2011-01-23

パスタR 安さに驚愕 ?! アールイン福知山1階

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この日のランチ。A,B,Cに加えてDというのがあった。メインはパスタではなくて、酸味がおいしい野菜プレート。

 1月17日の記事で、パスタRをレポートしました。イタリアン・レストランでランチを食べて1000円でおつりがきたのは久しぶりだと書きました。
 ところが、ところが、です。今回、ものおじしないビビアンを連れて行って、彼女を矢面に立てて店とさらに深く話し込みましたところ、1000円でおつりがきまくるメニュー揃いだということが判明しました(王将のメニュー見てるのかと思いましたよ)。












 これはすぐにブログにしてみなさんのよりよい生活のお役に立たねばならん。べつに舞鶴市長にも福知山市長にも出馬予定はありませんが、その気持ちでいっぱいです。

 なんちゅうか、シェフの心意気がええですわ。
 惚れました。
 シェフは栗林さんといいます。
 そう、そうですよ、まさこさん(誰やねん?)、綾部のアスパ隣のビルでプルチネッラをやっていた、あの栗林さんです。どこ消えたかと思ってたでしょう。

DSC00675 プルチネッラを閉めた栗林さんは、ほんまに自分のやりたい店をやろうと一念発起しました。それが綾部のめちゃ田舎、物部。わずか15席の小さなレストラン。もう建築にも着手し、開店までそれほど時間もかからないとこまできていました。そのときなの、もしもしこちらで仕事があると、ロイヤルヒルから声がしたの、アアンアん、アアンアアンアン、だったのです。一念発起はひとまずさておきで、パスタRのために一肌脱ぐことと相成りました。
 栗林さん、会話の随所で、「所詮は食い物ですから」というフレーズが出てきます。もったいぶってサーブするもんでもなければ、もの知り顔で食べるもんでもない。とてもおいしいものをとても気楽に。これが目指すところだそうです。言葉を変えるとさりげなさかもしれません。
 たとえば、メニューのなかに揚げピッツアというのがあります。栗林さんがイタリア修行時代、フィレンッェからナポリに移ったときのことです。この揚げピッツアはジャンクフードの一種として街の人々に親しまれ、食べ歩き用定番メニューだったといいます。
DSC00667 そんな一品だから、石窯のピッツアみたいにメニューに大書されるような性格ではない。けれども、けっこう珍しい存在ですし、調理にはけっこう手間も技も必要。そのギャップのおもしろさをそのまま表すかのごとく、パスタRのメニューの真ん中あたりの余白、まるで書き忘れたかのように「揚げピッツア」の名前があります。今日ちょっとやってみたのがありますと、まるで小さな揚げギョーザみたいなのを試食させてもらいました。皮で包まれたのは豆の餡子。おいしいぞ~。
 けれども、おいしいからといって、珍しいからといって、本来以上の価値をねつ造するのは自分の流儀ではない。「所詮は食い物ですから」というフレーズにはそんな意味も含まれているのではないかと思いました。

DSC00674 とはいえ、よりおいしいものをより安く提供するためには食材のコストを抑える必要があります。これも栗林さんの手にかかりますと、自然流というのか、無理がありません。まずは福知山という立地があります。丹後の魚介、丹波の野菜と肉。クオリティーが高い食材を地産地消できる環境です。そして、大好きなVespa(イタリア製のスクーター)愛好仲間のネットワークをはじめ、これまでの人間関係。それを通じていいものを安く仕入れることができるといいます。
 パスタRで実際にサーブしたディナーコースのメニューを見せてもらいました。かたほうが3000円で、もうかたほうが3500円。ほんとにこの値段だったんですか?の内容です。栗林シェフのなかで「やっぱり安くなくては」のサービス精神が躍動しています。

 話しこみすぎて、栗林さんの写真を忘れました。ビビアンも撮ってないよね?
 まあ、とにかく、財布にやさしいイタリアン・レストランが生まれてくれたものです。
 従業員の女性たちはみなイタリア料理初心者だそうです。でも、変に緊張もしないで、とてもフレンドリーに接客してくれます。パティシエ在籍とのことでしたので、ランチのひと口サイズドルチェだけではなくて普通サイズも食べてみたいもんです。


小さなトリビア
①アールインに宿泊して朝食を食べると、パスタRの和食メニューもあるそうです(1月24日、実際に食べてみました。セルフといいながら、セルフを便利にしていない無神経さ。白いごはんはめちゃまずいし、内容的にも500円の価値なし、でした)
②パスタRのこの値段は、宿泊客狙いの意図も含まれています。出張の夕飯に2000円から3000円。許容範囲ではないかと思います。
③3月3日開業予定のサンルート福知山ですが、いまのところレストラン不在の模様です。入店予定だった店が計画を取り下げたとか。しかし、ビジネスホテルで朝食なしというわけにはいかんでしょう。



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話はちがいますが、すっかりさびれた感のあるヴッチリア・ダ・カテラ。栗林シェフの自転車の師匠だそうですが、商いの方針はパスタRの対極にあるように思えます。

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