2011-07-30
番外編:こじょうはまのタラコ
こじょうはまのタラコというのをお医者さんから頂戴しました。
実は「こじょうはま」がよくわからなくて、インターネットで調べてみましたら場所は北海道。登別と苫小牧の間に位置する小さな町。白老郡白老町。漢字で虎杖浜と書くことがわかりました。
登別だ、苫小牧だといいますと、いい情報源を私は持っています。ビビアン母子です。二人は北海道出身で、しかも住んでいたのが登別や苫小牧。
「あら、おさちゅんは虎杖浜を知らないの?」とビビアン母。
「岸水産をもらったんですか。タラコのエルメスですよ」とビビアン。
「エルメスだなんて、娘の言うことだから」と母。
「ごはん三膳いけますよ」と娘。
そのへんは好きにしゃべらしときまして、「虎杖浜」で画像検索してみますと、いやほんま、タラコの写真ばっかしですわ。
外国産のタラコは運搬のために冷凍されてしまいます。虎杖浜では近海で揚がったタラを使いますから冷凍なし。解凍時に旨みが漏れてしまうことがない。漁獲から加工まで4時間~5時間というスピードらしいです(これは間人のカニがおいしいとされる理由によく似ています)。熟練のおばちゃんたちが伝統的な職人技で手際よく塩漬けにするのだと、インターネットに書いてあります。
「そうだよ、虎杖浜だろ。私も3日間だけバイトしたことがあるんだよ」とビビアン母。おかしいやんけ、それ。熟練やないやんけ。
「キシ水産もいいけど、竹丸渋谷も有名ですよ。私、竹丸渋谷のポスターのモデルやったことあるんですよ」と娘。
そういえば、私もタラコの瓶詰めをやったことがあります。あれは獨協大学を担当していた時代でした。宴会になりますと、医者、業者のへだてなく男全員が真っ裸で並びます。手には空にしたビールのコップ。これをチンチンにかぶせまして、「はーい、タラコの瓶詰め~」。
「お父さんと初めて夫婦喧嘩したときがタラコだよ」とビビアン母が語り始めました。約50年前の話です。その時代、タラコはいまよりもはるかに貴重品でした。
結婚したての夫婦の食卓。二人の間の皿に貴重品タラコ。夫はそのタラコを箸でつまむや、ぱくっとひとくちで食べてしまいました。
あ、あ、あ、タラコを。そんな食べ方してもったいない
もったいない?もったいないもんなら食わすな!
その後どう炎上したのか知りませんが、仲直りの寝床で母の子宮に宿ったのがビビアンではないかと、時系列的に推測する次第です。ビビアンもタラコみたいなもんです。
で、虎杖浜タラコをありがたくいただきました。普段食べているタラコと何が違うかといいますと、舌触りですねえ。実にサラサラとしてます。細かなひと粒ひと粒までがよくわかると妻お龍。なるほど、これが虎杖浜か。
お医者さんから頂戴した貴重なタラコにビビアン母子がノスタルジックな味を加えてくれました。ビビアン母子の語る虎杖浜タラコは20年、30年よりまだ以前の話ですが、そのおいしさがいまもなお変わらずに保たれていること。そこがすごいじゃありませんか。
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