丹後の魅力はさまざまだが、レトロというのもひとつのキーワードにちがいない。道を往けば古いものが古いままで残っている。与謝野町加悦の「縮緬街道」はその代表格だといえる。
地形に沿って上ったり下ったりしながらときおり方向を変える道筋。その道筋の家並みは、主に明治から昭和初期のもので、なかに江戸時代も混じる。
「ちりめんかいどう、ちりめんかいどう」。言葉の響きのよさに心を惹かれつつ歩く。
私の紹介はいたって気まぐれで、自分が「お!」と思った内容しかお伝えできない。そこで、客観性を期して、以下のリンクをたどっていただければありがたい。
★ のんびりマップ-ちりめん街道
★ 機織りはタンゴのリズム
★ ちりめん街道まるごとミュージアム(動画)
★ ちりめん街道
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福知山インターから大江山を越えて加悦の里へ
福知山市雲原あたりのイチョウ |
福知山市と与謝野町の間には大江山が横たわる。国道176号線で大江山を越えて与謝野町へと下りる。福知山インターからの経路を掲載したいが、Google Mapをブログにうまく挿入することができない。
与謝野町と福知山市の境は与謝峠の与謝トンネル。その与謝トンネルに向かう手前でこの黄色い家が見える。周りがすべて地味な山村風景だけにいやでも目立つ。
興味をそそられて家のそばまで近寄ると、何か特別な目的で建てられた家らしく、常に人が住んでいるわけではないことがわかる。そして、板でできた表札(右の写真)。どう読みますか?って、誰が読んでもまずはウンコ荘じゃないのだろうか。
与謝トンネルを抜けると加悦の里が眼下に広がる。そこがパラグライダーの滑走地点になっている。土日にはスクールが開催されている。「やってみませんか、気持ちいいですよ」と誘ってもらった。
峠道を下りて道が平坦に変わるところに喫茶店「もっく」の看板が見える。そこが国道176号線から左斜めへとそれて旧道へ入るポイント。そのまま国道176号線をまっすぐ走って縮緬街道を目指すこともできる。けれども、旧道の情緒がちょうど縮緬街道への序奏となることを思うと、「もっく」で斜め左へ向かうほうがいい。
喫茶店「もっこ」から走ること約5分。縮緬街道の分岐点はわかりにくい。この小さな石の標識があるにはあるが、車を運転していれば見落とす。そこで、ランドマークは、下の写真、「ヘアーサロンすぎもと」だ。要するに、信号なしの交差点で斜め方向に左へそれていく場所。そのような分岐は他にないので、そこに至ったらヘアーサロンすぎもとを確認して左へ行ってみることだ。
縮緬街道へ入る
選んだ道が正しければこんな見かけの旧家が現れ始める。縮緬街道の景色が始まったことを知る。運転席からの景観は右の写真のような感じ。決して広い道ではない。
縮緬街道が賑やかだった時代、京都と加悦を結ぶ道はこれ一本だった。福知山を経由して3日を要したそうだ。その不利を克服すべく、電信設備が取り入れられ、加悦鉄道も敷設された。
それぞれの家の玄関は道から少し距離を置いて引っ込んでいる。積雪を見越しての建て方で、玄関を出てすぐ公道の積雪に踏み入れるようではなにかと不便だからだ。道筋のほとんどの家は横に長い。
このような由緒ありげなお屋敷にも出会う。それらはたいてい街道を代表する建物で、「なんとか家」などと呼び名がつけられ、その呼び名が玄関や塀に表示されている。
伊藤内科医院
やがて内科小児科伊藤医院が見えてくる。縮緬街道を代表する建造物のひとつ。白い建物なのですぐにわかる。
大正6年頃に建てられた木造の洋館。加悦としては初の西洋医学診療所だった。直系子孫の当代伊藤先生は加悦の別の場所で開業されていて患者さんも多い。私もごくたまに面談させてもらう先生だ。
伊藤医院の玄関扉上部には、健康と医学を象徴するレリーフが彫られている。
川島酒造の酒蔵とちりめん茶屋
川嶋酒造の酒蔵跡を活用して、土曜、日曜、祝日限定のカフェ「ちりめん茶屋」が営まれる。酒蔵の喫茶店は地元青年会議所メンバーの発案だと聞いた。
ちりめん茶屋は下の写真。ジャズが流れている。ゆっくりくつろぎたかったのだが、ポケットを探ったら金がなかった。車に忘れてきていた。
寺社の多さに驚く
愛宕神社。階段を数えながら本殿まで登ったら140段あった。階段の上がり口から後ろを振り向けば、大江山方向にこんな景色(下の写真)が見えた。
縮緬街道には寺社が多い。ここに掲げた写真はすべて別の寺や神社だ。寺があれば必ずその隣に神社がある。いずれの寺も神社も山裾に位置するから、階段を登らないことには山門や鳥居を眺めているだけに終わる。なかでも天満宮の階段はとくに長かった。
そして、まったくレトロではないこの神社。出雲大社巌分祠(後藤神社)という。周辺のレトロをあざ笑うかのよう。縮緬街道にまったく似つかわしくない風景だ。この神社の看板はひときわ大きいが、出向いてみたところでこんな神殿があるだけだ。
気の向くままに民家を撮影
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