「道の駅 農匠の里やくの」に夜久野マルシェという小さな物産館がある。その半分程度がそばとうどんの店になっている。「夜久野地場産新そば始めました」のふれこみに誘われて入ってみた。しかも十割蕎麦のようだ。上の写真。かやくごはんのついたセット。値段は1180円だ。
わきもとで食べた新蕎麦はもっと薄い色合いで緑色がかっていた。秋に収穫された蕎麦はいずれも緑っぽいけれど、その実がそのまま年を越すと次第に黒ずむのだと、わきもとの大将は話していた。その話を元にすると、いま目の前にある夜久野地場産の新蕎麦は黒すぎる。そういう新蕎麦もあるのかどうか、わきもとの大将にもう一度教わらなくてはならない。粗挽きとか更科とか、蕎麦粉の挽き方で色が違ってくるのかもしれない。
新蕎麦を出したとき、わきもとの大将はそう言った。
それを思い出して、夜久野の新蕎麦をそのままで口に運んだ。「なんだこれは?」だった。
水道のカルキ臭がする。
ほんのわずかなカルキ臭だけれども、新蕎麦を食べたい気持ちがあっただけに、幻滅の度合いも強かった。たぶん、茹で上がった蕎麦を冷やすときに水道水を使って、そのカルキ臭がそのまま残っているのだろうと思った。
ここは道の駅だし、べつに蕎麦職人でもない素人従業員がやっているのだからこんなもんか。
それに反して、柚子と山芋と大根おろしを入れるつけ汁はおいしかった。つけ汁をつけて食べるとカルキ臭もごまかされてしまう。少し機嫌がよくなったせいか、蕎麦の甘さにも気づいた。新蕎麦かどうかは別にして、つけ汁と一緒ならおいしい蕎麦だった。
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