週刊現代5月7日・14日合併号が原発の危険性を大特集しています。
そのなかにこんな記事もありました。
『釣りバカ日誌』と原子力発電所の関係。
あれ?なに?と思いますよね。
週間現代の表を撮影しました(2011年5月7・14合併号183頁)
ご承知のように、『釣りバカ日誌』第5作(1992年)では浜ちゃんが丹後半島にやってきました。滞在した民宿が伊根です。鈴木建設多角経営戦略の一環として丹後半島でのスッポン養殖を命じられた浜ちゃんでしたが、スッポンどうしが共食いしあって失敗に終わりました。
栗山監督は伊根のロケハンについてこう語っています。
福井や京都の原発はよく覚えているよ。京都には岸辺に古民家が立ち並ぶ、日本でもっとも美しい村のひとつといわれる伊根村だとかがあるんだけど、その伊根の向かい側に、原発が見えた。ロケハンをしているときに、その異様なほどのミスマッチに心底から仰天したよ。
伊根の舟屋 |
で、『釣りバカ日誌』の撮影地にはどうして原発のある町、原発に近い町が多いのか。この記事が想定する要因はふたつです。
ひとつは、映画の誘致活動を積極的に行おうとすれば多額の資金が必要だという点。原発マネーで裕福な自治体にはその資金を出す余裕があったのではないかという見方です。
それについて栗山監督は、「その辺の事情は、演出家の僕には分からない」と答えています。
そして、同じ発言のなか栗山監督は、ふたつめの要因を挙げています
それが前売り券の購買力です。
第7作(撮影地は福井県各地)のエンドロールには、関西電力、北陸電力、日本原子力発電株式会社の名前が協力企業として入っているといいます。それらの企業が前売り券をたくさん買ってくれたのだろうと栗山監督は推測しています。
栗山監督の言葉を聞き手の青木理さんは次のように受けています。
なるほど。映画会社としては前売り券が売れたほうがいいわけだから、有力企業がある自治体で撮影を行ったほうがいい。電力会社は「超」がつく有力企業だし、関連企業も含めて働く人が多いですからね。原発のある自治体を舞台に映画を作れば、電力会社が前売り券を買ってくれる---そんな見込みがあったのかもしれませんね。私の大好きな『釣りバカ日誌』にそんな裏事情があったんですねえ。電力会社は原発のイメージアップにはなんでも飛びつくといったことなんでしょう。そして、都合のわるい事実はどんどん隠蔽する。福島第一原発のようなシビアアクシデントに至ってさえもなおも隠し続ける。
虚偽で固められた原発の安全性とやらが津波によって洗いざらい剥ぎ取られた。残ったのは電力会社の醜い正体でしたねえ。
福井県若狭地方は別名原発銀座とも呼ばれるように、4箇所の原子力発電所で11基の発電機が稼動しています。福井県では1948年にM7.1の地震、丹後では1927年にM7.3の地震が起きています。原発が造られたのはこれよりはるか後のことですから、M7超の大地震に耐えうるかどうかの試練を体験していません。老朽化という点では福島第一原電以上です。今日の京都新聞が全国原発の非常用電源の実態を報じ、専門家がいずれもお粗末過ぎるとコメントしていました。なかでも敦賀原発の非常用電源はダントツの最低容量でした。
この記事と併せてこちらもよかったらお読みください⇒半径30km 高浜原発(福井県)
加悦町のカフェトレインでカレーを食べながらこの週刊現代を読みました。
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