「RAILWAYS」という映画を見ました。アクトビラか何か、ビデオ・オンデマンドで見ました。
「RAILWAYS」には2作あります。
第1作は「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」というタイトルです。中井貴一と高島礼子が夫婦役で出演し、島根県の一畑電車が舞台になっていました。
第2作が「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」です。三浦友和と余貴美子が夫婦役。舞台は富山県の富山地方鉄道でした。
月岡駅です。
映画の宣伝用写真に使われたと聞きます。下の写真がそれです。
私のカメラでも電車や駅はそのまま写りましたが、いくら探しても三浦友和と余貴美子がいませんでした。
あの夫婦が、実際に富山市のどこかに暮らしているような気がしてなりません。
仕事への献身と忠誠は他人の鏡だというのに女心が読めず身勝手な男。見えないところで意志が固くいざとなれば亭主なんか捨て去る女。亭主も女房も実に富山県人らしいと思いました。富山の人たちは堅実です。ただ堅実を重んじるだけの堅実さではなくて、そこまで我を張るのは人間関係の上でリスキーでしょうと言いたくなることもあるのに、全体のバランスで判断したらやっぱり堅実さ重視だなあと、いつも感じてきました。
あの夫婦のストーリーは、富山県を舞台にしてこそリアリティーがあるのだと思います。都会の夫婦なら、関係が悪くなりそうな空気を感じた途端に、まず立ち回ってしまうと思うのです。
2枚の写真を見比べてみてください。この月岡駅のホームにあの夫婦が本当に腰かけていてもさほど不自然ではないでしょ?
私も、映画と現実の距離を感じないままにおります。
月岡駅で14時36分の電車を見送ってから、岩峅寺駅に行ってみました。映画のなかに何度も登場する駅です。何度も登場させたくなるくらいに味わい深い駅です。
岩峅寺駅は、「剣岳点の記(2007年)」のロケで元から有名な駅でした。
あのロケでは、明治という時代考証に合わせて駅舎を塗り替えたり駅前の道路を土に変えたりしました。
「RAILWAYS」では素顔のままの駅が出てきます。何もしないでも十分に味のある駅なのですから、それをそのまま登場させるほうに好感を感じました。
15時18分発の南富山行として、出発時間を待つ電車がありました。わずかに陽も差し始めていました。車内は暖房がよく利いています。こんな雪の日、午後のかすかな日差しと温かいシートがなによりもの乗客サービスだと思いました。
上市駅と新宮川駅の間には、農作地のなかにいくつもの踏切があります。電車は北アルプスを背景にして走ります。
雲が晴れ上がれば、まるで幕がするするっと上がるように、写真の上半分に北アルプスの山容が現われるはずです。見えないところすべてに山の景色が隠されている。これが富山県のすごいところです。富山という通りです。まさしく山に富んでいます。
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