琴滝参道の始まりは光のトンネル
掲載する写真に迷っている。どれもこれも美しくて・・・なにせ55万球。55万球のLEDによるライトアップだ。
琴滝から流れ出す谷川も青色LEDで覆われている。
竹を籠状に組み上げて、そこに電球を這わせてある。
冬ほたる2010(ホームページはこちら)。京都府船井郡京丹波町の琴滝(玉雲寺)の参道が光のステージに変身する。
街中のイルミネーションと異なるのは、夜そのもの、いいかえれば真の暗闇に施される電飾だという点。写真を見ていただければわかると思うが、電飾の背景はいずれも暗闇だ。夜の暗さ以外に余計なものは何もない。漆黒ゆえに、白色LEDと青色LEDだけのシンプルな電飾が冴えわたる。
琴滝への山道がこのように飾られている
圧巻は、琴滝(高さ43mの自然滝。岩肌を水が流れ落ちている)のイルミネーション。滝の落ち口から滝壷まで、1本50mの電飾が13本も張られている。電球数は合計2万球。下の写真だ。13本は琴の弦を表している。琴の弦の背後を水が落ちているが見えるだろうか。滝壺に電飾が映る。「人と夜景モードにしろ」とか言いながら記念撮影をする人。携帯では上手に撮れないと嘆く人。
琴滝(43m)に架けられた50m長の電飾13本
「すみません、シャッターお願いできますか」
あるカップルに頼まれた。
ロマンチックなイルミネーションを背景に二人の上半身を配置した。
「別れたらあかんぞ」
その気持ちでシャッターを押した。別れた後、こういう写真がいちばん始末にわるい。
カフェもあった。零下2度まで下がったこの夜、かじかんだ指を熱いコーヒーでなんとかしたい。
カフェ琴滝。熱いコーヒーが待っている
カフェを開いているのは、NPO丹波みらい研究会のメンバー。このNPOが冬ほたるの主催者でもある。メンバー数わずかに22名。10月以降、土曜、日曜を利用して55万球の飾り付けを自力でやってきた。光華女子大のボランティアグループが手伝いに来てくれたこともあった。
冬ほたるに要する費用は1200万円。業者を雇わずにすべてボランティアでやるから低いコストで済んでいる。
「みなさん、本職もあるでしょうに」
「倒産しそうや」
「お寺を説得するのたいへんだったでしょう?」
「いや、ここは、須知(しゅうち)の地区で地区管理になってますから、お寺の説得はなかったんですよ」
今年からは入場料が500円。去年までは形ばかりの駐車場代だけだったが、今年からは駐車場を無料化して入場料を集めることにした。京都縦貫道の沓掛~丹波口が無料化されたのが幸いしたのか入場者数が増加し、1200万円のうち1050万円までは入場料で回収できる見込みだそうだ。今年はテレビや新聞でも話題に取り上げられ、それも入場者増につながったという。
町を元気にしたいというモチベーションでここまでのことをやってしまうみらい研究会に頭が下がる思いだった。冬ほたるという名前に反して、こめられた思いは熱い。
残念ながら今年は12月24日で冬ほたるは終了。来年は、どうかみなさんお出かけください。
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