土産店通りと神社の間の路地には、野良猫たちがいます。
人が通りかかりますと、餌をくれるのではないかと期待に満ちた顔つきでどこまでもついていきます。
こんな路地が、神社の垣根に沿って延びています。
はじめはこの猫を見ただけでした。モデルをお願いしまして、写真を数枚撮りました。
ところが、私が写真を撮っているうちに、妻お龍のそばには別の子猫が二匹。
お土産に買った糸切り餅の袋がバサバサと音を立てるんですね。餌をくれる人はだいたいがスーパーのレジ袋をバサバサいわせて餌を取り出すわけで、お龍のことを猫おばさんだと思い込んだみたいです。
あっというまに、いったいどこからやってきたのか、猫ちゃんがさらに数を増していきます。
みんな糸切り餅のレジ袋狙い。
お龍もお龍です。右肩が下がってるやないですか。わざと猫の気をひくためのぶら下げ方だと思いませんか。
そして、神社の駐車場に着いたら、もうこの通りです。
子猫たちをみんなまとめて家に連れて帰れたらどれほど幸せなことか。
そのうちに首輪をつけた猫、つまり、どこかの飼い猫まで出てきまして、お龍のあとをついていきます。おまえは餌もろてるやろ。
お伊勢参らばお多賀に参れ、お伊勢お多賀の子でござる。
「古事記」によりますと、多賀大社の祭神である伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)は夫婦。
この夫婦から伊勢神宮の祭神である天照大神をはじめ八百万(やおよろず)の神々が生まれたことになっています。
しかし、規模からいっても、知名度からいっても。集客力からいっても、多賀大社が伊勢神宮にかなうはずありません。その悔しさからか、「お伊勢お伊勢と威張るなお伊勢、お伊勢お多賀の子でござる」という風にも地元では唄われていました。
多賀大社の土産といえば何はともあれ糸切り餅。この日も餅を蒸す蒸気が立ち昇り、いつもの賑わいでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿