2011-06-11
番外編:舞鶴若狭道、京丹波道路 無料化終了
高速道路無料化が終わりますね。高速料金所の掲示板を見ますと6月20日から再び有料です。休日の上限1000円も同時に廃止されて、残るは休日特別割引(50%Off)だけ。
東日本大地震の復興資金という名目はあるにせよ、なんやこのしりきれトンボ感は?といったところです。
私がよく走る高速道路では、京都丹波道路の沓掛~丹波、そして舞鶴若狭道の吉川ジャンクション~小浜西。このふたつが無料の区間でした。
さっきから国交省のデータを見ています。全国50箇所の無料化社会実験区間について、2010年6月28日~12月31日の交通量増加をまとめたものです。(http://www.mlit.go.jp/common/000133358.pdf)
舞鶴若狭道の増加率は実験区間50箇所のなかでも10位以内に入るほどでした。
平日:2400台/日→8100台/日(338%)
休日:3700台/日→11300台/日(305%)
平日+休日の平均:2700台→9100台(337%)
無料化以降の舞鶴若狭道路では車間距離が一気に狭くなりました。本線への合流でも危なっかしいケースを経験しました。荒くれドライバーがケツにぴったりくっついてうっとうしいので思い切りブレーキを踏んでやったこともあります。そうした実感によく見合った統計結果です。
昨年の京都新聞によりますと、舞鶴のとれとれセンターは無料化以降に客が増えて売り上げが2割増になったといいます。天橋立も夏を主体に、14%でしたか、観光客数が増えました。いっぽう、KTR(北近畿丹後鉄道)は夏の輸送人員が1.4%減ったそうです。
国交省のデータに戻りまして、京丹波道路です。こちら増加率では平均以下ですが、増加台数でみれば実は50区間中の第1位です。
平日:20700台/日→38000台/日(184%)
休日:24800台/日→42400台/日(171%)
平日+休日の平均:21900台→39400台(180%)
無料化後の京都丹波道路ではたしかに一気に車が増えました。新しいバイパスが一本できたくらいの無料化効果を感じていました。それと同時に、一般道の走りにくさが高速道路にそのまま持ち込まれたデメリットも感じていました。NEXCOに勤務する知り合いの言葉を借りれば、「ホテルが公民館になったらどうなる?雪駄履きの奴は来るわ、ニッカボッカの奴は来るわ」といった現象です。無料でもホテルはホテルか。無料になったら公民館でええのか。
しかも、京都丹波道路は無料化後の渋滞発生率でも群を抜いてのトップでした。観察期間180日のうち渋滞が発生した日数は172日もありました。渋滞の場所は、みなさんごぞんじのように沓掛出口です。
「いやいや、怒ったらあかん。渋滞くらい我慢しとこ。自分も定年後は高速道路が無料のほうがええ。怒ったらあかん、怒ったらあかん」
渋滞にイライラしながら、いつも自分にそう言い聞かせていました。
で、いまこれを書きながらですが、高速道路無料化社会実験を全国一律でやめてしまう必要性があるのかという疑問がわいてきました。
国交省の報道発表資料「平成22年高速道路無料化社会実験(平成22年6月25日)」を見てみます。(http://www.mlit.go.jp/common/000116387.pdf)
その資料では、①流通コスト軽減 ②観光振興 ③一般道の渋滞緩和のみっつが期待される効果だとされています。
①については京阪神~舞鶴港の物流コストが試算の実例として挙げられています。③については京丹波道路に並行する国道9号線の亀岡市内が実例として挙げられ、渋滞解消効果が期待できるとされています。
でも、たった1年あまりの実験ではほんまのとこは何もわからないのではないでしょうか。交通量増減や渋滞発生の量的な観察経過は公表されていますが、上記①②③について質的な観察経過は公表されていません。実験継続地域を残しておいて検証を続けることもできないのでしょうか。高速道路無料化が本当に社会のためになるのかどうかを知りたいし、効用の有無を国民に明らかにする責任が政府にはあるはずです。
社会のためになるといって始めた実験なんだからいっぺんに全部やめるなよ。震災復興でなんでも話を通すなよ。
そう思います。
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