間人診療所隣のレストラン『ひさみ』です。
所長同行という仕事があります。普段お世話になっている先生方を所長と一緒に訪れます。所長が平素のお礼を伝えます。
しかし、先生に会えなければ、空振りです。今日も空振りが続きました。3打席2三振で、1打はセカンドゴロ。しかたない、昼飯だけでも充実させねば。初めて『ひさみ』に入りました。
海の見えるレストランに所長は満足げ。海なんて珍しくもない私は、昼食後の訪問先に戸惑っています。
アポイントを頂戴したかった先生にはすでに断られていますし、正直なところ、これ以上あちこち行っても先生に会えそうな予感がありません。
海の見えない部屋には円形テーブルが。こちらもなかなかいい空間です。
所長はフグのフライ定食を注文しました。どっちがフグや?と問いたくなるくらいに丸顔の所長。丹後は何を食べてもおいしいと笑顔です。お、所長、かやくごはんやないですか。うまそうですねえ。
私は、チキンカレー。べつにいまここで魚を食べんでも丹後担当は続くことやし。所長は旅人としての丹後。私は日常としての丹後。
店は言います。人生いろいろ、魚もいろいろ。
とはいうものの、このカレーが、おいしかった。めちゃ正解でした。つけあわせのポテトサラダが、これまた素朴なおいしさです。
北近畿経済新聞というローカル紙がありまして、月に3回だけ発行されます。その9月1日付で『ひさみ』特製へしこの浅漬けをはじめ、ユニークな商品のあれこれが紹介されました。
へしこの浅漬けを始めたのは、大正2年生まれのおばあちゃんでした。おばあちゃんは、京都の錦市場へ鮮魚を闇で下ろしていました。魚だとバレないように、荷物の上に丹後ちりめんをかぶせてカモフラージュ。それをかついで京都市内までえっちらおっちら出かける折、市場仲買人たちの賄い用にとサービス品を持って行きました。それがおばあちゃんのへしこの浅漬けの始まりです。
おばあちゃん伝来の味を、いまはオーナーシェフの今出龍さんが引き継いでいます。
店で、箱入りを買うこともできますが、まずはどんなものかを知りたい。280円の単品メニューにへしこの浅漬けがありますので、ためしに食べてみました。
へしこは、そもそもが保存食ですから、塩をがっちり利かせて糠にしっかり漬け込みます。しょっぱさは塩そのものに近いくらいです。薄くスライスしなければ辛すぎてしかたありません。
ところが、『ひさみ』で食べたへしこの浅漬けは、サバの塩焼きにうんと近い辛さ。普通のへしこの辛さを100、サバの塩焼きを0とすれば、へしこの浅漬けは20~30くらいかな?
糠を落とさずにじっくり炙ってあります。その糠がきつね色に焦げて、とても香ばしい化粧塩に変身します。いっぺんに気に入ってしまいまして、箱入りをお買い上げ。
浅漬けには『至福の鯖へしこ(750円)』と『究極の鯖へしこ(950円)』があります。
究極のほうは鯖がより大型なので脂のノリがよりいいとのこと。それではと究極のほうに決めました。今週末には娘夫婦が孫の聖太郎を連れて京都にやってきます。娘夫婦に食べさせてやるつもりです。あつあつの白いご飯で。
こんなのもありますよと、店の人。へしこのパスタソースです。アンチョビ代わりにへしこを使って、これまできちんと満足のいく味に仕上がったことがないだけに、へしこのプロの手によるパスタソースを購入しました。950円。
なかなかいいアイデアだなと感心しましたのが、このミニコミ。テーブルの透明ビニールの下に挟んであります。店からのメッセージと客からの相互メッセージを定期的に更新している様子です。
読みますと、へしこの浅漬けが8月は1300本も売れたというニュース。観光シーズンに盛り上がったんですね。
ウニのシーズン限定でこのようなメニューもあったんですね。
この期間にも間人診療所には来ていたのですが、いつも3時くらいでした。『ひさみ』は2時でオーダーストップですから、昼ごはんを食べたくても閉まっている時間帯でした。来年の夏に食べるぞの決意。
ワインリストもありました。
ひさみのホームページです。画像クリックで該当ページにジャンプします。
〒627-0201
京都府京丹後市丹後町間人1830 TEL.0772-75-0160FAX.0772-75-1210
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