創業80年!KTR峰山駅前。
店の構えからは歴史を感じません。中味が創業80年。駅前レストランという役割を担い続けてきました。
ホームページはこちらです http://www.geocities.jp/spa7spa/
店のすぐ隣にはこんな古い家屋も残っています。わざとモノクロ写真にしてみました。菊乃家80年を感じていただけますでしょうか。
子供の頃、実家の滋賀県甲賀郡水口町(いまは甲賀市といいます)に「ミフクモーテル」というドライブインができました。国道1号線を通るドライバーが第1ターゲットでしたが、町民たちもこぞって外食を楽しみました。
ミフクモーテルへ行けばうどんからカレーからハンバーグからお子様ランチからクリームソーダからなんでもある。食べ物だけじゃない。ジュークボックスもある。町民はそういう食堂を必要としていました。だって、そんな食堂なかったから。ミフクモーテルの2階では宴会も可能でした。
菊乃家のメニューを見ながら、ミフクモーテルのことを思い出しました。
ああ、ちょっとずつなんでもあるなあ。
これは私の勝手な想像ですが、菊乃家の場合、多様な需要を満たしてこその駅前レストランではなかったのでしょうか。いまでこそKTRの乗客数が激減してしまいましたが、かつては菊乃家が真に駅前レストランとして活躍しえた時代があったのだろうと思います。老若男女の勝手なニーズに応えてきた店ではないのでしょうか。創業80年ですから。それは、割り切ってしまえない、何かに特化してしまえない80年ではなかったのかと、メニューを眺めながら想像をめぐらせていました。
私は、づけ丼840円を食べました。
お箸の袋を開けると、なかから長細い紙がはらりとテーブルに落ちました。何か書いています。
そうですね、私に足りないのは辛抱。見透かしたような文言ではありませんか。このづけ丼に840円というのも若干の辛抱が必要だなと、そんなことも思いつつ。
菊乃家には2階もあります。窓際にピアノが置いてありまして、その上にトランペットが置いてあります。
国会中継を映すテレビ。地デジテレビの風貌を見せながらも受信はアナログ(たしかあと4日やなかったかいな?)。
国会答弁の音声も出ていますし、すぐ横のスピーカーからは音楽も流れています。どちらも聞けます。テレビを見ながらご飯を食べたい人も来ますし、音楽の流れる喫茶空間を求めて来る人もいます。どちらの客も切れない。割り切ってしまえない80年を髣髴とさせる両刀使いです。
2階は1階とうってかわって洋風です。お年寄り夫婦もいましたが、ついたての下から若い女性客の足首も見えました。KTRが衰退しようとも菊乃家は永遠に駅前レストラン、多様性を提供する役割が続いていくのではないかと思ったしだいです。
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