2011-07-03

縄屋 5周年記念の特別料理

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縄屋の部屋から見える池に蛙が。水蓮の花はまだ蕾。
写真だけで一句になりそうな光景。

 縄屋も5年になりました。吉岡さんは37歳。見かけは歳をとってませんが、内側では年月が流れてるんですね。
 見るたびに変わっていくのは、今年3歳のなっちゃんだけです。今日は5周年でパパママが忙しいから、なっちゃんは奥さんのほうのおばあちゃんにあずけられています。


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吉岡夫妻。シャツは二人おそろいのブランドです。


 この5年間のうちに、縄屋はいろいろな雑誌で紹介されました。全国を対象にした雑誌が丹後半島の弥栄の店を取り上げても、情報としてさほど実用的ではありません。読み物としておもしろいだけの中味が縄屋にあるから編集者も頁を割きたくなるのではないか。私はそう思っています。





「水野真紀の魔法のレストラン」に出演している門上武司さんも縄屋を訪れました。そのときの様子が門上さんのブログ、「門上武司のおしいコラム」に掲載されています。縄屋が「魔法のレストラン」に出たら客が増えすぎて吉岡夫妻もてんてこまいですね。









 5周年記念に特別料理をやりますという葉書をもらいました。値段は6000円。7月2日(土)、3日(日)限定で、この両日は昼も夜も特別料理でメニュー固定だといいます。

ひと品目。ガラスの器で見るからに涼しげ。雲丹、サザエ、トマト、そしてズッキーニのソース。奥さんの恭子さんが他にも素材を挙げていたように思うのですが、今日はなっちゃんが留守という話に気をとられてしまって、申し訳ないことに忘れてしまいました。ああ、なっちゃんに会いたかったなあ。



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 ふた品目。自家製カラスミ、カマス、インゲン、ナスビのお椀。野菜はすべて縄屋の畑で自家栽培です。
 5月21日、縄屋の畑から摘んだ野菜で朝ごはんという企画がありました。私も参加しましてイチゴ畑でたくさんのイチゴを摘みました。そのイチゴが台風ですっかりやられてしまったと、なっちゃんのおばあちゃんから聞きました。


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 ここで、飲み物をカバにしました。吉岡さんの推奨です。カバと片仮名で書いたらなんかおかしいですね。Cavaです。銘柄はLarboc1919です。1919というのは、このカヴァを製造するセレルス・デ・ラルボック協同組合が設立された年です。ちょい甘口でおいしかった。2625円。縄屋へ行ったらオススメです。ワインクーラーはいつものようにこの骨董。安旨ワインの品格が上がります。

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 三品目は刺身です。キツネメバル、ハモ、トリガイ。レモンを全体に搾ってから、わさび醤油でもよし、縄屋自家製の塩昆布でもよし。魚がおいしいのはいうまでもありませんが、キュウリがおいしくて。やり方ひとつでキュウリがここまでになるのかと感心しました。
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 四品目。イサキの塩焼き。皮には丁寧に包丁が入れてあります。それが見た目のよさと味のよさ双方向性に貢献。おいしいより他に何をや語らんや。


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 五品目は吉岡さんの得意技。百合根とコリアンダーとトリガイの天ぷら。トリガイは、お刺身に使わなかった部分を活かしてあります。前述の門上武司さんのブログで「もうひとつ食べたかった」と書いてある逸品。門上さんのときはトリガイではなくてエビでした。今日はトリガイ。門上さんよりもええもん食べさせてもらったみたいで誇らしげ。


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 六品目。本日は半夏生ということでタコが出てきました。紫玉ねぎなどの野菜も。赤紫蘇の煮こごりがかかっています。いま記事にしながら、「へえ、えらいぎょうさんやったんやなあ」の思いしきり。6000円ですからね。5周年記念特別料理ならではの振る舞いです。一緒に行った人が、「吉岡さんは客の口の中がよく見えてるのではないか」と言います。いえいえ、口の中が見えるといっても吉岡歯科なんて話ではなくて、「次に食べたい味を見透かしたような構成だ」というのです。


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 七品目。きれいに種をくりぬいた唐辛子。そして豆腐、シイタケ。きれいにくりぬかれた唐辛子の中も見てもらわないといけません。写真2枚でいきます。


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 そして、八品目。料理はこれでおしまい。しまった。なんの雑炊だったか忘れてしまいました。もずくかな?忘れたお詫びに言うわけではなくて、おいしい雑炊。三十年も続く糠床の漬物がこれまた美味でした。


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 そして、デザート。青梅を煮て、その煮こごりに包んであります。皮をくずさずに煮るのは難しいと奥さんの恭子さんが言います。季節を食べ物で描いていく。冒頭の蛙さながら、言葉なしで俳句になってしまうのが縄屋の料理です。


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 5周年記念のお土産は縄屋自家製の塩昆布。ありがとう。今日は本当にごちそうさまでした。
 幸宣さん、恭子さん、なっちゃんのおばあちゃん、これからもよろしくね。「おすし縄屋」を始めたらまた案内ちょうだいね。


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