Pizzeria Caffe Rucolaという店名が言い表すようにピザ主体の店。かたやSala Suite Rucolaという店が京都市内にあります。両方の店名ロゴが同じ書体ですので、Rucolaというイタリアンの店がふたつのスタイルで商売をしているのだと思います。
妻お龍、水牛のモッツァレラにビックリ
定番です。カプレーゼです。
トマト、モッツァレラ・チーズ、バジル、オリーブ・オイルと胡椒、隠し味の塩分。
メニューには「水牛のモッツァレラ・チーズ使用」とわざわざ書いてあります。CASEIFICIO PONTICORVO S.p.A.(カセイフィーチョ ポンティコルボ社)の商品であることも分かるようになっています。下は、このメーカーを紹介するSAYU S.p.Aのサイトです。
スーパーの冷蔵食品売り場へ行きますと雪印、明治、北海道日高などのモッツァレラがよく売っています。あれは「白いだけ」といってもいいくらいの味気なさです。
私の妻お龍は、モッツァレラというのはどれも北海道製みたいな味だと思い込んでいました。だから、「水牛のはなかなか売ってないなあ」と言う私に対して、「探しとくよ」といった返事もありませんでした。
そのお龍が、このモッツァレラには驚きました。「後からミルクの味がくる。ふわーっとくる。甘い。コクもある。これが水牛なの?」と言っています。
「うまいやろ、エヘヘ」と言ってますうちに、口に入れようとしたトマトが床に落ちてしまいました。床は掃除が行き届いているみたいですし、他の客の様子をうかがいましてもこっちを見ていそうにはない。
「おとうさん、やめてね」
私が何をしようとしてるのか、お龍には分かっていました。拾って食うなというのです。
とにかく拾うだけは拾いました。拾ったトマトをテーブルの上の皿の端っこに置きました。あわよくば食ってやろう。
というのも、トマトがこれまたおいしかったのです。カプレーゼはトマトのおいしさもキーポイント。いい味のトマトでした。8切れしかないうちの1切れですから、食い損ね率12.5%にもなるじゃないですか。
水牛の乳は濃い
兵庫県三田市日向牧場のモッツァレラは、乳牛の乳で作るけれどもおいしいと聞きます。なかにそういう逸品もあるのでしょうが、一般的には水牛モッツァレラのほうがうんとおいしいということになっています。
まず、乳脂肪の含有率が異なるようです。
水牛の乳が乳脂肪率7~8%だそうです。
どこを見ましても乳牛の乳はこの半分くらいだと書いてあります。おそらくですが、牛の乳がモッツァレラ・チーズに変わったとき、乳脂肪濃度が味わいの相違を生み出すのではないでしょうか。
ところが、水牛の場合は、搾れる乳の量が少ない。
乳牛の5分の1程度だといいます。
逆に言えば、乳の量が少ないから乳脂肪率が高いんでしょうね。少ない乳の量で子牛の栄養を満たそうとするとする自然の仕組みでしょう。
チーズ通販のサイトでは、搾乳量の少なさを水牛モッツァレラの値段の説明材料としています。
水牛は乳の量が少ない→チーズの生産量が限られる→値段が高いという理屈です。
伊勢丹や大丸の地下食料品売り場ですと1300円くらいしますから、なかなか手が出ません。
インドは水牛王国
下の図を見ていただきますと、世界の水牛の56%までがインドで飼育されていることがわかります。その背景には貧農の問題なども横たわっているのですが、それは別として、引用元の論文は、インドにおいて水牛の乳がよく飲まれていることを報告しています。水牛、乳牛をとくに区別せず両者を混合して牛乳に製品化されるとも書いてあります。
であれば、本場インドでは、チャイ、ラッシーを水牛の乳で作っているのではないかという気がします。日本でも水牛の乳を使えるのなら、そのほうがおいしいのかもしれません。
そういえば、福知山市でカレー店の「ジャガタマハル」を経営するインド人ゴサインさんは、ラッシーの牛乳にこだわりを持っていました。業務スーパーの牛乳がいちばんおいしいラッシーになる、ジャスコはダメだと言ってました。
やはり牛乳によって仕上がりが違ってくるのです。
図は、「巨大な可能性を秘めたインドの酪農(国際情報審査役長谷川敦 国際情報審査役代理谷口清)」から引用。URLはhttp://lin.alic.go.jp/alic/month/fore/2006/may/spe-01.htm
レジーナとマルゲリータ
この夜の注文はモッツァレラで統一しました。
ピザはレジーナにしました。
「トマトとモッツァレラとバジルでしょ。マルゲリータと材料が同じなのに、どう違うの?」というお龍の問いかけ。
食べてみれば違いは明らかです。レジーナはチーズ味。マルゲリータはトマト味。
写真上がレジーナ。写真下がマルゲリータ。マルゲリータはこのRucolaで今年8月に食べたものです。
ふたつの名前を足しますとレジーナ・マルゲリータになります。
Regina Margheritaというのは1800年代に実在したイタリア王妃です。Regina Margheritaで検索してみますと、道路名、ホテル名、戦艦名、チーズ製造社名、ピザ職人協会名と、様々なところでレジーナ・マリゲリータという名前が用いられています。
ヒットするサイトはどれもイタリア語でして、文章の意味がまったくわかりません。
Regina Margherita王妃
ピザのマルゲリータのこともレジーナ・マルゲリータと呼ぶ店があるようです。
レディ・ガガやマドンナも通うとかのセラフィナN.Y.を見ますと、マルゲリータではなくてレジーナ・マルゲリータとなっています。
Rucolaの場合は、レジーナはレジーナ、マルゲリータはマルゲリータと、2種類のピザに分けています。
違いは、レジーナのほうは燻製モッツァレラが使ってある点です。そして、レジーナはチーズベースであり、マルゲリータはトマトベースです。
加えて、全体の分厚さも違いました。写真の通り、マルゲリータのほうが分厚い焼き上がりになっています。
私は、レジーナのほうが好きです。
RucolaのいろいろなピザはこちらのURLから見られます。(http://r.gnavi.co.jp/kadj000/menu3.html)
私たち夫婦はこの店が好き
こちらは、お龍が注文したサラダです。
こちらはデザートのカタラーナ(やっと名前を覚えたぞ)、そして店がオススメ巨峰のソルベです。
食べログでRucolaの口コミ15件を読みますと、全体的に不満がちな傾向にあることがうかがえます。
私はそれらの判定とは逆で、味も値段もこれでいいと思っています。
お龍も同じ意見です。
値段ですが、ピザ×1、野菜サラダ×1、カプレーゼ×1、デザート×2、ブラッドオレンジ×1、コーヒー×2。合計5000円くらいでした。
口コミのほとんどがランチタイムのセットを食べてみての評価です。ランチセットはいわばお任せですから、自分の好みを本当に反映した注文だとは言えません。食べログの口コミにはランチ主体の傾向があります。
お龍が感心していたのは、応対の感じよさです。尋ねたことにもこと細かに答えてもらえたと喜んでいました。
私たちの隣にはこの店の上得意らしき客3名がいて、なかでも年配の女性は外国で食べ歩きをしているくらいのグルメでした。
けれども、その客たちと私たち夫婦の間で応対の差はありません。同じだけの丁寧さで扱っていました。
違ったのは巨峰のソルベくらいなもんです。外国食べ歩きの年配女性は店のサービスで食べていました、「新しくやってみたんですけど、ちょっと試食をお願いできますか」ということでしたので、この女性の舌に店が信頼を置いているのでしょう。
福知山食べ歩きくらいでは、デザートの試食をお願いされませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿