2011-12-23
わきもと そば湯で豚しゃぶ
そば湯の豚しゃぶはおいしいのだと、わきもとの大将。
いくらですか?
へい、3500円です。
豚しゃぶは、蕎麦懐石コースのバリエーションです。通常の蕎麦懐石コース同様、夜限定、1日1組限定、要予約です。座敷がひとつしかありませんし、労働力が大将ひとりですから、どうしても限定されてしまいます。
まずはつきだしから。出汁巻き(私の好物)、にしん、おくら、そばのから揚げ。ビールは、「へい、エビス」です。つまみが美味・簡素・少量で、エビスを愛する酒飲みになった気分でした。
続いて、天ぷら。黒くテカっと光っていますのは、焼き海苔の天ぷら。海苔の端っこにちょこんと衣をつけただけです。これがおいしくて、「へえ、そうですかあ」でした。
これは、まさしく鴨ネギ。ネギの周りに天然鴨肉を巻いて煮てあります。意図的に薄味にしてありますので、鴨を食べるというよりも鴨を感じるようなひと品。いわゆる京風でしょうが、鴨の場合、私はもっと濃い味でもOKです。
これは蕎麦がきの揚げ物。蕎麦がきの食べ方がわきもとにはいくつかあって、この日は温い酒を前提に揚げ物でした。私は冷たい食べ方が好きですが。
そして、今夜の主役。豚肉。トルネードに盛られて登場です。いつもは鹿児島の黒豚ですが、いつもの豚がこの日はたまたま売り切れていたそうです。ちがう豚でなんとか豚と聞いたんですが、すんません、忘れてしまいました。
みずみずしい野菜もやってまいりました。お豆腐も入れます。野菜の切り口がすぱっと切れてるといった風で気持ちいいですね。包丁をはじめ、わきもとの大将は道具好きなんであります。
そば湯で豚をしゃぶしゃぶしますと、豚肉の甘みが生きてきます。そしてさっぱりです。言葉を変えますと、いくらでも食べられる感じです。大将があれだけ言ってたわけを納得しました。
とくに日本酒党の方には、そば湯で豚しゃぶがよさそうに思えます。日本酒をじっくり楽しむことを前提に、大将がこのコースを組み立てています。
この日に先駆け、自宅では蕎麦茶でやってみました。これもよかった。蕎麦茶の香ばしさが移り香のように豚肉を包みまして、やはりいくらでも食べられる感じでした。アサヒ十六茶を使う豚しゃぶもありますね。
なにかひと工夫あったほうが豚しゃぶを食べやすい年代になってしまったということなんでしょうねえ(ああ、しみじみ)。
で、わきもとは蕎麦屋ですから、蕎麦が出てこなくてはなりません。この夜は、ふたつの産地から新蕎麦2種類。色の黒いほうが北海道幌加内産、色の鮮やかなほうが広島県比和産です。
最後はデザートです。おなじみのあずきプリン。「甘い」と言いかけて「甘くない」と言い直す。そういう味がこのあずきプリンの魅力です。
始まってから終わるまで、禁欲的とでもいうのでしょうか、酒をおいしく飲むために、味が濃いものはひとつもありません。その効き目か、酒に弱いはずの私ですら、この日はお酒がお酒が進むクン。逆に言えば、酒なしではもの足りないかもしれません。酒との組み合わせでより値打ちの出るコースなんでしょうね。
わきもとは予想以上に知られていました。先日、タクシーの運転手さんに「竹下医院の裏手まで行ってください」と頼んだら、「ひょっとして、わきもとですか。有名だから、わきもとでいいですよ。たいていの運転手は知ってますよ」とのことでした。
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