私は医薬品業界に身を置いていますが、この業界、宿泊型営業マンが京都府北部で300人くらいはいると思います。我々の場合は連泊ですから、舞鶴市や福知山市のホテルにとって無視し得ないターゲット。連泊予約を確保したいお客さんです。ホテルを利用する私たちの側からいえば、どれだけ快適に連泊できるかがホテル選びのキーポイントになります。
今年3月にホテルサンルートが福知山駅北口に開業ーーーということで、サンルートの営業の方がうちの事務所にやってきました。
写真は工事が進むホテルサンルートです。ホテルのホームページはhttp://www.sunroute.jp/HotelInfo/hfcy/HotelInfohfcyHL.html
サンルート側からの提案は、法人契約を結びませんか?というものでした。
法人契約を結べば、7600円のシングルルームが6400円の優待料金になるといいます。
「6400円なんてそれほど安くないですよ。アールインが6500円ですからね」
「いや、うちのホテルは新しい部屋ですから。新しい部屋がこの値段ですから」
「でも、どうして法人契約が必要なんですか。他のホテルは個人で会員になるとか、アールインならリピーターであるとか、それだけで6000円台の値段になるんですよ」
そんなやりとりがありました。
ホテルサンルート福知山の宿泊料金体系
私ならこんな営業はしません。サンルートの魅力は次の4点だから、まずはこれで押します。
①部屋の広さはアールインと同等以上で15平方メートルあります。ベッドもダブルサイズですよ
②加湿機能つき空気清浄機がすべての部屋についてますから、エアコンで喉が痛くなりませんよ
③部屋の照明が明るいですよ。書類を見たりパソコンしたりを考えてますから
④浴槽の湯温調節がやりやすくなってます。アールインは湯を出すたびに温度調節が必要でえらく不便でしょ
とくに②と③に関しては、ビジネス目的で連泊する誰もが望む条件だと思います。そして、このふたつの条件を兼ね備えているホテルは、いまのところ私の営業テリトリーには見当たりません。
ただし、宿泊料については、どこの医薬品メーカーに勤めているかによってメリットの度合いが違ってきます。
私の会社ですと、社員の宿泊料は1泊8000円~9000円と決まっています。いくらの部屋に泊まったかにはかかわらず、この定額が支払われます。
快適に泊まりたくてツインルームのシングルユースでも選ぼうものなら、8000円や9000円では無理ですので、会社が決めた金額を容易にオーバーします。オーバーした分は本人の自腹です。
逆に、泊まった部屋が安ければ、会社の決めた金額との差額が本人のものになります。といってもテント生活はあきません。だって、領収証がないと会社に請求できないから。
いっぽう、宿泊代を定額にはせず、実費連動で精算させる会社も増えてきました。もちろん上限の金額はあるでしょうが、それが5000円や6000円といったことはありません。
そこで、たとえば、東舞鶴のホテルアルスタインのツインルームをひとりで利用すると会員価格で9476円です。ツインのシングルユースで毎日ゆったり過ごしたとしても、9476円がその会社の上限を超えなければ、社員の自腹分は発生しません。
その反面、その日はたまたまホテル新都みたいな貧乏ホテルしか空いてなくて4500円程度の宿泊代で済んだとします。それでも会社で精算できるのはその安い費用だけです。
実費精算方式では、自腹もないかわりに、宿泊代を浮かせて飲み代にすることもできません。
実費精算方式への移行は武田薬品とかアステラス製薬といった大手メーカーを中心とした流れですので、次第に中小メーカーの多くが大手のやり方を真似ていきます。
こうなると、安いホテルで我慢して宿泊代を浮かすという錬金術が昔話に変わってきます。安いホテルに宿泊したら会社は喜ぶけれど自分の得はない。それならば会社が許す上限ぎりぎりでなるべく高くて快適な部屋に泊まろう。疲れもとれるし。これが人情というものです。
で、そうなりますと、安さをウリにしていたホテルは魅力を失うことになります。舞鶴市のアマービレ(ホテルのサイトへリンク)は医薬品メーカーへの依存度も低くなかっただけに、新たな手を考え出しました。それが、お買い物券つきプランです。クオカードと宿泊代がセット料金になっています。
クオカード付きお得プラン1000
●1000円分付き 7,700円
クオカード付きお得プラン2000
●2000円分付き 8,700円このプランでホテルから発行される領収証は7700円とか8700円ですが、ホテルの支払い明細書にクオカード付きお得プランなどと表示されることはありません。だから、会社もそんなプランだとは知りません。宿泊者本人は、買い物券ではありますが、1000円とか2000円を手にすることになります。
ホテルサンルートも、これくらいのことは勉強した上で製薬メーカーの宿泊客開拓に回っていただきたいものです。
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