福知山城のモミジも色づいてきました。
「今年も、新そばの季節です。顔を見せに寄って下さい。今年は、豊作です。味もいいです。お待ちしています」
わきもとの大将からそんなコメントをもらったので、新蕎麦目当てに出かけました。
ところが、残念。この日の新蕎麦は売り切れていました。
「売り切れかあ。それなら、新蕎麦でなくてもええわ。同じようなもんやろ」
いいや、そんなことはない、全然違うと大将が主張します。
そりゃそうです。蕎麦屋の大将が「その通り、たいして変わらん」とは言えません。
両丹日日というローカル紙に新蕎麦の広告を掲載した効果で客が増えたし、その日は新蕎麦の大盛りを注文する客もいたそうで、予測を超えて出てしまったのだそうです。新蕎麦目当てなら前もって予約しておくか、他の客よりも早めに店に入ったほうがよさそうです。
いつもの「だしまき定食」を頼みました。連れは、「日替わり定食(この日は海老フライ)」です。
わきもとの蕎麦がおいしい秘密がひとつわかりました。行動範囲が広がっていろいろな蕎麦を食べ、久々にわきもとに戻ってきました。そして、他店との違いに気づきました。
その秘密というのは、蕎麦一本ずつの長さです。よその蕎麦よりも短い気がします。実際に短いのかどうか、大将に確認するのを忘れてしまいました。
だから、ここでは、体感的にはよその店よりも短いと感じるとだけ言っておきます。
さばきやすい蕎麦とでもいうのか、箸でつまみ上げた蕎麦のひと束を口に運び、軽くひとすすり。それだけでつまみ上げた蕎麦の全部が口に収まります。ひとすすりしただけでは何本かが唇の外に残ってしまうといったことがありません。
ひょっとすると、長さの問題ではなくて、腰(弾力)が大切な要素なのかもしれません。
つまみ上げた蕎麦が苦労なく口に入るとなると、その量の蕎麦に対する最適なつゆの量を直感的に判断できます。濃い味が好きならドボンといけばいいし、蕎麦そのものを味わいたいのならチョコっとだけにしておけばいい。
私は不器用なのか、蕎麦とつゆのバランスを上手にコントロールできません。それだけに、その精度がおのずと高くなってくれる蕎麦は、食べやすいと同時においしく食べることのできる蕎麦です。
次は、新蕎麦の香りを楽しみながら、蕎麦のさばきやすさが長さに由来するのかどうかを大将に確認してみます。
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