバの全面ガラス張りを通して眺めたほうが肉眼で見るよりもさらにきらめきを増します。
ふたつが組み合わさったのが写真下。店の中もきらきら、外もきらきら。天門橋の夜景が店の中に飛び込む店内に座れば自分までがきらきらしているような錯覚に陥ります。
けれども、スタバとしての居心地は、むしろ世界一よくないといえます。詰め込みすぎです。隣の客との距離が狭すぎます。
加齢臭のオヤジがいました。そいつが席を立つまでずっと臭いままでした。気色悪いしゃべり方をする若い男がいました。距離が近すぎて声がいやでも聞こえます。ノートパソコンを打つ女性がいました。のんびりしたいから指の動きを見たくないのですが、位置取りとして視界から外すことができませんでした。
キャラメルマキアートも、温度が低くて、しかも泡立ちなどに未熟さが残っていました。このスタバは外観だけの店です。客がスタバに求めるのはなにも外観だけではないのですが、それらの要素をきちんと満たしてくれません。
天門橋の向こう側にもこのような夜景が広がっています。結婚式場のライトアップが遠望できます。水際に「キュイジーヌ フランセーズ ラ・シャンス」という長ったらしい名前のフレンチレストランがあります。あの鉄人シェフ坂井宏行氏監修のフランス料理だというのですが、中味はたいしたことがないそうです。
こちらは、天門橋とは逆側の景色です。富山市総合体育館に隣接した「泉と滝の広場」です。
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