田舎町にもおいしいランチ。今回は、BAR Cum grano salis(バール クングラーノサリ)。
福知山イタリアン戦争。そう呼んでもいいかな。正確には福知山イタリアン・ランチ客争奪戦かもしれない。
福知山市内にイタリアン・レストランは多い。このブログで記事にしただけでも6軒。他に、場所さえ知らない店も含めてさらに何軒かある。
新しくできたBAR Cum grano salis
午後1時10分、店の駐車場はまだ満杯
それに加えて、ジャスコ直下のかしの木台に、「BAR Cum grano salis(バール クン グラーノ サリ)」が、12月からオープンしている。年が明けて1月3日には、「パスタR」がアールイン福知山ホテル1階で営業を始めた。同じ場所にあった「ラ・トラビアータ」が閉店したかわりに、まったく別の店として「パスタR」が誕生した。
で、この軒数、さっき計算したら、人口7千人弱に1軒くらいの割合だ。ニンニクを炒めるオリーブオイルの匂いが福知山のシンボルになる日も遠くない。そしたら俺はフクチヤマーナ・マサハリーノか。
閑話休題。
本日は、その新顔のなかのひとつ「BAR Cum grano salis」でおいしいのを食べてきた。所在地はかしの木台と紹介したほうがなんとなくイメージがいいのだが、厳密には岩井新町。かしの木であってないような位置どり。ただしジャスコにはかしの木台のどの世帯よりも近い。福知山駅からジャスコバスで店に行くことも可能だ。まもなくニトリも開業する。
クン グラーノ サリという店名はラテン語で「ひと粒の塩」という意味。頭につけられたBAR(バール)は店の形態を表す言葉だ。説明を聞いてみて、ダイニングで言い表される形態に近いのかなという印象だった。
BAR Cum grano salis
電話 0773-24-5067
営業時間 昼11:30~14:00(ラスト・オーダー)
夜17:30~21:00(ラスト・オーダー)
定休日 不定休
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この「BAR Cum grano salis」、ひとことでいえばユニーク。なにがユニークかといえば、メニューの中味がユニーク。他の店では見たことのない料理名が並んでいる。普段は魚料理が少ない点もこれまたユニーク。使うのなら伊根の魚介というのがシェフの方針だが、小型トラックで伊根から魚を売りにくるのが月曜日と木曜日のみ。それもあったりなかったりで、いい魚介が手に入ったときなら魚のメニューが増えるのだという。
もうひとつユニークなのは、食べてみたい料理を客がリクエストできる点。雑誌などで紹介された料理でこれはというものがあればどうぞお申し付けくださいとのこと。食材があるかぎり対応してもらえるそうだ。
ユニークなメニューのなかでも、「ハンガリーの食べられる国宝」と銘打たれた豚肉がとりわけおもしろい。シェフに尋ねたら、ハンガリー原産で長毛、しかもカーリーヘアーの豚だという。「マンガリッツア豚」で検索してみるとこんな画像が出てくる。とてもかわいい風貌のブタさんだ。
かわいい風貌ではオーナー・シェフ平田さんもマンガリッツア豚に負けていない。大江のレストラン「オズ」の4代目シェフとして活躍後、「BAR Cum grano salis」を開店した。奥さんと二人でやっていると聞いたが、他に男性スタッフもいた。「オズ」のシェフ出身といえば「サリーズ・キッチン・マーガ」の池田さんがすぐ頭に浮かぶ。池田さんは初代シェフだったので、こちらのシェフとは交流がない。
大江のウエディングレストラン「OZ(オズ)」へのリンクはこちら→http://ciao-web.jp/modules/web_shop/index.php/0773560896.html
今日はランチを食べた。いや、驚いた。ランチなのに、店内係の人が料理の説明をきちんとしてくれる。あちこちのテーブルで同じことを何度も言うのはたいへんだろう。けれども、その労苦に見合う内容だった。
ランチにはA、B、Cの3コースがある。
Aはシンプルな構成で、あまり腹ペコではない客向け。デザートがないことに加えて、パスタを自分で選べないという制約もある。
Bにはデザートがついてくる。パスタも、本日のパスタのなかから選択できる。店自家製のデザートがおいしいから、Aで我慢するよりBでいったほうがいいと思う。
Cには、さらに一品がつく。今日は丹波篠山のイノシシのスペアリブだった。やっと1キロやせたばかりだけどちょっとだけならイノシシを食べたいなあとビビアンが言う。目を覗き込めば「ゼッタイに」と語っている。そんなわけで、ランチのコースは、おさちゅんがC、ビビアンがBになった。
前菜。上がCコースで、下がBコース。両方ともイタリアンオムレツを中心に据えているが、Bコースのほうが品数が多く、カブやエビネイモが加わっていた。
パスタ。上がジェノベーゼと松の実。皿に散らばったおろしチーズで味が一気に開花する。下がカラスミをきかせたオイル系。こちらのおいしさは海そのものなので、おそらく好き好きがあると思う。
これが丹波篠山のイノシシ、スペアリブ・ステーキ。店の常連さんから特別に分けてもらった。すごい厚さと噛みごたえ。肉が美味いというよりも、ソースとの組み合わせが美味い。このソース、煮詰めたバルサミコがベースになっていて、ハチミツのように甘い。バルサミコもよく煮詰める(1リットルを400ccくらいまで)と甘さが一気に引き立つので家庭でもおすすめのやり方だとシェフが教えてくれた。熟成20年とか30年とかの高級品は煮詰めたらもったいないですよということだった。
デザート。名前を忘れたらあかんやないか。でも、忘れた。おいしいことだけ覚えている。シュガーを散らして雪を表現。コーヒーはエスプレッソでなくても濃い目。
窓辺を見渡すと、ワインの空ボトルがすらりと並んでいる。ワインリストを見せてもらったビビアンは品揃えの豊富さに舌を巻いていた。「D.O.C.でも3500円で飲めるんですか」とか言っていたが、それもワイン業界円高還元ブームのおかげだろうか。
「BAR Cum grano salis」、店舗自体は狭くないが、テーブルの数が多いのでゆったり感はない。2人席の比率が高いのは、客の人数に合わせてテーブルをくっつけたり離したりしやすいからだろう。
この季節、コートをかけておく場所がないのは不便だ。椅子の背もたれと腰に挟まれてコートがぐしゃっとつぶれている光景はなんとも大衆食堂っぽい。客の知恵としては、車内にコートを置いて入店するのがよい。さらに、テーブル用バッグハンガー(写真)を持参すると便利だと思えた。
店の横にある空き地(未舗装)にも車を置いてかまわない。向かいの歌謡教室にくる年配女性たちの運転がとても下手。歌謡教室の講師や生徒の一部には、歌の教室に関係ない人たちは邪魔といった感情もある。小さな交通事故や無用のいさかいに注意しよう。
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