由良川鉄橋を渡る北近畿タンゴ鉄道。「みかんの雫」のふるさと、由良を散策しました。
【空き瓶から始まった好奇心】
みかん1.8kgを720mlに凝縮した「みかんの雫」。加えてあるのはまごころだけと言ってもかまわない濃厚さ。このブログにいろどりを添えるゆるキャラたちにも好評でした。妻お龍。ランチハウスリリーのまこちゃん夫妻。ビビアン。
宮津市由良のみかんを搾っています。
その空き瓶をながめるうちに、宮津市由良でミカンが収穫できることを不思議に感じ始めました。あのどんよりした冬の空とミカンがなかなか結びつきにくい。ミカンといえば、まずは愛媛、和歌山、静岡。小学校の社会でも温暖な土地でよくとれると習いました。
宮津市由良のミカンを育てるのは対馬暖流です。対馬暖流が年間気温を下支えしていると考えられています。その反面、北西の冷たい季節風と対馬暖流の温かい海面が出会った結果、日本海側の雪雲が発達するといわれています。
由良のミカン畑は、由良川に向かうごく緩やかな斜面、由良川河口の由良川鉄橋を望む場所に点在します(左の写真)。斜面は東側を向いています。
ミカンがよく育つためには、年間平均気温15度以上、冬の最低気温がマイナス5度を下回らないといった気象条件が最適だといわれています。
いや、うちの実家はもっと寒いのに庭のミカンがよくとれる。そう言う人もいます。ミカン栽培の気候条件や北限線引きが園芸にまで当てはまるわけではなくて、採算のとれる果樹園経営を前提にした話です。
さて、舞鶴海洋気象台のデータで宮津市の年間平均気温(1979年~2010年)を見ますと、13度台が10回、14度台が17回、15度台が6回。冬の最低気温がマイナス5度以下になった年が5回。
最適条件をズバリ満たしているとは言いがたい数値です。けれども、斜面をうまく利用して日照を稼ぎ、水はけを確保することによって、ミカンに有利な条件が可能になるのではないか。ミカン畑のマクロ的気候だけをとれば、けっこういけてしまうのではないか。
おそらく、由良が岳をはじめとする周囲の地形も語らなくてはならないでしょうし、何年かに一度は訪れる大雪のことも頭に入れておかなくてはならないでしょう。
ミカン農家の方にぜひ教えを乞いたいところでしたが、炎天下のミカン畑には作業する人影もありません。
真夏。青空。まだ葉と同じ緑色で、軟式野球のボールよりも硬いミカン。夏が往けば、秋の寒暖差で橙色に色づき始め、甘みを増します。丹後は、夏場ですら昼と夜の気温差が大きい地域です。この点においてはミカンの名産地にひけをとりません。
わけわからん。ミカンの木にカボチャ
【道の駅で1050円はモンダイだ】
晩秋から初冬、由良のミカンを加悦町の障害者支援施設「夢織りの郷」メンバーたちが収穫します。施設のにこにこ農産品加工所に持ち帰ったミカンを湯で洗い、ひとつひとつ手でむきます。むき終わったミカンを長野県に送ってそこで搾汁と瓶詰め。瓶に入って戻ってきたジュースにシールを貼って商品化されます。
「みかんの雫」には希望小売価格もとくにないのか、インターネット通販では980円だったり825円だったりします。夢織りの郷へ行って買えば800円。宮津まごころ市でも、白嶺酒造でも800円です。
これを1050円で売っているのが、道の駅しるくのまちかやです。平仮名ばかりでわかりにくい名称ですね。「道の駅シルクの町加悦」です。
同じ加悦町、夢織りの郷からは車でわずか10分ほどの場所にある道の駅で1050円。加悦を盛り立てようとする気概を感じない価格設定です。
この道の駅では、地元産の米の展示棚も店の隅っこや店外に追いやられています。
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