アンティーク家具のエフペックを出てから、高島市の野鳥観察センターで昼ごはんにしました。
野鳥観察センターで昼ごはん?
はい、そうです。レストランHullというのがあります。以前に来たとき、お客の様子からおいしい食事ではないかと思えました。
しかも、琵琶湖に浮かぶ水鳥を眺めながらの食事です。
有機野菜のメニューに満足
ここの日替わりランチはビュッフェスタイルです。
主食のパスタと食後のドリンクだけはビュッフェとは別に種類を決めなくてはなりませんが、それ以外の献立は選びたいものを選んで食べたいだけ食べる方式です。
味はこの笑顔が語っています。手作り感満点以上の手作り料理です。
野菜好きの友達夫妻は有機野菜を使ったメニューに大満足です。
とくに、スープとカレーとデザートがおいしくて、彼らは食べ過ぎたほどです。
妻お龍は生姜のよく利いた野菜スープがとくに好みだったといいます。真似したくて作り方を尋ねたけれど、運んできた人がよく知らないのか、それともナイショなのか、生姜の味が女性に大人気といった程度の答しか返ってこなかったそうです。
P.S. ヤギもいますよ
お龍、ジョウビタキを見逃す
昼ごはんの後はセンター備え付けの望遠鏡で水鳥を眺めました。
ここのガイドさんは野鳥が大好きで、オルガンを語るときの嶋村さん同様、野鳥の話をし始めたら止まりません。止まらないのは、野鳥の一般的知識から琵琶湖の昨日や今日の様子まで、並外れた知見と経験を持っているからです。
「ジョウビタキも来てますねえ」とガイドさん。ジョウビタキが移動するたびに、いまどのあたりを見ればいいか丁寧に教えてくれます。
妻お龍だけがジョウビタキを見逃しました。
お龍は望遠鏡が苦手です。片目だけつぶるというのができません。そこで、ジョウビタキを見逃すものかと双眼鏡に持ち替えたまではよかった。ところが、双眼鏡を反対に覗いていたのです。
人と鳥の関わり方はいろいろ
友達夫妻の妻がちらちらと後ろを振り返りながら笑い始めました。
「どうしたん?」と尋ねると、「いまの男の人。聞いた?わしらが食べたんはこれや、マガモやて言うてたよ」とのことです。
野鳥観察センターへ来てわざわざそんな話をする男がおるんかいなと思っていましたら、たしかに話しています。剥製の前に立ってマガモを食べたときの話をしています。
「この頭がついてきたやんか。マガモをお造りで食べたときは」
「こんなとこでそんなこと言うたら、みんな怒らはるで」と、奥さんらしい女性は男性から離れていきました。
おもろいオッサンやなあ、顔をよう見たろと思って近づいていくと、その男性は私に言いました。
「20年前やで。いまはもう、そんなんあかんやろ」
マガモの頭というのは、これです。男性が指差していた剥製を写真にしました。光の加減で紫から緑まで妖しく色の変わるフェザー。人工的にはたやすく生み出せない美しさです。
これが大皿の真ん中にのっかってマガモのお造りが出てくるんですか・・・
その男性は、ガイドさんにもマガモを食べた話をしていました。ガイドさんによりますと、現在の琵琶湖は狩猟が禁じられているそうです。
「わしら、昔は食べたんやんか」と語る男性にガイドさんは言いました。
「いろんな関わり方がありますから」
人間の練れたガイドさんです。そして的を得た答え方です。
野鳥は観察されるためにいるのではない。保護されるためにいるのではない。人に食われるためにいるのではない。ある野鳥がそこになぜいるのかといえば、神の意志というより他ない。
ならば、鳥の何に価値を見出すかなんて、いずれも人間側の身勝手です。鳥は関わられたいとは望んでいません。放っておかれたい。
それを踏まえれば、ガイドさんの答以上のものはありませんよね。
ナフタリンを背負う鳥
友達夫妻は、剥製の上のナフタリンがやたらおかしかったようです。
「この鳥たち、1羽1個ずつナフタリン背負ってる」
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