2011-11-26

綾部市(釜輪) 樹齢100年の柿をもらった

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 樹齢100年だそうです、この柿の木。
 柿をぼって(もいで)いるこの人が76歳。子供の頃にはすでにこの木が実をつけていたそうです。食べたくなったら木に登っていたといいます。
 76歳というお年齢(とし)を踏まえて考えますと、桃栗三年柿八年だから、樹齢80年では足りない。「誰が植えたか聞いたことがない。私のおじいさんが植えたとしても、90年ではまだ足りない」とのことです。
 へえ!


 このお姐さん ーーー76歳でしたら私にはお姐さんーーー は、この柿の木の家で生まれ育ちました。柿の陰に見える大きなお屋敷、石垣の上に建つ立派なお屋敷がそうです。大人になったお姐さんの嫁ぎ先はつい近所でした。


 そのお屋敷に、いまはもう表札がありません。相続できる立場にあった身内は明石に移り住みました。家はいらないとの意向だったそうです。


 樹齢百年の柿に主なし。もしこのお姐さんが柿をぼらなければ、ぼっていくのは鹿ばかり。夜な夜な柿を食べに来るのだそうです。古い木ほどおいしい実をつける。鹿はそれを知っている。お姐さんの背が届く範囲の低い柿の実は、鹿が食べ尽くしてしまいました。


 そこに竿があるから好きなだけぼっていきなさい。そんな、ふたつ、みっつといわず、ぼれるだけぼっていきなさい。


 思いもかけないありがたいお言葉。私は柿が大好きです。私に似て、孫の聖太郎まで柿が大好物。この山里の鹿にも負けないくらいに柿が大好きです。聖太郎に樹齢百年の柿を食べさせたい。


写真


 ところが、私は竿の使い方が実に不器用。まったくぼれません。見かねたお姐さんが畑仕事を捨てて、私のためにぼり始めてくれました。あの実がうまそう、この実がうまそうと、狙い撃ちで竿を伸ばしていきます。


 これだけぼっていただきました。本当にありがとうございます。


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 はるか眼下のイチョウを望みました。周囲の常緑樹はまだ日光を必要とするのでしょう、弱い太陽が常緑樹に吸い込まれます。そのなかにあってイチョウだけが、光よりもまだ輝いていました。
 今年はやっと紅葉がよくなりかけたばかり。
 お姐さんがそう言っていました。









11月26日追記:「いままで食べたなかでいちばんおいしい柿だわ」と妻お龍が言いました。固さを保ったまま芯まで甘いからです。聖太郎は、宅急便到着当日のうちに2個も食べてしまったそうです。

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