ほのぼの屋は海の見える本格フレンチ・レストラン |
吹き抜けで広々 |
入り口はこんな感じ |
私が小学生時代、長嶋茂雄選手の最盛期だった。投手の配球を読むのではなくて、来た球を打つのが長嶋茂雄だった。それでヒットが生まれ、ホームランが生まれた。
今回のフレンチ・レストラン「ほのぼの屋」が、まさに来た球を打つかのごとくだった。おいしいかどうかを知るために他人のブログを探るでもなく、「ほのぼの屋」というレストランが舞鶴市の日本板硝子工場近くにあるという話だけで場所の下見に出かけた。
現地に立って木立越しに海を眺めるロケーションがすっかり気に入り、翌日に日曜日のランチを予約した。そして、予約当日、来た球を打った。打球は快音を響かせライナーで三遊間を抜けていった。
しかし、その快打は私の打力ではなくて店の打力だった。
いまインターネットをいろいろ調べてほのぼの屋を高く評価する人が多いことを知った。そして、店のホームページを見てシェフの略歴を読めば、
料理長 糸井 和夫
1947年生まれ
料理専門学校卒業後「志摩観光ホテル」入社
1974年南フランスで修行 志摩観光ホテル副料理長
1985年フランス料理店「ミレイユ」開店 オーナーシェフ
2005年6月「ミレイユ」を閉店(ほのぼの屋赴任の為)
2005年7月「Cafe Restaurant ほのぼの屋」料理長として着任
1947年生まれ
料理専門学校卒業後「志摩観光ホテル」入社
1974年南フランスで修行 志摩観光ホテル副料理長
1985年フランス料理店「ミレイユ」開店 オーナーシェフ
2005年6月「ミレイユ」を閉店(ほのぼの屋赴任の為)
2005年7月「Cafe Restaurant ほのぼの屋」料理長として着任
と書いてある。
志摩観光ホテルといえば「華麗なる一族」だ。万俵家一族が正月恒例の行事として志摩観光ホテルのレストランで豪華なフランス料理を愉しむ。格式のないレストランではその設定も成り立たない。そこの副料理長を務めた人が厨房にいたのだ。
快晴だった。
レストランから眺める海があまりに気持ちいいので、ランチを奮発してしまった。
1800円のAコースか2500円のBコースで済ませておくつもりだったのに、こんな日にこの店でそれではもったいない気がした。4000円のCコースに格上げして、伊勢志摩産の的矢(まとや)生ガキ1000円も注文した。
レストランから眺める海があまりに気持ちいいので、ランチを奮発してしまった。
1800円のAコースか2500円のBコースで済ませておくつもりだったのに、こんな日にこの店でそれではもったいない気がした。4000円のCコースに格上げして、伊勢志摩産の的矢(まとや)生ガキ1000円も注文した。
まずは生ガキが運ばれてきた。たっぷりの氷の上に一人前3個。細かく刻んだエシャロットと赤ワインビネガーだろうか、酸っぱいソースがカキの味をさらに引き立てる。シャブリ、シャブリ。 でも、運転がある。キリっとしたシャブリも飲めればもっと幸せだっただろう。
続いてシェフ特製オードブル。色どりの美しさ。ダーク・ブルーのテーブルクロスとまっ白い皿だから、余計に食材の色が映える。
次はシェフ特製スープ。イセエビのクリームスープ。こってり濃厚なエビの味。エビの頭部をペーストにして使ってあるのだと思う。かっぱエビせんにたとえたらシェフに失礼だが、やめられない・とまらないだった。
福知山市の「竹下」も、次から次へと炭火焼一辺倒ではなくて、こういうステーキを食べさせてくれないものだろうか。竹下の客すべてがギャル曽根ではないのだから、メインディッシュの一品にとびきりの高級牛肉というコースがあってもよさそうな気がする。その点では、豊岡市の「あい子」がいい。
メインディッシュに肉を選ばず魚介の取り合わせにすれば、こちらの写真。味付けはバルサミコ、ビネガー、オリーブオイルが主体。魚介の旨みをダシにするというのではなくて、旨みを閉じ込めたままの魚介をサラダ風に取り合わせてある。
デザート |
料理はおいしいが、「今日の魚介の取り合わせは何ですか?」と店の男性従業員に尋ねたときの受け答えがよくなかった。
返ってきた答は、「魚介の取り合わせです」。メインディッシュの食材くらい覚えておくべきだ。嫌いなものが入っているかどうかを知りたい客もいるはずだから。
この男性従業員は、「向こうのテーブルが飲んでいる赤い飲み物は何ですか?」と尋ねたときも変な答え方だった。
「赤いのは赤ワインです」
赤ワインならわかる。こちらがもう一度説明しなおして、やっと「ブラッドオレンジです」という答に行き着いた。
薪ストーブがある。パイプが天井まで伸びている。その右に どこかの金持ちがエルメスのパーキンを置き去りにしていた |
ところで、ほのぼの屋というのはフレンチ・レストランだけの名称ではないようだ。
上の写真にあるように、ほのぼの屋という名称の障害者地域生活支援センターが多角的に障害者支援活動を実践していて、その一環としてフレンチ・レスチランも経営している。
言葉を変えれば、障害者に仕事の機会を提供するための本格的フレンチレストランということになる(とはいえ、この味、この値段、この景色。障害者支援もさながら、食いしんぼ支援の役割も充分だ。1999年のドン・ペリニョンが18000円には「飲まなきゃ損」の欲張り根性が騒いだ。だって、市販価格でも12000円はする1999年のドン・ペリがこの料理で飲めるのだから)。
フレンチ・レストランが障害者の自立支援にどう活用されているかは、以下のリンクで詳しくレポートされている。
店を出たら海を望む方向にテラスがある。
灰皿を見つけてタバコを吸いながらもう一度海を眺めた。
この心やさしいレストランから自衛隊の艦艇が見えるのはなんとも無様なので、その方角からは目をそらした。(12月6日追記:日米合同演習でやってきた米国イージス艦だったかも)。
クレインブリッジを望む |
店から見る海と空に未練を残しながら、満足の二文字を腹と心に詰め込んで店をあとにした。
ほのぼの屋の値段はメニューに書かれた通り。消費税もサービス料も含んだ価格表示だった。
本格的でありながらもリーズナブルな価格。また来たくなる場所。店の狙いがみごとに実現されていた。
こんなオシャレな障害者自立支援策が実在することにも驚いた。
四方八方みんなを幸せにしてくれる店はめったにない。
ほのぼの屋の値段はメニューに書かれた通り。消費税もサービス料も含んだ価格表示だった。
本格的でありながらもリーズナブルな価格。また来たくなる場所。店の狙いがみごとに実現されていた。
こんなオシャレな障害者自立支援策が実在することにも驚いた。
四方八方みんなを幸せにしてくれる店はめったにない。
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