買い物ついでにイオンモールへ出かけて、鶴橋風月でお好み焼きと焼きそばを食べてきました。
鶴橋風月はテレビでもCMが流れていて気になってました。イオンモールに店があるとは思いませんでした。
優柔不断な心で入店
お正月のレストラン街ですから、家族連れに大人気です---といえるのは、「大地の食卓(バイキング)」など一部の店舗ばかり。
いったい風月はどうしたことか。
他店舗はあんな順番待ちに加わったら1時間はかかるぞといったなか、風月の前には誰も並んでいませんでした。
「こっちのほうが待たなくていいから、ここでいいよ」
「誰も待っとらへんのは、まずいのとちがうか?」
「ここにしとこうよ。待つのたいへんだから」
「うまいか。まずいか。今年の運試しちゅうことで入るか」
「いらっしゃいませ」と迎えてくれたスタッフの中途半端な愛想よさ。
「やっぱりまずそうやぞ。やめとけ」と、心の声がささやきかけてきます。けれども、聖太郎のママはけっこうのり気です。
こういうときにもっとも決断力があるのは聖太郎のママです。一度決めたら迷いません。それで何度も失敗していることは彼女の人生が証明済みですが、それを止めてやれなかった父親はいったい誰やねん?
テーブルに座ったら、水を持ってきたスタッフの所作が雑ではありませんか。
バシッ、バシッ、バシッ。テーブルにグラスを打ちつけるが如く置いていきます。その音が、まずいぞ、まずいぞ、まずいぞと言っているように聞こえてなりませんでした。
これはうまさの活断層だ!
「ええか。はじめからあんまりぎょうさん注文するなよ。はじめはちょっとだけ注文して、うまかったらいろいろ頼んだらええさかいにな」
父親から娘へのアドバイス。せいぜいこんなもんですわ。
私は焼きそば、聖太郎のママはエビ玉、聖太郎のパパがブタ玉、聖太郎のおばあちゃんはイカ玉を注文しました。
男のスタッフがやってきて、鉄板の上にお好み焼きを並べてくれます。キャベツの量に驚きました。こんなお好み焼きは初めてです。
「こんなにキャベツばかりでまとまるのかしら」と、聖太郎のおばあちゃんが言います。
その心配はさておき、立ち昇る湯気の香りが、「実はうまいんですよ」と私に語りかけてきました。キャベツの多さも初めてなら、旨味の香ばしさとでも言えそうなこの香り方も初めてです。
これは、ひょっとしたら、おいしいのではないか。期待してもかまわない気持ちに変わってきました。
焼き具合がよくなった頃、スタッフが表面に削り節をのせ、そしてひっくり返します。つまり、カツオブシをのせたほうが今度は裏面に変わり、カツオブシの面を鉄板で焼くことになります。
私の注文した焼きそばができあがってきました。焼きそばだけはキッチンの鉄板で焼いてから運ばれてきます。
みんなが焼きそばに箸を伸ばしました。
まっさきに声を上げたのは私です。
うまっ!めちゃうまいぞ。みんな早いこと食え、食え。熱いうちに。早いこと食べてしもて、もっと注文したらええわ。
焼きそばは太麺。ほんわかした味です。ソースは、辛いではなくて旨いというべき味の深さ。まずいのやないかと心配してすんませんでしたと、店に頭を下げたくなりました。いろいろなメニューにトライしたい。
スタッフがまたやってきて、お好み焼きにマヨネーズとソースを塗ってくれました。
まず、マヨネーズを落として、その上からソースを落として、ハケを円形に動かしてクルクルと混ぜ合わせます。
ソースが半透明に透けて、いわばカフェラテのような渦巻きが出来上がりました。
「カツオブシの面がパリっとしてるね。どうしてかな?カツオブシを焼いたから表面がパリっとなるのかな」と聖太郎のママが言います。
クリスピーな両面が旨味を内側に閉じ込めたといったおいしさです。見かけはキャベツたっぷりの断面ですが、口に含めば、おいしさがミルフィーユのように層をなしています。
原子力規制委員会の専門家たちなら言うことでしょう。
これはうまさの活断層だ!
この後、ごま醤油ネギ焼きそばともちポテトチーズお好み焼きを追加して、腹いっぱいになって店を出ました。
聖太郎君も大満足でした。
鶴橋風月ホームページ=お好み焼き・焼きそばの鶴橋風月
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