由良の門を渡る舟人 梶緒絶え ゆくへも知らぬ恋の道かな
曾禰好忠(そねのよしただ)『新古今集』「由良の門(ゆらのと)」というのは、宮津市で若狭湾に注ぐ由良川河口のこと(だとする説が一般的らしい)。
由良川河口は暴れ河口とでもいうべき場所で、川も海も流れが荒い。遊泳禁止地区に指定されている。
そんなところで舵を失った舟人のごとく行方も知れない恋の道。
その由良川河畔の食事処「丹波茶屋ゆらり」へ行った。
ただし、「ゆらり」は綾部市にあるから、全長146kmの由良川としては中流域。「由良の門」まではまだ60kmほどある。
昼2時を過ぎて客はもう自分だけだった。川の風景を独り占めだった。
眺める由良川はどちらに流れているのかわからない。
穏やかだ。
風が渡る方向へとさざ波が走る。さざ波のきらめきが水の流れだと勘違いしてしまう。
風が渡る方向へとさざ波が走る。さざ波のきらめきが水の流れだと勘違いしてしまう。
「そんなあ。私なんか。私はここでいちばん短いんですよ」。
いちばん短い方があんなにてきぱきとしているということは、店の方すべて、だいぶ仕込まれているはずだ。
いちばん短い方があんなにてきぱきとしているということは、店の方すべて、だいぶ仕込まれているはずだ。
「由良の門を」のついでに、ずいぶん前にこの世を去ったおじいちゃんのことも思い出していた。百人一首くらい覚えとけということで、正月には孫たちに歌留多とりをやらせた。
「大江山」になると、おじいちゃんは必ずこう読んだ。
大江山 生野の道の遠ければ まだ踏みもみず かかの金玉
そして、必ずおばあちゃんに叱られていた。
その大江山も天橋立も、50年後の自分が、いま週に何回かは通過している。
同性婚 やっと見えたか かかの金玉 (これ如何に?!)
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